伊東純也はゲンクでヒーローになった。来季は「CLでバルサとやりたい」

伊東純也はゲンクでヒーローになった。来季は「CLでバルサとやりたい」

  • Sportiva
  • 更新日:2019/05/22

ゲンクが8年ぶり4度目のベルギーリーグ優勝を果たした。2位のクラブ・ブルージュとの差はわずか勝ち点2。だが、ベルギー国内で「サッカーの質の高さは随一」と、ゲンクの強さは認められており、正当かつ順当な優勝として受け止められている。

2月上旬、柏レイソルからゲンクに電撃移籍した伊東純也は、3カ月半という極めて短い間で、ベルギー人に強烈なインパクトを残した。

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ベルギーリーグ1年目でいきなり優勝を味わった伊東純也

縦へのスピード、アジリティ、ボールを持った時の落ち着き、相手ペナルティエリア内でのテクニック、クロス精度、しつこいプレッシング、そしてゴールに直結するプレー……。日本代表という肩書きこそあるものの、ベルギーでまったく無名の存在だった伊東は、瞬く間にゲンクの主力として認められるようになる。ボールを失ってもすぐに相手をチェイスして取り戻してしまう姿勢に、サポーターから信頼と好感が寄せられた。

5月3日、アントワープとのホームゲームで、ゴール裏のサポーターが「イート―! イート―!」と熱狂的に叫びながら、まるで神を崇めるかのように伊東に向かってお辞儀を繰り返した姿は忘れがたい。この夜の伊東はFWレアンドロ・トロサールとの連係がすばらしく、右に張った伊東と左に張ったトロサールがお互いに感じ合い、認め合い、意識し合って長短交えたコンビネーションを見せた。

33分、トロサールが素早くFKを蹴り、ペナルティエリア内の左に走り込んだ伊東にボールを出す。伊東のファーストタッチが大きくなったためチャンスには至らなかったものの、ふたりによる見事な即興の妙だった。

「あれは練習もしてなくて、『レア(トロサール)から来るかな』との判断で走ったら、本当にボールが来た。ファーストタッチがもう少しうまくいけばシュートまでスムーズに行ってましたが、『本当に来たっ!』と焦ってしまいました」

57分には、トロサールのクロスを伊東がボレーシュートで叩きつけ、ベルギーリーグ通算3ゴール目を決めた。その後、ゲンクはアディショナルタイムにPKでもゴールを奪ったが、それも伊東のサイドチェンジから生まれたPKだった。

「試合前から、相手が寄ってくるのでお互いにサイドチェンジをしよう、と話をしていた」

左右に張るトロサールと伊東に相手が警戒して寄ってくるため、ゲンクの中盤にはスペースが生まれる。サンデル・ベルゲ、ブライアン・ハイネン、ルスラン・マリノフスキーらゲンクのMFは、こうして中盤での自由を享受した。

アントワープ相手に4-0と快勝したのち、選手たちはゴール裏のサポーターと万歳三唱を繰り返して喜びを分かち合った。サポーターが伊東の名前を叫び、チームメイトも「ゴー! ゴー!」と、伊東が前に出ることを促した。彼の音頭で、二度、三度、四度と、みんなが万歳を繰り返した。伊東はゲンクのヒーローになった。

だがその後、伊東の調子が落ちた。3月30日のアンデルレヒト戦で痛めた腰を、5月7日の練習で再び痛めてしまったのだ。

5月12日に行なわれたクラブ・ブルージュとの首位攻防戦では、伊東はアップの時から「恐る恐る」という雰囲気だった。試合が始まっても、伊東は思い切ったスプリントすらできず、活躍できぬまま84分でベンチに下がった。試合は3-2でクラブ・ブルージュが勝ち、ゲンクに勝ち点3差まで迫った。

5月16日のアンデルレヒト戦では、伊東はやや持ち直した。11分には、中盤に引いてボールを受けると、ひとり交わしてターンしてトロサールに縦パスをつけた。そこからボールは右に展開され、最後はハイネンが詰めてゴール。試合は1-1で終わったものの、クラブ・ブルージュがスタンダール・リエージュに負けたことにより、ゲンクの優勝が決まった。

「プロになってから(優勝は)初めて。大学でもなかったので、実感が湧いてないです」。優勝を決めた直後、伊東はそう言って笑った。

ゲンクを率いるフィリップ・クレマン監督からは、「1対1になったら常に仕掛けろ」と言われているのだという。

「それが自分の得意なプレーなので、そういう部分を評価してくれていると思います」(伊東)

クレマン監督は、「伊東は26歳で、経験もあるプレーヤーなので、指示したことを対して自分で考え、それをプレーに移してくれる」と言う。その一方で、ベルギーメディアは「伊東は22歳まで大学サッカーでプレーし、それからプロになった26歳の原石。すでにすばらしいプレーを披露しているが、まだ伸びしろを残している」と評し、伊東の遅咲きぶりを驚いている。

今シーズン最終戦となった5月19日のスタンダール・リエージュ戦(1-1)、伊東は休養という形でベンチにすら入らず、観客席から仲間のプレーを見守り、試合後の表彰式に出た。

「(来シーズンのことは)何にも考えてないです。とりあえず、早く(日本に)帰って休みたいです」

アジアカップが終わるやいなやすぐにゲンクに加わり、それからずっとシーズンを駆け抜けた伊東にとって、早く日本に帰って休みたいのは心からの本音なのだろう。

各国代表の選手が集まるベルギーリーグにおいて、ゲンクに所属する選手の能力は「(J リーグより)はるかに高い」と伊東は語る。そんな環境で伊東は、ルーキーイヤーながらいかんなく実力を発揮した。そして、来シーズンはチャンピオンズリーグという世界最高峰の舞台に挑む。

「強いチームと戦うのは、やっぱり楽しい。(対戦してみたいチームは)全部。バルサとか、やりたいですね」

人生初の優勝を果たしたその先に、夢の続きがさらに広がる。

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