カンロ Research Memo(4):2014年12月期の営業損失はカルピスブランドの販売中止という特異な要因による

カンロ Research Memo(4):2014年12月期の営業損失はカルピスブランドの販売中止という特異な要因による

  • FISCO
  • 更新日:2017/09/15
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株式会社フィスコ

■カンロ<2216>の会社概要

4. 収益構造とターニングポイント
近年の業績動向は、キャンディ市場の競争激化で売上総利益率・販管費率ともに悪化し営業利益は減益傾向を続けていたが、2014年12月期についに営業損失に転落した。しかしその後は、売上総利益率・販管費率ともに改善しながら増益幅を拡大、2016年12月期には営業利益は2012年12月期の水準へと戻っている。

これは、売上高が200億円レベルから2013年12月期に180億円レベルへと急減したことが理由である。そして売上高の急減は、当時主力製品の1つだったカルピス(株)ブランドの飴やグミの販売を中止したことによる。味の素<2802>が2012年に、商標権を持つカルピス株をアサヒグループホールディングス<2502>に譲渡、カルピスの商標使用権が解約されたのである。この緊急事態に急遽、当時計画されていた海外進出や新規菓子開発を中止して対応したものの、売上高急減による固定費率悪化をまかないきれず、営業損失に陥ってしまった。

しかしながら、最悪期の2014年12月も製造費用の中身は率として悪化していない。これは、カルピスブランド製品の採算が平均的であったということも想像できるが、それ以上に、同社の原価構造が製品に大きく依存していないことを示している(原価は、包材や原材料の価格変動や高付加価値製品の構成比変化に短期的に影響を受ける場合がある)。つまり、一定以上の売上高を上げれば固定費率が下がって一定以上の利益を稼げる、比較的安定した収益構造だということができる。カルピスの場合は逆に、売上高の急減に見舞われたことによる、固定費率急上昇というアンラッキーが背景にあったということである。

また、販管費率も大きく悪化しなかった。販管費は、代理店手数料や人件費の比率が下がっていることから、変動費的コストの減少や短期リストラによって対応したと思われる。カルピスブランドのアンラッキーによって、同社収益構造の安定性が垣間見られたということである。

ちなみに、カルピス後の収益急回復は、7つの主力ブランド(カンロ飴、ノンシュガーグルメシリーズ、金のミルク、健康のど飴シリーズシリーズ、ボイスケアのど飴、ノンシュガーのど飴シリーズ、ピュレグミシリーズ)に経営資源を集中したことで売上高が急速に戻り、固定費率が下がったからと言える。なお、製造原価内労務費、販管費内人件費がともに上昇気味だが、業績回復見合いのボーナス増や深謀遠慮の開発人材の強化が背景であり、決して悪材料ではない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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