広くて揺れず全席にコンセント!ビジネスパーソンの強い味方、新型「スーパーあずさ」が間もなくデビュー

広くて揺れず全席にコンセント!ビジネスパーソンの強い味方、新型「スーパーあずさ」が間もなくデビュー

  • @DIME
  • 更新日:2017/12/06

主に新宿~松本を結ぶJR東日本特急スーパーあずさ号に2017年12月23日、新型特急電車E353系がデビュー! 観光、ビジネスユースともに利用者がとても多い列車だけに注目したい新型車両だが、今回一足早く試乗することができた! 今回は大きく進化した魅力的な車内と新たな乗り心地をレポートしよう。

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これが新型特急E353系だ!

JR東日本の中央本線には主に新宿と甲府を結ぶ「かいじ」、新宿と松本を結ぶ「あずさ」「スーパーあずさ」が運転されている。その中でも特に速達性を重視しているのが今回新型車両が導入される「スーパーあずさ」だ。中央本線はカーブの多い山道を走行するため、いかにカーブを速く曲がることが出来るかが速達性の大きなカギを握る。ただ、やみくもにカーブの走行速度を上げてしまうと、外に引っ張られる遠心力により乗り心地が悪くなり快適性が損なわれる。そこで、従来より「スーパーあずさ」には、ちょうどバイクや自転車がカーブを曲がるのと同じように左右に車体を傾け、遠心力を緩和させつつ、通常の車両より速くカーブを通過できる「制御付き自然振り子」装置というものが取り付けられた専用の車両で運転されてきた。この従来車はカーブ通過時に最大で約5度傾斜する機構を持っていたが、振り子機構は車両の台車(車輪の部分)構造が複雑になり保守に手がかかる点や、傾斜させる分信号や電柱といった外の建築物に干渉しないように若干スリムな車体構造にする必要があり、車内が狭くなる傾向になる。そしてなにより車体傾斜による左右の揺れがどうしても発生する。

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カーブで大きく傾斜する振り子式機構の「スーパーあずさ」従来車E351系。車体がスリムなのも特徴

そこで新型車両では構造が簡素化でき保守面でも有利な「空気ばね式車体傾斜方式」を採用。これは車体を支える「空気ばね」というサスペンションに当たる機構を少しだけ上下させて車両を左右に傾斜させる機能で、東北新幹線のE5系はやぶさ号やE6系こまち号などにも採用された方式だ。ちなみに傾斜角は最大で1.5度。従来車より大幅に傾斜角が減っているが「車両のさらなる低重心化を図り、また車両も新設計とすることで傾斜角を減らしても従来と同じカーブの通過速度を維持したまま走行することが出来るようになりました。傾斜角が減らせる分、乗り心地もよくなりますし、車内も広くすることができます」とJR東日本長野支社伏田忠広運輸部長が語る。

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「設計から車体傾斜の試運転まで多くの時間をかけてきました。多くのお客さまのご利用をお待ちしております」と伏田忠広運輸部長

さあ、実際の乗り心地はどうだろうか。今回の試乗区間は甲府~松本間だ。曲線と勾配が続く山岳区間である。実を言うと筆者は従来車の「スーパーあずさ」を少し敬遠し、「あずさ」を選んで乗る傾向があった。理由はやはり狭い車内空間と揺れが気になるためだ。また、テーブルも狭く、PCを用いた作業もやりづらいというのも理由にあった。

新車らしい輝きを放ちながらE353系が甲府駅に登場。縦一列に並んだヘッドライトがかっこいい! 早速車内に入ると白を基調とした明るい車内が印象的。JR東日本の在来線特急では初めてLEDを使用した間接照明も心地よい。普通車はブルーとブラックのモケットのシートが並ぶ。従来の「スーパーあずさ」に比べて車内が大幅に広く感じたが「確かに広くはなっていますが、実は数字的にはそこまでではないんです。デザインによってそういう風に感じていただけるようにも工夫しました」とのことだ。

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明るく広々とした普通車。「南アルプスと梓川の清らかさ」がコンセプト

実際に腰かけてみると普通車にも関わらず機能的なシートだということがよくわかる。まず一番に気が付くのが頭に当たる枕だ。クッション性が高いのはもちろん、可動式になっているので自分好みの位置を調整することが出来る。そしてコンセントも全席に完備。テーブルも大型化され、ノートパソコンをA4サイズのノートPCをおいてみたところ、ちょうどフィットした。また、エアコンの個別吹き出し口を装備したことで各座席ごとに風量と風向きを調整することができる。中央本線は山岳路線ということで、乗車下車駅によって気温が大きく異なるので、個々の適温も異なるがこの機構はとてもありがたい。車内からは見えないが空気清浄機も搭載しているそうだ。

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従来であればグリーン車級の機能だった可動式まくらも普通席に装備

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コンセントは座席前(一部座席は肘掛)に全席装備

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個々に風量と向きを調整できる空調設備も快適性向上に貢献!

座り心地を確かめているうちに列車は甲府駅を発車。徐々に速度を上げながら注目の曲線区間にさしかかる。従来の「スーパーあずさ」は傾斜感と若干の固めの揺れを感じ、「カーブを攻めて曲がっている!」感が強かったが、新型車両は実にスムーズ! 1.5度の傾斜角はほとんど感じられなかった。カーブだけでなく全体を通して揺れが少ないが、これは揺れを強力に抑制する「動揺防止制御装置」が全車両に搭載されているというのも大きい。カーブの乗り心地を考える際、単体のカーブではなく、左右と連続してカーブを走行するときが一番ポイントだと筆者は考えている。振り子式の場合、こういったシーンで左右の揺れが一番大きくなる傾向にあり、体が大きく振られるからだ。しかしE353系は、左右の揺れを大幅に軽減しており、滑らかさと高速性を見事に両立した。

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ノートPCも置きやすくなった新テーブル。揺れが低減したので作業環境も向上!

ちなみにこの車体傾斜をさせるタイミングについては「ほんの少しタイミングがずれるだけで大きな違和感が出るので、徹底的に試運転を繰り返してチューニングしました。走行中にタイミングがずれても元に補正する機能も付いてます」と教えてくれた。

そして上位クラスのグリーン車もご紹介しよう!客室のドアを開けると目に留まるのがレッドカーペット! 天井にまで伸びるレッドラインが上質な空間を演出。大型でクッション性の高いシートはグリーン車にふさわしい快適性だ。普通車よりもさらに大きなテーブルは手前に引き出して使用することもでき、広いシートピッチのグリーン車でも違和感なく使用することが出来る。

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定員30名のゆったりとしたグリーン車。コンセプトは「機能性と高揚感、クラス感」

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全身を包み込むシートは上質な快適空間そのものだ

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グリーン車にはフットレストも完備されている

このほか車いす利用客も使用しやすい大型トイレをはじめ、洋式トイレには全室におむつ替えのベッドを搭載。加えて防犯性を高める各デッキ部に設置された監視カメラ、大型スーツケースなどにも対応した荷物置き場にAEDなど、随所に今のニーズを反映させた設備を設置している。

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改良型ハンドル形電動車いす対応の大型トイレ

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各デッキには監視カメラを配しセキュリティも向上

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1,3,5,7,9,10,12号車にある大型の荷物置き場

新型特急電車E353系は2017年12月23日から運転を開始。下りは「スーパーあずさ1号」、上りは「スーパーあずさ

4号」が初列車となる。デビュー時に新型車両で運転される列車は4往復8本で時刻表には「新型車両で運転」と記載される。その後増備を続け、現在の「かいじ」、「あずさ」、「スーパーあずさ」は全てこのE353系に統一される見通しだ。なお、通勤時間帯に運転されている中央ライナーなどへの充当は未定とのこと。

取材・文/村上悠太

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