何者なんだ!? 香港で遭遇した真っ赤な祠(ほこら)と謎の婆さんたち

何者なんだ!? 香港で遭遇した真っ赤な祠(ほこら)と謎の婆さんたち

  • DIGIMONO!
  • 更新日:2016/11/30
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掲載:DIGIMONO!

テーマ=『デジタル×価』
“最強のよそ者”として、数々の業界でビジネスに変革をもたらし続けてきた伊藤嘉明が、”趣味も仕事もフルスイングする価値”について考える連載コラム『伊藤嘉明の「人生万事振り切るが価値」』。今回は珍しくゾンビ・トークを封印!? しかしそんななか立ち寄った香港で摩訶不思議な魔境へと迷い込んでしまい……。

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このコラムのタイトル、現時点で全国津々浦々からリクエストは来ているので「人生万事ゾンビるが価値!」に変えてもいいかと検討中。しかしいつもわけわからない話ばかりだと、私のイメージにも関わるのでたまには表の顔のことを書くことにする。裏の顔がゾンビマニアなのかはこの際論点にはしない。なぜなら人生、万事振り切るが価値!

ということで新たに立ち上げた事業のため10日間でシンガポール、タイ、ラオス、香港と回る出張での話。最終目的地である香港での二日目の夜、地元の友人とご飯を食べようと歩いていた時のこと。宿泊していたワンチャイエリアからコーズウェイベイ近くまで歩いて陸橋の下を通っていた道すがら、そこだけがまるで魔境の入り口のような雰囲気を醸し出しているヤバい空間があった。

陸橋の下だから当然暗いのだが、そこに四、五名ほどの量産型婆さん達が赤い祠のようなものの前に鎮座しているのだ。世界有数の金融都市である香港の顔ではなく、キョンシーっぽいといった方がわかりやすいだろうか。いわゆる歴史を感じるオカルト的な不気味さ。キョンシーを知らない読者に説明すると……まぁ言ってみれば香港の古代ゾンビ応用編だ。霊幻道士シリーズで80年代に大ヒットしていたのでそこそこの年代の人たちは知っていると思う。

おいおい、結局またゾンビかよ、というツッコミに対してはいつも同様に聞く耳は持たない。なぜなら私には全国津々浦々の読者ファンがついているのである、3名ほど。まぁいい。キョンシーについての詳細は勝手にググっていただきたい。常にインターネットを通じて調べることにより、このコラムはいろんな意味で勉強になっていることはこの私が保証する。これもIoT、世界初IoTゾンビ講座である。

魔界村入り口にいた番人の正体とは……?
では話を戻す。この魔界ゾーン、道教の寺院を想像していただきたい。派手な黄金と赤が織りなすハーモニー。中国のイメージの御多分に洩れず、真っ赤な布切れに黄色い文字でびっしりと説明が書いてある立て看板。

そしてその看板の下の祠もまた、シャア大佐が乗るシャア専用ザクということが一発でわかるような赤。そのシャアザクの祠の中には中国の神々が祭ってある。ここで注意していただきたいのはシャアザクの赤だからといって、けっしてその祠が三倍のスピードでご利益があるというわけではない。

祠のなかを見るとそこには我らがヒーロー堺正章、じゃなくて斉天大聖様(いわゆる孫悟空)、あとは関羽? 観音菩薩、黄大仙だとか色々あり、あまり統率取れていない感じである。しかしそれがまた特別な雰囲気を醸し出している。ろうそくの明かりと線香の煙でいっぱいの魔界村入り口みたいな雰囲気に惹かれ、「これはさもや有難い占い師に違いない!」「話を聞いてもらおう!」と一緒にいたキリスト教徒香港地元民の友人に言ったところ、そんなものはやらないと一蹴。だが、やるなと言われるとやりたくなるというのが人情、やられたらやり返す、それが伊藤家家訓である。

嫌がる友人を無理やり連れ、魔界村量産型婆さんの中でも比較的新型機種であろう方に近寄り、赤いプラスチックの椅子に座ってみた。早速ジャッキー・チェンばりの笑顔と香港映画で覚えた広東語で挨拶をする。まぁカンフー映画で覚えた単語なので3つ4つくらいしか知らない。仕方ないから友人は渋々通訳を始める。すると量産型婆さん、「今日は誰を呪いたいんだい?」と。

え? パァドン・ミー? この魔界村入口の量産型婆さんたち、香港の占い師かと思ったらとんでもなかった……黒い呪術師アブドーラ・ザ・ブッチャーならぬ香港の呪術師、依頼主の嫌いな奴を呪ってやっつけるすごい人たちだった。あぁ〜、ヤバい! 量産型婆さんとか言ってごめんなさい、許してください! と心の中で速攻で10回唱えたから許してもらえたと思う。この方達はその名も拝神婆(バイサンポー)という。決してサモ・ハン・キンポーではない。

香港といえばカンフー映画。カンフーといえば……シューズ?
で、これ、打小人(ダーシウヤン)という100年以上前からある香港独特の風習。小人とは災いを持ってくる悪い奴という意味で、君子または貴人の対義語で、下劣、下賤な人物を指す。自分の人生に災いや災難を持ってくる下劣な悪人、シウヤン(小人)を追っ払うための儀式が打小人なのだ。

でどうやるかというと、文字通り、サモ・ハン・キンポー、じゃなくて拝神婆が叩いて追い払う。それも、古くさいカンフーシューズみたいな、お世辞にも綺麗とは言えない履物で、小人の名前を書いた人型の紙切れを呪い唱えながら延々と叩く。

想像していただきたい。国際金融都市である香港のダウンタウンにある魔界村ゾーン。プラスチックの椅子に座り、その前でおばぁさんが呪いを唱えながら古くさいカンフーシューズでパンパンパンパン……あぁ、どうしてもやってみたいと言ってゴメンなさい! こんな恥ずかしい思いをするくらいならもうこの世からいなくなってしまいたい、いくら厄除けとはいえ、悪い奴らとはいえ、呪うだなんて……もう無理! と逃げ出そうとした時にパンパンパンの儀式は終わった。するとその叩き終わった人型の紙切れをこれまた紙製のたくさんの虎たちに食べさせる。もちろん呪いを唱えながら。それからその人型の紙きれ小人を火にくべた。小人はボゥッと一瞬で燃えてしまった。

するとどうだろう。まるですべての悪いものが自分から離れていったかのような錯覚を覚えた。もっとも、公衆の面前でパンパンパン儀式に参加しているという辱めからの解放、なのかもしれない。この文章では打小人のプロセスよくわからないアルよ! という人たち。読書感想文と同じで、本の筋書きだけを書くと先生に怒られるのである。いったいぜんたい学校で何を学んできたのか聞いてみたい。

で、デジモノらしくデジ情報。この打小人、アプリになってました……ということで、今回の打小人の効果がそろそろ出てきた頃ではないだろうか。私に嫌がらせをするとサモ・ハン・キンポーにやっつけられるからそのつもりでいたまえ。では御機嫌よう。再見!

文/伊藤嘉明

※『デジモノステーション』2016年12月号より抜粋

連載バックナンバー: 伊藤嘉明の「人生万事振り切るが価値」

いとうよしあき/外資系ブランドのPCを自衛隊に納入し、日本一の大型案件を成立させる。マイケル・ジャクソンの名盤『THIS IS IT』を約230万枚売り上げ、社会現象に。『R2-D2型移動式冷蔵庫』『ハンディ洗濯機COTON』という世界初の家電を世に送り出したビジネスマン。著作に『どんな業界でも記録的な成果を出す人の仕事力』(東洋経済新報社)など。

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