「子どもの英語教育は意味なし」 東大卒ママが考えるデメリット

「子どもの英語教育は意味なし」 東大卒ママが考えるデメリット

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  • 更新日:2017/11/12
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杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など(写真/本人提供)

うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や3歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。

*  *  *

「子どもに英語を習わせたいんですが、やっぱり早いうちからのほうがいいですよね?」

私は勉強法の本も書いているので、よくこんな質問をされることがあります。

はっきり言ってしまうと、小さいころに英語をやってもあまり意味がないです。それどころか、「早くからやりすぎると弊害が出てしまう」ので、それならばやらないほうがマシだと思っています。

「雨の音がミの音に聞こえる」というような絶対音感は耳が急激に発達していく7歳くらいまでしか身に着かず、大人になってから得られるのは高低差を聞き分ける相対音感のみだと言われています。そのため、音に関しては2、3歳から音感の訓練をするのがおススメだそうです。

しかし、英語は音楽の「ドレミを当てる能力」とは違います。私は、中学生のころはまったく英語が聞き取れなかったけれど、受験でのリスニング訓練、外国人の友人との会話などにより、年を取ってからでも簡単な文章は大体聞き取れるようになりました。

もしかしたら耳が発達している幼児期に、ちゃんとした英語圏の先生の発音で教われば、少しは聞き取りが上達するかもしれません。しかし、それは大人になってからいくらでも習得できる能力であり、あえて幼少期から頑張る必要性もないかな、と思うのです。

子どもは大人と違い、既成概念にとらわれずに、ユニークな考えを発展させることができます。つまり、脳が発達し世界が広がっていく時期でもあるのです。幼児期に必要なのは、英語の学習よりも、そうした思考の発達だと思います。

そして思考は、言語によって行われます。もやもやした感情も、「おもちゃをとられた」「悔しい」「でも貸してあげたら」「きっと友達は喜ぶ」と、言葉によって組み立てられます。ただ、幼児期の子どもはまだ日本語が理解しきれていないので、その中に文法が根本的に異なる英語が混ざってくると、混乱してしまいます。

海外に数年間異動することになった大学の同級生は、小さな子どもを一緒に連れていくことに対して悩んでいました。3歳くらいの幼児期に英語と日本語が混ざった状態で暮らし、その後で日本に帰ると、やはり授業についていけなくなるケースが多いのだそうです。

妹の夫は帰国子女で、幼稚園から中学まで海外にいました。そのため、日本に帰ってからは「帰国子女のためのクラス」があるところで勉強を続けたそうです。(そんな英語のクラスの中でも、英国や米国の訛りの違いに苦労したそうですが)

日本では特殊な学校でない限り、すべての授業は日本語で行われます。その中に突然、学校では英語、家庭では日本語を使っていた子が入れられたらどうなるでしょう。普段から日本語への接触がみんなの半分しかなかったわけですから、なかなか周りについていけません。テストも当然日本語で書いてあり、答えも日本語で書くわけですから、言っている意味をうまく読み取れなかったり、書きたいことを書けなかったりします。その結果、テストの点数が悪くなり、周囲に対するコンプレックスが生まれることがあります。

私も小さいころ、たまに外国人の先生が幼稚園にきて、遊びながらちょっとした英語を教わった覚えがあります。英語でみる童話、のようなテレビも見た気がします。それでも、覚えているのは「be quiet(静かに)」のたった1つだけです。中学1年生のころにも半年弱くらい英語の塾に入りましたが、宿題が多く大変なのですぐにやめました。そこで覚えているのは……、先生が友人のノートでゴキブリを潰したことくらいです(衝撃でした)。今振り返ってみると、塾に関しては完全に時間の無駄だったな、と。私は計算ミスがとても多かったので、ならば代わりにそろばんでもやっていたら理系科目がラクになったのに、と思います。

息子も、幼稚園で習ったらしく「トンボはドラゴンフライだよ」と思いっきり日本語英語の発音で教えてくれましたが、果たして英語という「日本語とは別の言葉がある」ということさえ理解しているか謎です。トンボの別の呼び方がドラゴンフライ、くらいに考えていそうです。

私が単語を大量に覚えて、聞き取りにも慣れてきたのは、やはり受験勉強をしていたとき。「大学に入るのに英語が必要」と目的がはっきりしていたので、覚えなくてはという気持ちも自発的に湧いてきました。

世の中がグローバル化していく中で、親として子どもが世界で活躍できるように「英語」という武器を与えてあげたいという気持ちもわかります。熱心な幼稚園が、「うちの園では英語がしっかり身に着くようレッスンの時間があります」と宣伝しているのもよく見ます。しかし英語の勉強は時期と期間により、メリットのようで、デメリットにもなり得るものです。

私としては、英語は身に着ける目的がはっきりしたときに覚えるのがいいのではないかな、と思います。

(文/杉山奈津子)

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