予算5万円で本格派の音が楽しめるELEKITの真空管アンプ『TU-8150』

予算5万円で本格派の音が楽しめるELEKITの真空管アンプ『TU-8150』

  • @DIME
  • 更新日:2018/01/13

■連載/ゴン川野のPC Audio Lab

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ELEKIT『TU-8150』製作編はこちらELEKIT『TU-8150』オペアンプ編はこちら

■真空管を6V6に交換してみよう!

いよいよ、ELEKIT『TU-8150』に使われている出力管の6AQ5の高信頼管『6005W』をオクタルベースのソケットに交換して、6V6に差し替えてみよう。6V6はギターアンプにも使われるメジャーな真空管で、様々なブランドがあり、ST管に加えてGT管もある。今回は、ロシア製Reflector『6P6S』(ミリタリーバージョン)、ロシア製STANDARD BRAND『6V6GT』、スロバキア共和国製JJ Electronic『6V6S』の3種類のGT管を差し替えてみる。どれも新品で値段は順番にペアで865円、2465円、4800円となる。ロシア製はebayで購入している。届くのに2週間ほどかかるが日本で購入するよりかなりコスパはいい。

『TU-8150』にもともと付いていた真空管は7ピンのmT管と呼ばれる新世代の真空管で小型軽量で高信頼なのだが、それで音がいいとは限らないのがオーディオの面白いところである。そこで、もっと古い世代のST管やGT管が使える8ピンのサブ基板が付属している。スペーサーを外してこの基板を2枚交換するだけで別の種類の真空管が使えるのだ。ケースのカバーを外すだけでサブ基板は交換可能、メイン基板を外す必要はない。また接続方式が3種類選べる機能もそのまま使える。私が好きなのは見ていてワクワクする大きくて明るく点灯する真空管だ。

■ロシアからGT管が届く

実はebayで金属製のMT(Metal)管も発注したのだが、何らかの原因で発送されなかった。ST管はStandard tubeの意味で上部にくびれがあるためダルマ管とも呼ばれる。GT管は、主に軍事用に開発された高信頼管であるMT管から派生した。メタル部分をガラスに置きかえたのがGT管でGlass tubeを意味する。その後、真空管とピンを一体化したMiniature tubeすなわちmT管が登場した。順番的にはナス管、ST管、GT管、mT管と進化している。さらに小さいサブミニチュア管もあり真空管ポタアンに利用されている。2種類のロシア製真空管が届いたので、今回はこれにメーカーから借用したJJ Electronic『6V6S』を加えて3種類で試聴してみたい。

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このように上部のカバーを外すだけでmT管から、オクタルベースのST管とGT管用のソケットに変更できる。

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ロシアの真空管だが発送元はドイツだった。荷物の行方はebayがチェックしており、無事に届かなければ返金してもらえる。

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STANDARD BRAND『6V6GT』ペア2465円で送料は911円。NOS管(New Old Stock)

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Reflector『6P6S』ペア865円と格安で送料は865円。NOS管(New Old Stock)

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インシュレーターを交換してGT管を挿すと『TU-8150』の雰囲気が変わった。

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JJ Electronic『6V6S』ペア4800円。こちらは現在も新品を生産しているのでピカピカに美しい。

■mT管よりもST管、GT管の方が真空管らしい音が楽しめる

それでは前回で交換したオペアンプを付属品に戻して、UL接続でReflector『6P6S』の音を聴いてみよう。Yuji Ohno & Lupintic Five with Friends「BUONO!! BUONO!!/THEME FROM LUPIN III 2015〜ITALIAN BLUE ver」(48kHz/24bit)では、ウッドベースの弦の音が太くなった。全体的に厚みのある音だ。『6005W』よりもワイドレンジに聞こえる。ゆとりのある音で、音色はウォーム。手嶌葵「I Love Cinemas -Premium Edition-/Calling You」(96kHz/24bit)の高域は少しザラザラした感じになった。さすがに真空管アンプだけあって、真空管を交換するだけで音が大きく変わる。これは面白い。ヘッドホンアンプのオペアンプ交換に通じるところがあるが、こちらの方が部品として存在感がある。

今度はSTANDARD BRAND『6V6GT』に差し替える。こちらも同じGT管で同じロシア製なのだが、価格は3倍近くする。期待を込めてボリュームを上げると、Calling Youのボーカルのニュアンスが戻って来た。解像度が上がって、透明感がありクリアーな音だ。明らかにこちらの球の方がいい。LUPINではウッドベースの低域が下まで伸びる。真空管らしい弾むような低域だ。コスパから見れば、この真空管はオススメだ。

最後に最も高価なJJ Electronic『6V6S』の音を聴く。Calling YouではS/N感がよくなり、もっと細かい音が聞こえてくる。LUPINは先ほどよりも中域が厚い。ドライブ感があって、まさに真空管アンプというイメージ通りの音でえある。この球は日本でも販売されているので、すぐに入手できて確実に音質を向上させたい人向きである。せっかくなので、ここでオペアンプを『MUSES02』に交換してみよう。ボーカルに乗った微妙な響きがさらに分かりやすくなり、高域のヌケが良くなってワイドレンジ傾向になった。低域はややタイトになる。ヘッドホンで聴くと低域のドライブ感が良くなったことを実感できた。それでは今度は三極管接続にしてみよう。LUPINでは、楽器の輪郭がハッキリする。低域はさらにタイトになる。今まで弾むような音だったが、芯のある音になった。手綱を引き締めたというか、ゆるすぎた部分が引き締まって少し現代的なのだ。五極管接続にすると、低域の細かい響きは混濁してマッシブな音になる。高域は丸くなって、これはこれで真空管らしい音とも言える。女性ボーカルに限れば三極管接続の方がなめらかな感じが出る。GT管だけでもこんなに差が出たので、ST管を挿せば、また新たな音の世界が拓けそうである。ここまでやると最初に出た音とかなり違う世界まで到達できたと思う。ELEKIT『TU-8150』はU5万円でディープな真空管の世界に足を踏み込めるキットとしてお墨付きである。私は手元にある6V6を活かすために、また別の真空管アンプを発注した、製品が届き次第、再び真空管の記事で盛り上がりたい!

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デスクトップで小型フルレンジを鳴らすならトランジスタより真空管アンプの方が心地良い。

写真・文/ゴン川野

オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!

■連載/ゴン川野のPC Audio Lab

※記事内のデータ等については取材時のものです。

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