清潔感だけでもダメ? 「ジャケパン」がダサい人が見直すべき「質感」と「丈感」

清潔感だけでもダメ? 「ジャケパン」がダサい人が見直すべき「質感」と「丈感」

  • ハーバー・ビジネス・オンライン
  • 更新日:2018/02/15
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ジャケパンスタイルのイメージ(提供/森井良行)

私はこれまで金融・商社・保険・IT・メーカー・アパレル・接客業など、さまざまな業界で働く、のべ4000人以上のビジネスマンから依頼を受け、買い物に同行してきました。

◆「服のビジネススキル」の磨き方

そのなかで毎回、「服を通じて、顧客にどんな印象を与えたいですか?」という質問をしていますが、意外なことに「清潔感ある印象」という回答はほとんど返ってきません。

その代わりに上位を占めるのは「安心・親密・信頼」です。実際、服を通じてこれらの印象を顧客に与えることは可能です。相手と会話を交わす前、視界に入った瞬間からコミュニケーションはスタートしているといっても過言ではないからです。

これらの印象を服で表現するのを「服のビジネススキル」と私は呼んでいます。前編では、相手の印象を良くする「3感」のひとつ「清潔感の作り方」について説明しましたが、後編では、残りの2つ「質感」「丈感」の正体に迫ります。

「質感」と「丈感」。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、どちらもスーツ以上に、主に「ジャケパン」の着こなしで重要視したいキーワードです。

◆今増えている「ジャケパン」スタイルとは?

2004年にスタートした「クールビズ」、さらには昨今の「働き方改革」の影響もあって、スーツ以外の選択肢を検討するビジネスマンが増えてきました。その代表格がジャケパンです。生地が異なる上下のジャケット&スラックス。最近、こういう恰好の同僚を見かけませんか?

私が買い物同行しているクライアントからも「ジャケパンの着こなしを知っておきたい!」という声は増えており、日に日にニーズは高まっています。

ジャケパンと聞いて「(スーツに比べて)だらしなく見えてしまうのでは?」という不安を抱くビジネスマンもまだ多いでしょう。しかしながら、「質感」と「丈感」にこだわることで、ジャケパンでも「清潔感」を出しつつ、しっかり着こなすことは可能なのです。

◆スーツは光沢感を、ジャケパンには「質感」を!

まずスーツとジャケパンはそもそも何が違うのか考えてみましょう。

仕立ての良いスーツの生地は、光沢感がその良し悪しの尺度になります。高級な糸ほど細い糸で織られた生地は光の反射により微光沢を放ち、高級に見えます。しかしながら、たとえば同じウール糸を使っても、スーツとジャケパンの生地はまったく異なります。

光沢感を重視するスーツジャケットに対し、ジャケパン用のジャケットでは生地の質感が特徴的です。ジャケパンでは、春夏の場合、麻・綿を混紡し、秋冬では「紡毛糸」と呼ばれるスーツ生地とは異なるウール糸を採用しているのです。

特に、毛羽立ちを特徴とする秋冬のフランネル生地は、視覚的にも温かみが増します。この温かみこそ、安心・親密の印象づけに役立つのです。

さらに配色にも注目すべきです。ジャケパンの定番ともいえる配色といえば? そう、紺色のジャケットにグレーのスラックス(ズボン)です! 上下の生地が異なるからこそ、ビジネスシーンにおいては派手な色遣いを求められないのです。つまり、ジャケパンの見せ場は色遣いより「質感」と言えるのです。

そして、ついやってしまいがちなのが、購入済みのスーツジャケットにスラックスを合わせてしまう“似非”ジャケパンスタイル。質感がないスーツジャケットに生地の異なるスラックスを合わせた場合、その組み合わせはジャケパンとして成立するのでしょうか?

当然、質感のないスーツジャケットにスラックスを合わせてもエレガントなジャケパンには見えません。むしろ、チグハグな印象に見えるリスクがあります。なぜなら、ネクタイを絞める着こなしまで含めて、スーツは完成するからです。

ノーネクタイスーツや、スーツジャケットの似非ジャケパンは不完全なスーツスタイルとして、だらしなく見えるリスクがあります。お堅い業界の役員級のビジネスマンほど、スーツにボタンダウン・シャツという独自の着こなしが根づいている傾向があるようですが、服と服の組み合わせという視点からは、あまりにいびつに見えます。

大事なことは、春夏は涼し気に見えるザックリした質感、秋冬は毛羽立ちによる温かみがある質感を選ぶこと。光沢感を重視するスーツの場合、糸が細いからこそ生地は季節を問わず差が出にくいのですが、ジャケパンは生地による質感が善し悪しを決めるのです。

◆スーツとジャケパンで異なる? ジャケットの最適丈

スーツとジャケパンでは最適なジャケット丈が異なることをご存知でしょうか?

同一生地で織られたスーツに比べ、上下が異なるジャケパンの場合、求めれられるジャケット丈は通常より2~3センチ短いのです。

同一生地で重厚感を印象づけたいスーツに対し、上下異なる生地によって軽快さを印象づけるジャケパンでは丈のベクトルが異なります。だからこそ、スーツジャケットの丈のままではジャケパン特有の軽快さが失われ、重い印象に見えがちなのです。

実際、いつものスーツジャケットを生地が異なるスラックスに合わせてみてください。必ずやジャケット丈が長いと感じるはずです。もし、バランス良く見えてしまうならば、そのスーツジャケットはスーツジャケットとしては短すぎるということになります。

一方、スラックスの最適丈はスーツ、ジャケパンどちらの場合も変わりません。ただし、1990年代に比べ、今日のスラックス丈は短くなっています。

1990年代頃のスラックスの裾幅は21~23センチ程度でした。ところが、昨今ではスラックスの裾幅が細くなったことに伴い、18~19センチと細幅が主流なのです。この細幅のスラックスは長い丈と相性がよくありません。余った生地が足元に不要なシワを作るからです。

だからこそ、スラックス丈は立っている状態でクッションと呼ばれるシワが小さく1つできる程度、また、座った状態でソックスがチラッと見える程度が理想的です。スーツショップで購入する際は、必ずこの点をチェックするようにしてください。

スーツと、ジャケパン。ビジネスファッションのスタンダードが2つに分かれた今、とりあえずスーツを着ることが正解ではなくなりました。どちらが正解というわけではなく、それぞれの服装ルールを理解して着分けることが今、すべての人に求められているビジネスファッションだと私は見ています。

こんな時代だからこそ、ビジネスファッションは、すべての人に求められるビジネススキルのひとつと言っていいのではないでしょうか。

<文/森井良行>

【森井良行】
株式会社エレガントカジュアル代表取締役。’79年 千葉県出身。服のコンサルタント、「プロの目線でユニクロも好印象!」をモットーとして、のべ4000人を超えるビジネスマンの買い物に同行。公式サイト「エレカジ」にて、自身がリサーチしたアイテム情報など随時更新中。上場企業から「営業マンのための印象研修」を請け負っている

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