セロトニン症候群で死亡、46歳女性は目が勝手に動いていた

セロトニン症候群で死亡、46歳女性は目が勝手に動いていた

  • MEDLEY
  • 更新日:2016/11/30
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セロトニンという脳内物質が異常に働くことによって、発汗や幻覚を特徴とする「セロトニン症候群」という危険な状態が現れます。薬が原因と見られるセロトニン症候群で死亡した女性に見られた特徴的な症状が報告されました。

セロトニン 症候群で死亡した女性の症例報告

台湾の研究班が、セロトニン症候群で死亡した46歳女性の例を、医学誌『New England Journal of Medicine』に報告しました。

この女性が救急治療部に運ばれたとき、38.6℃の発熱、心拍数が1分あたり169回、興奮、冷や汗などの症状がありました。

眼球がいろいろな方向に動いてしまう「眼球粗動」、足が固まって動かせない「強剛」、腕が勝手に動いてしまう「ミオクローヌス」の症状も現れていました。

この女性は症状が出る前に、ベンラファキシンという抗うつ薬を、処方された量を超えて飲んでいました。ほかにアルプラゾラム、エスタゾラムという抗不安薬(または睡眠薬)も処方されていました。

症状と服薬歴からセロトニン症候群と診断され、ICU(集中治療室)で治療が行われましたが、数日後に死亡しました。

薬は用法・用量を守って!

どんな薬にも副作用はありますが、処方量を調整するなどの方法で、出やすい副作用や深刻な副作用にあらかじめ対策することができます。医師から処方される用法・用量はこうした注意に基づくものですが、勝手に量を変えて飲むなどすると危険性を増すことにもなりかねません。

セロトニン症候群は、抗うつ薬の一部などでごくまれに引き起こされる副作用です。3月22日にはアメリカの規制機関である食品医薬品局(FDA)から、痛みを和らげる作用がある「オピオイド鎮痛薬」と以下の薬などを同時に使った場合について、セロトニン症候群の危険性があるとして警告が出されました。

抗うつ薬(三環系抗うつ薬、SSRI、SNRI)

抗精神病薬

片頭痛治療薬の一部(トリプタン製剤)

パーキンソン病治療薬の一部(MAO-B阻害薬)

吐き気止めの一部(オンダンセトロン、グラニセトロンなど)

咳止めの一部(デキストロメトルファン)

抗菌薬の一部(リネゾリド)

セントジョーンズワート

トリプトファン

一般にセロトニン症候群には次のような症状があります。

興奮

幻覚

心拍数の増加(頻拍)

発熱

過剰な発汗

震え

筋肉のけいれん、こわばり

体をバランスよく動かせない

吐き気・嘔吐

下痢

「参照文献」のリンク先では、今回報告された女性の症状の動画が見られます。

処方された薬は用法・用量を守るとともに、万一気になる症状を感じたときは早めに処方した医師に相談してください。

◆参照文献

Ocular Flutter in the Serotonin Syndrome.

N Engl J Med. 2016 Nov 3.

[PMID:27806222]http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1506066

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