NZ、労働安全衛生新法は「ほとんど役に立っていない」

NZ、労働安全衛生新法は「ほとんど役に立っていない」

  • @人事
  • 更新日:2016/12/01
No image

ニュージーランドのニュース局「ラジオ・ニュージーランド」より、「安全法でも職場の死亡率は低下せず」と題した記事を紹介する。記者は同局の政治担当シニアレポーターのデメルザ・レズリー。

ニュージーランドでは数年前に発生した悲劇的な炭鉱爆発事故を受けて、今年より労働安全衛生法の大幅な改革が実施されたが、これまで労働災害の死亡者数にほとんど減少が見られないという。これについてレズリー記者は、新しい安全衛生法の効果に疑問を呈している。(以下、抄訳)

***

「安全衛生の改正法は、これまでのところ職場の死亡災害を減らす上でほとんど役に立っていない」とレズリーは主張。

ニュージーランドでは、2010年に発生し29人が犠牲になったパイク・リバー炭鉱での爆発事故を受けて、職場の安全衛生法が大幅に改正され、2016年4月より施行された。

新しい法律は、企業に対して労働安全衛生の強化を求めるもので、労働関連リスクを特定して、そのリスクを除去・管理すべく「合理的に実行可能な」措置を取ることが義務づけられた。また労災の責任者に対する60万ニュージーランド・ドル(約4700万円)の罰金も導入された。

政府は新しい法律の施行により、2020年までに死傷災害の発生件数が25%低下することを見込んでいたが、「ほぼ8カ月が経過しても、変化はほとんどない」とレズリーは言う。2016年の労働災害の死亡者数は、すでに昨年と同じ43名に達している。

野党・労働党のスー・モロニーは、これについて非常に残念な結果、と述べている。「職場の死亡災害が減少することを期待していたが、どうやら法律の制定以前より数値は悪化しそうだ」

ニュージーランド政府の労働安全監督機関「ワークセーフ」のゴードン・マクドナルドCEOは、新しい安全衛生法は、「行動、システム、文化などの広範な改革を伴うもの」として、「職場プラクティスの改善につながるには時間がかかる」と主張している。

「ニュージーランドは、元々労働災害の発生件数がとりわけ多い。統計を比較すると、発生件数はオーストラリアの2倍、イギリスの3倍だ」(マクドナルド)

マイケル・ウッドハウス労働安全衛生大臣も、「(そもそも)昨年の労災の死亡者数は、ここ数年で最低水準だった」として、数字は単体で切り離して見るべきではない、と主張する。

「経済は好調であり、労働者の数はどんどん増えている。それにも関わらず、死亡事故の件数は変化していない。その意味では、減少傾向にあると言える」とウッドハウスは指摘。

だが、新しい法律について賛否が分かれる側面は、「農業が高リスクなセクターに分類されていないこと」とラジオ・ニュージーランドのレズリーは述べる。このため、農業従事者らは、安全衛生代表(health and safety representatives)を選ぶ権利を与えられていないのだという。

「それにも関わらず、死亡者43人のうち15人は農業従事者だ」とレズリーは指摘。

野党・緑の党のデニス・ロシェも、「事態が何も変わっていないことは明らか」と指摘している。

「多くの雇用主は、企業文化の改革に取り組んでいると請け合うが、それだけでは十分ではない。今ごろはもっと成果が表れていることを期待していた」として、このままでは、2020年までに労災の死傷者数を25%減らすという政府の目標は到底達成不可能だ、とロシェは述べている。

Safety law fails to curb workplace death rate (November 23 2016)|Radio New Zealand

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

社会カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
狂乱のASKA逮捕劇! その裏で、NHKクルーが怪しげな行動......「一目散に現場を離れていった」
大学ブランドランキング九州編、1位の九州大学に続いたのは?
成宮寛貴、薬物疑惑よりも200万円のバーキンでキメたファッションにクギ付け
福島から避難 教諭が児童を「菌」と発言
女性の足の裏を20分間ベロベロ!『足なめ男』の不気味な手口にご用心
  • このエントリーをはてなブックマークに追加