「僕を信じてくれる人がいた」 宮市亮、苦難を経て達した境地「スピードも上がっている」

「僕を信じてくれる人がいた」 宮市亮、苦難を経て達した境地「スピードも上がっている」

  • Football ZONE web
  • 更新日:2019/11/02
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ザンクト・パウリの元日本代表MF宮市亮【写真:Getty Images】

選手生命の危機を乗り越えて今季ザンクト・パウリで躍動、ルフカイ監督も絶賛

ドイツ2部ザンクト・パウリのヨス・ルフカイ監督は、今季34人もの選手を抱えている。ポジション争いは熾烈だ。パフォーマンスが少しでも下がると、容赦なく別の選手が起用されていく。

そんななか、ほぼ全試合でフル出場を果たしているのが元日本代表MF宮市亮だ。現地時間10月30日に行われたフランクフルトとのDFBカップ2回戦では、2週間前の打撲の影響もあり出場は見送られたが、指揮官の信頼は絶大なのだ。

ルフカイはドイツ紙「ビルト」の取材に、「リョウのコンディションの状態は良い。この2カ月間、それを証明している。非常に優れた選手であり、いつでも全力でプレーしてくれる。前に出ていくプレーに関しては、スペシャルなクオリティーを誇っているんだ。攻撃でも守備でもチームを助けてくれる」と絶賛している。

そんな宮市がフランクフルト戦後にミックスゾーンで、こちらの質問にとても丁寧に答えてくれた。

「サッカー選手になって初めて充実しているかなというくらい、試合にもコンスタントに出られていますし、本当に怪我なくこのまま1年やっていきたいなと思いますね」

宮市はそう噛みしめるように語る。

壮大なキャリアを期待されていた。だが、何度も大きな負傷が立ちふさがる。「現役続行は無理かもしれない」と言われたこともあった。なぜ自分だけが、こんな苦しい思いをするのか。そんな思いに苛まれたことだってあるだろう。

だが、宮市はいつだって前を向き、また立ち上がってきた。これまでの経験から多くのことを学んだ。自分を知り、サッカーを知り、そして世界を知り、絆の素晴らしさ、ありがたさを誰よりも感じてきた。胸に去来するのは、苦しい時期を助けてくれた周りの人への感謝の思い――。

「やっぱり、もちろんサッカー選手ですから、(怪我は)つきもの。なんだろう、このままじゃ終われないというのもありました。怪我をして、でも僕以外の、ファンの人もそうでしたし、家族もそうでしたし、こんな歩けない状態になってもまだ信じてくれる人がいた。まだ『お前はできるぞ』ということを言ってくれる人がたくさんいたんで。いろんな要素がありますけど、そういういろんな要素を含めて、今こうしてもう一回ピッチに立って試合に出られているので、そういう人たちのためにもしっかりプレーして、恩返しじゃないですけど、僕ができることをしっかりやっていきたいですね」

リハビリでフィジカルを強化 「怪我する前よりスピード自体も上がっています」

ザンクト・パウリも、そんな宮市をいつでも手厚くサポートをしていた。まだ完全復帰できるか分からない時でも、契約延長のオファーを出してくれた。

「これだけ2回、3回と大きい怪我をして、契約延長までしてもらって……。すごい恩はありますし、自分が返せることっていうのはピッチ上でやれることだと思うので、結果なりアシストなり出していければいいなと思います」

今、宮市は代えのきかない主力選手として、チームを助け続けている。武器だったスピードにはさらに磨きがかかり、負傷前と比べて現在のほうがフィットネスの数字は上回っているという。

「リハビリの段階でそこに取り組んでいたので、そこでいい感触を得られて。やってきたことが今につながってきているのかなと思います。怪我する前よりもスピード自体も上がっています。

昔からスピードで、というプレーヤーでしたけど、より攻守にそこが発揮できるようになったかなと思います。スペースに出ていく動き出しのところで工夫したり。中盤、特に僕は右サイドで出ることが多いので、左サイドから展開して中盤に入ってきた時に(相手)DFの裏を突いていくというところを意識してやっていますね」

コンディションの充実さは、自信にもつながる。だから、ただプレーしているだけで終わりではなく、ゴールに直結したプレーにもこだわりを持って取り組んでいる。

「数字的には監督は4~8ゴール、4~8アシストしてほしいというのは攻撃陣の選手には言っているので、そこは目指したい。日々、健康でいることに感謝して、そこをしっかり日常的にやっていけば、結果は後からついてくるのかなと思うので、しっかりケアなりやっていきたいと思います」

日本代表への憧れは失わず 「選ばれるなら今すぐにでも行きたい」

やりすぎないように、無理をしないように――。日本代表への憧れだって無くしたわけではない。「そうですね、選ばれるなら今すぐにでも行きたいですけど」と笑う。でも、遠くを見すぎてしまうと、欲を出しすぎると、余分な力が入ってしまう自分がいる。

「長年のプロになってからの経験、特に苦しい思いをしてきたので、そういうところのコントロールはできているかなと。試合に出してもらっていると欲が出やすいんですけど、僕は欲が出すぎると空回りしてしまうタイプなので、自分ができることにフォーカスしてやっていけば、そういうことはついてくる」

毎日を大事にしながらコンディションに気を配り、ピッチに立って全力でチームのため、自分を支えてくれるすべての人のために、宮市は走り続けている。(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

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