内定者に新卒の採用活動を主導させる残業ゼロ企業の人材育成戦略

内定者に新卒の採用活動を主導させる残業ゼロ企業の人材育成戦略

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  • 更新日:2017/11/15
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合宿インターンシップにて。株式会社ランクアップ 代表取締役 岩崎 裕美子氏

「マナラ化粧品」を展開している株式会社ランクアップといえば、残業ゼロでも業績を向上させ続けていることで知られている。そんなランクアップが、新卒採用についてまた新しい取り組みを実施している。内定者が主導で採用活動するというものだ。

会社の人事や経営層のみならず、内定者にも採用選考の権限を一部任せるのだという。まだ内定が決まったばかりの者たちに新卒採用にかかわらせることで、果たしてどのような効果があるのか。ランクアップの人事担当者・内定者へのインタビューから探る。

■なぜ内定者に新卒採用を主導させたのか

「内定者が新卒採用活動を主導で行う」とはなかなかの冒険だ。先日、早速、学生たちとの一泊二日のインターンシップ合宿を開催したという。このように内定者を採用活動に参画させることにした経緯やねらいはどのようなものなのか。ランクアップの人事担当者は次のように語る。

ランクアップ人事担当者「内定者にインターンシップを通して成長してほしいという狙いがありました。彼らは採用される側から採用する側へと、立場が急に大きく変わります。とてもむずかしいことではありますが、私たちが採用したい人材を具体的に内定者がイメージし行動することで、自然とそのような人材に成長してもらうという仕組みとしました」

内定者に対し、どのようになってほしいと期待したのだろうか。

「内定者であっても、より“ランクアップ人”、つまり“常に挑戦し続けられる人”に成長してくれることを期待しました。インターンシップを終え、結果的に内定者であっても、ランクアップで即活躍できる人材に成長してくれました」

■内定者がかかわった採用活動

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内定者は、1次選考となる社長セミナーでは審査員を務めたほか、合宿インターンシップでは参加した学生から成るチームのアシスタントを務めた。そして選考やインターンシップの目的や目標を考えるのも内定者の役目だった。内定者にとって入社前の最初の仕事となるというわけだ。

合宿インターンシップでは、参加した学生たちに抽象的なテーマを与え、考え抜かせる次のようなプログラムを実施したそうだ。

◆「チームメンバーを売り込め!」
チームメンバーの人となりをチームで理解して、他の全参加者たちに売り込む。

◆「◯◯ツクらない?」
顧客ターゲット・消費者の悩み・プロダクトを設定して、新商品アイデアをチームで練り、発表する。

■困惑しつつもやりがい・成長を見出す内定者たち

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内定者からしてみれば、内定が決まった後、入社前に突然「新卒採用を手伝ってくれ」と言われること自体、驚きだろう。率直な感想を内定者4名に聞いた。

内定者A「インターンの企画、運営に内定者の私が携われるのは普通じゃ考えられないという驚きとワクワク感がありました」

内定者B「最初は戸惑いが強かったです。最近まで採用される側だったのが採用する側になるなんて、という感じで。しかしやっていくうちに戸惑いよりも『会社のためにはどのような人材が必要か』という目線で考えられるようになっていきました」

内定者C「『不安だった』というのが率直な感想です。大げさかもしれませんが、その人の人生を左右させるのかと思うと、すごく責任を感じました。しかし、それと同時に学生のうちにこんなにも大きなプロジェクトに関わらせてもらえるなら、全力でやりきって成長し成功させようとも思いました」

内定者D「会社の命運を分ける採用となりうる少ない採用枠の中で、経験もない私たち内定者では心もとないと感じました。しかしインターンを通じて採用したい人材の人物像が明確になっていったこと、自分たちの後輩を見つけたいという想いが一層強くなりました。今後の採用活動にも力を入れて取り組みたいです」

■内定者たちが新卒採用で心がけていること

今回、内定者が新卒に求める人物像を自分たちで考え、評価基準も自分たちで設定したのだという。内定者たちはこうした採用活動に当たり、何を一番に心がけているのだろうか。それぞれの内定者に挙げてもらった。

内定者A「学生が本来の力、素を出せるような場を心がけています」

内定者B「見た目や先入観にとらわれずに、その人の話や性格に寄り添うことです。採用活動を通して、話し方やしぐさ、この人が本当に考えていることを汲み取れるように、また話せるような雰囲気を作れるように心がけています」

内定者C「ランクアップでは求める社員像を明確にして、それに合った人材を採るという採用方法を行っています。私は、その社員像にプラスして、今いる地点からどれだけ努力のできる人か、どれだけやる気がありそれをしっかり伝えられる人かも見ていました。能力的な部分では、まだ学生の時分ではそれ程差はないと思うためです」

内定者D「私は常に『人間性、個性、独創性』の3つの視点で見ることを心がけています。社会は信用と信頼で成り立つものではあるものの、多数派に回ればよいというわけでもなく、会社のため、自分のために常に新しいことを考え挑戦することが必要であると考えているからです」

最初は戸惑ったという内定者たちも、新卒志望の学生たちを見る視点は一人前である。何より、新卒採用の選考も大事ではありながら、内定者そのものの成長は計り知れないものになったようだ。他の企業でも同じように行う企業も出てくるだろう。

取材協力
株式会社ランクアップ
http://www.manara.jp/brand/index.html

取材・文/石原亜香利

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