困っている人がいたらなんでもやりたい 明照会理事長 河原至誓さんインタビュー

困っている人がいたらなんでもやりたい 明照会理事長 河原至誓さんインタビュー

  • 介護のほんねニュース
  • 更新日:2016/10/20

老人ホームよりお坊さんをやりたかった

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聞き手:山本あずさ

【山本】社会福祉法人明照会の理事長になるまでのお話をお聞かせください。

【河原】僕、実家がお寺なんです。お寺の次男として生まれたので住職になれないことはわかっていたんですが、お坊さんにはなりたいと思っていました。人の役に立ち、困っている人をサポートできそうじゃないですか。サラリーマンみたいな働き方でもないし、今で言うカウンセラーみたいなことがやりたくてお坊さんになりたかったんです。
それで、お坊さんを養成する大学に入ったのですが、大学時代は仏教のことを学ばずにほとんど遊び呆けていました。ただ、大学院では体重が10キロ以上落ちるぐらい仏教のことを勉強しましたね。その後、実家の特別養護老人ホーム「あそか苑」(兵庫県伊丹市)で1年半ぐらい働いていたときに、父が突然倒れてしまったので、老人ホームの理事長に就きました。

【山本】どうしてお父さんから理事長になってほしいと言われたんですか?

【河原】老人ホームの施設長って実務者なので大変じゃないですか。経営者である理事長ならできるんじゃないかと父は考えたんじゃないですかね(笑)。

【山本】実家のお寺とは別で老人ホームをやっておられたんですね。

【河原】そうです。その前は、祖父が戦争孤児を集めて保育所を始めました。でも、檀家さんで保育所をはじめた人が出てきたときに「他の人がやるんだったらお寺が地域の人のためにやることではなくなった」と言ってやめてしまったんですよね。その後、父が保育所だった建物をどうしようかと考えて、25年ほど前に老人ホームを始めました。それが社会福祉法人明照会のはじまりです。

お坊さんが本来やるべきことをやる

【河原】最初は僕、老人ホームってあんまりやりたくなかったんです。経営者はお金のことを考えないといけないので、お坊さんとしての生き方のほうが向いてるなと。でも、よくよく考えたら、本来のお坊さんの仕事って地域や社会のために活動することだと思うんです。学校の先生もお医者さんも弁護士も政治家も、先生って言われる仕事って、昔はだいたいお坊さんがやっていたんですよ。いまお坊さんに残った仕事はお経を上げることしかない。僕がやっている仕事は、本来のお坊さんがやるべきことなんです。

【山本】地域や社会のために活動するという本来のお坊さんの仕事と河原さんの介護福祉のお仕事、なにかつながることはありますか?

【河原】介護に限定された仕事ではなく、困っている人がいたら助けなきゃ、かわいそうな人がいたら守ってあげなきゃ、みたいなことですかね。困っている人がいるんだったらなんでもやりますという感じです。

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【河原】父に、理事長をどうやればいいのか相談したときに「もう老人ホームやめていいよ」と言われたことがありました。祖父が保育所をやめたときのように、もう介護保険ができて普通の人が仕事としてできるようになったから、お前がやる必要はないと。制度化されていないとかビジネスになりにくいことを見つけて取り組みなさいと。でも、経営者になったからわかるんですけど、それはお金がないとできないので、今やっていることをしっかりやってお金を生んだ上でそっちに回さないといけないとも思うんですよね。

【山本】その言葉を受けてどう思いましたか?

【河原】あ、そうなのかと。そう言われるとなにをやってもいい状態になるんですが、地域のことを知らないとなにもできないとも感じたので、外に出て活動をしようと思いました。

介護福祉士を子どものなりたい職業トップ10に

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【山本】具体的に施設の外ではどういった活動をしているのですか?

【河原】地元の青年会議所や労使協議会に行ったり、NPO法人Ubdobe(ウブドベ・医療福祉エンターテイメント)と出会ってもっとこうしたほうがいい、ほかのところではこうしているみたいな日本中の話も聞いたりしています。困っている人は外にいると思うので、外に行ってさまざまなことを知ろうという感じですね。

【中浜】介護福祉士を子どものなりたい職業トップ10に入れたいという思いはそういう活動のなかから生まれたんですね。

【河原】そうですね。僕ってすごく幸せな人間だと考えていて、僕の仕事は周りの人にその幸せを伝えることだと思っています。僕が幸せを伝えた人がさらにほかの人に伝えてくれればいいなと。組織ってそういうものだと思います。僕の法人には300人ぐらい職員がいるのですが、彼らがまず幸せになるために介護職員や介護福祉士をもっと人がうらやむような仕事にしたいですね。

介護と保育をごちゃまぜにしていきたい

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【河原】僕が最初にやった仕事は、5年前の事業所内保育所の設置です。大学院を卒業して最初に施設に入ったとき、強い違和感がありました。なんて入りづらくて排他的な空間なんだろうと。その原因は、施設のなかにいる人の平均年齢が高いからだと考えて、施設内に保育所を作りました。平均年齢は下がったし、地域との交流も増えたし、だんだん雰囲気が変わってきている気がします。事業所内保育所に加えて、現在では民間保育所もやっています。結果的に祖父がやっていたことを再びするようになりましたね。

【山本】保育所ではどういったことをしているのですか?

【河原】0歳から3歳ぐらいまでに脳細胞の70%ほどができてしまうそうなんです。その間に子どもたちにいろいろな体験をさせてあげたいなと。例えば、2年前から始めたお泊り保育では、魚の手づかみとか茶摘み体験など普段できないような体験をさせています。

【山本】お年寄りの多い過疎地域に子どもたちがいくことで、その地域が元気になったり…なんてこともありそうですよね。

【河原】介護も保育もごちゃまぜでやりたいんですよね。介護の場に子どもが入ると、介護する・されるの関係性がいい意味でよくわからなくなってくるんです。子どもがいれば、お年寄りも世話をする側にまわることができるんですよ。

【山本】どういうふうに両者は関わるのですか?

【河原】デイサービスと保育所は子どもの足でもすぐの距離にあります。なので、敬老の日だからとか出し物を見せに行くとかではなく、普段から子どもがデイサービスの場に行って普通に時間を過ごすんです。これからの社会保障は、高齢者や児童のような分け方ではなくて、ケアが必要な人かケアができる人かという分け方になると思っています。でも、ケアが必要な人もなにかできることはあるかもしれないじゃないですか。おじいちゃんはこれはできないけど、子どもの見守りはできるということがもっと進んでいって、自分たちができることをやって、必要な分だけケアのできる人に助けてもらうようになっていくでしょう。認知症の方でも、子どもが目の前にいるとなにかしてあげようという顔になるんですよね。そういうことがお互いにとっていいことなんだと。子どものほうも、小さいころからお年寄りと一緒にいることで、助けてあげたいというマインドが作られると思います。

【山本】これからの方向性を教えてください。

【河原】介護と保育をもっとごちゃまぜにしていきたいです。社会福祉法人っていうのがあんまりしっくりこないんですよ。昔の社会福祉法人のあり方って、地域の名士と言われる人たちが、自分の私財を出して地域のためになにかをするという感じだったんですよね。これからの社会福祉法人のあり方って「ソーシャル・ビジネス」になると思うんです。地域で困っている人を見つけて、困っている人が困らない仕組みを作る仕事をこれから自分たちの仕事にしていきたいですね。

どんどん独立していってほしい

【山本】明照会が設立されて25年間が経つんですね。今後どういう風にやっていきたいですか?

【河原】今までの25年よりこれからの25年のほうが大変な気がします。今後は、職員におもしろいと思ってもらえる仕事づくりをしていきたいですね。モチベーションってやっぱりおもしろいことでしか続かないんです。そして、法人が25周年なのと、保育所が新しく建て替わったのを記念して、伊丹市を巻き込んでUbdobeと11月3日にイベントをやります。このイベントを通して、伊丹市の中心市街地以外の地域を活性化させていけたらと思っています。

【中浜】最後に働いている職員に対してメッセージをお願いします。

【河原】自分がおもしろいと思うことを仕事にしてほしいです。あとは施設のなかだけを見て仕事をするのではなくて、社会全体を見て求められることをしていってほしいです。加えて、独立する人がどんどん出てくればいいですね。

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あそっか!フェス~Asokaen 25th Anniversary & Asokanoki Open~ のご案内

なんと兵庫県伊丹市の「福祉施設」が回遊型ミュージックフェスを【無料】で開催!普段は、おじいちゃんおばあちゃんや子どもなど限られた人のための「福祉施設」。でも、スピーカーにFOODやDRINK、盛りだくさんのコンテンツを持ち込んで、アーティストとお客が揃えば、そこはもう「フェス会場」!

LIVEにトーク、ワークショップなど、2つの会場にあふれるコンテンツの中からあなたの好きなものをCHOICE!好きなアーティストを選ぶも良し、なんだか面白そう!?なところに惹かれていくも良し。

学びとエンターテインメントにまみれた、回遊型ミュージックフェス。しかも、入場料は【無料】!この絶好のチャンスを、お見逃しなく!!!

▽特設WEBサイトはコチラ
http://asokka.jp/

▽イベントページはコチラ
https://www.facebook.com/events/1634184680212441/

■日時:2016年11月3日(木祝)
START:11:00 CLOSE:18:00

■入場料:無料

■会場:2会場での同時開催となります
〈AREA1〉
社会福祉法人明照会 特別養護老人ホームあそか苑
兵庫県伊丹市中野西1丁目18番地

〈AREA2〉
社会福祉法人あいく会 あそかの木保育園
兵庫県伊丹市中の西1丁目165

■コンテンツ
[LIVE]
アーティストLIVE、DJを織り交ぜていくメインコンテンツ。
▽出演アーティスト
DE DE MOUSE
GOMA
AFRA
BAGDAD CAFE THE trench town
…and more!!!(公開をお楽しみに!)

[TALK SESSION]
福祉業界や医療業界を牽引するアクティビストの方々をはじめ、ITAMI GREEN JAMの主宰大原氏を招き分野ごとにトークを繰り広げていきます。

SESSION 01
岡勇樹(NPO法人Ubdobe代表理事)
×
GOMA(ディジュリドゥ奏者・画家)

SESSION 02
河原 至誓 (社会福祉法人明照会 理事長)
×
大原智(ITAMI Green Jam代表 music&culture neonM 代表)
…and more!!!(公開をお楽しみに!)

[WORKSHOP]
アクロヨガ(親子やペアで行うヨガ)
OGAkKO Art(おがくずを使った木工)
タイダイ染め(Tie(絞る)、Dye(染める)という意味の染め物)

[LOUNGE]
あそっか!オリジナルカレーをはじめフードとドリンクを販売。

[DECORATION]
大島エレク総業

主催:
社会福祉法人明照会 特別養護老人ホームあそか苑
社会福祉法人あいく会 あそかの木保育園

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