生ゆばスープ丼、寺で温泉...「もう一つの日光」目指しドライブ(写真12枚)

生ゆばスープ丼、寺で温泉...「もう一つの日光」目指しドライブ(写真12枚)

  • 乗りものニュース
  • 更新日:2017/08/17

いろは坂を上って「もう一つの日光」へ

【本記事は、旅行読売出版社の協力を得て、『旅行読売』2017年7月号に掲載された記事「今日もドライブ日和 第17回〈栃木〉日光」を再構成したものです】

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日光の魅力は日光東照宮、日光二荒山神社、華厳の滝といった名所だけではない。開山1250年の歴史、外国人にも愛された日光の魅力……。“もう一つの日光”を探しに日光宇都宮道路日光ICから奥日光を目指した。

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標高約1400m、夏の訪れが遅い戦場ヶ原を快適にドライブ(篠遠 泉撮影)。

東北道と宇都宮JCTで別れ、日光のシンボルである男体山に向けて日光宇都宮道路を走る。両側に緑がまぶしい道を約25km。日光IC出口から東武日光駅前の道に出ると、日光東照宮の参道が続いている。

日光東照宮は、徳川家康を御祭神として1617年に建立された。社殿群はその20年後の1636年に建て替えられたもので、国宝の陽明門など55棟が残る。漆や極彩色で彩られ、繊細な彫刻が数多く見られる。今年3月10日には“昭和の修理”以来、44年ぶりに寛永時代の装飾技法による陽明門の修理が終了。本来の輝きを取り戻し、訪れる人を魅了している。

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絢爛豪華な輝きをとり戻した日光東照宮の陽明門(篠遠 泉撮影)。東照宮参りの土産から発展した日光彫(篠遠 泉撮影)。ヒッカキ刀を使って手前に引いて彫る(篠遠 泉撮影)。

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東照宮参りの土産から発展した日光彫(篠遠 泉撮影)。

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ヒッカキ刀を使って手前に引いて彫る(篠遠 泉撮影)。

参道で訪れたのは、日光彫の村上豊八商店だ。日光東照宮に見られるような彫刻を施した作品を、参拝者の土産として売り始めたことが日光彫の起源という。日光彫は「ヒッカキ刀(日光三角刀)」と呼ばれる独特の彫刻刀を用い、彫刻刀を手前に引いて模様を描くのが特徴だ。

その技術はやがてお盆作りに生かされ、日光彫のお盆は広く流通する。しかし、プラスチック製の安価なお盆が市場に出ると衰退。再び日光彫が脚光を浴びたのは、戦後に日光を訪れた外国人たちの目に触れ海外へ輸出されるなどし、特徴と魅力が広く伝わったためだ。

「最初は“お土産彫”といった存在で、日光彫と呼ばれるようになったのは、実は近年のことです」と、3代目の村上隆太さん。「家業の日光彫を受け継いで4年目になりますが、彫る作業の面白さがわかってきました」と、4代目の村上真亜子さんが続ける。

ここでは「日光彫体験(所要1時間30分、1200円)」も実施。ヒッカキ刀を用いて手鏡やフォトフレームに文様を彫る体験ができる。

駐日大使が過ごした別荘 杉材の香りに心やすらぐ

村上豊八商店を後にして、いろは坂を上り中禅寺湖畔を目指す。48の急カーブがあることから、その名が付いたという説があるいろは坂は、上り専用の第二いろは坂と、下り専用の第一いろは坂がある。「い」「ろ」「は」の表示が立つ急カーブを曲がりながら高度が上がり、標高差は約440m。今回の相棒は小さくて丸いスタイルがかわいいフィアット500c(チンクエチェントシー)。適度にアクセルを踏むだけで、ストレスを感じることなく加速し急坂を上っていった。

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静まりかえった中禅寺湖を目の前にして立つイタリア大使館別荘(篠遠 泉撮影)。駐日イタリア大使が使った食器も展示されている(篠遠 泉撮影)。中禅寺立木観音の本尊は十一面千手観世音菩薩(国重文)(篠遠 泉撮影)。

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駐日イタリア大使が使った食器も展示されている(篠遠 泉撮影)。

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中禅寺立木観音の本尊は十一面千手観世音菩薩(国重文)(篠遠 泉撮影)。

第二いろは坂を上り切ったご褒美は、 中禅寺湖の開放的な景観だ。湖畔の歌ヶ浜駐車場にクルマを置き、湖畔の歩道を歩くこと1km、静寂が漂うイタリア大使館別荘記念公園に着いた。建物は1928年にイタリア大使館の別荘として建てられ、1997年まで使われていたものだ。その後に石造りの暖炉だけを残して解体されたが、床板、建具、家具などをできる限り再利用して復元、公園として公開されている。

イタリア・ミラノの北にコモ湖という湖があり、湖畔にはヨーロッパの王室や富豪が建てた別荘が並ぶ。中禅寺湖をすぐ前にするこの別荘も、コモ湖にある別荘と似たような雰囲気を醸し出す。開放的なガラス戸を用いた広縁でくつろいだ駐日イタリア大使は、故郷のコモ湖を思い出したことだろう。

設計はアメリカ人のアントニン・レーモンド。建築家のフランク・ロイド・ライトの弟子で、帝国ホテルの建築にも関わった人物だ。ライトの日本における代表的な建造物は左右対称で、大谷石を巧みに用いている。イタリア大使館別荘も左右対称の特徴に加えて、壁や天井、柱などには杉をふんだんに使っている。“脱ライト”の意気込みが感じられるこの別荘の設計を機に、レーモンドは一流の建築家として世に知られていく。

お寺の温泉で締めくくり 群馬へ抜けるルートも一案

歌ヶ浜駐車場を前にして立つのが中禅寺立木観音だ。784年に建立された日光山輪王寺の別院で、本尊は桂の立木に千手観音を彫った立木観音である。日光開山1250年に当たる今年、歌ヶ浜に舞い降りた天女「吉祥天」が11月30日まで初公開されている。左手に宝珠を持つ吉祥天像は高さ60cm、鎌倉時代以前のものだ。この寺ではお坊さんが境内を案内し、わかりやすく解説してくれる。

歌ヶ浜の駐車場を出て、中禅寺湖北岸を走って奥日光に向かう。しばらくの間は左側に中禅寺湖が続く。湖を離れると一気に視界が開けて戦場ヶ原に出た。戦場ヶ原の名の由来は伝説にあり、赤城山の化身である大ムカデと男体山の化身である大蛇がここで闘ったというものだ。戦場ヶ原からは男体山の雄姿が見えた。

さらに進むと、湯ノ湖とその湖畔に湧く奥日光湯元温泉に至る。奥日光湯元温泉の源泉は湯ノ平湿原内にあり、硫黄泉が毎分約2000Lも自然湧出している。

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温泉寺は日帰り入浴ができる珍しい寺(篠遠 泉撮影)。

湿原に隣接して788年創建の湿泉寺がある。中禅寺立木観音同様、日光山輪王寺の別院だ。珍しいのは境内に温泉施設があって日帰り入浴ができること。白濁した湯が気持ちいい。

帰路は国道120号(日本ロマンチック街道)をさらに進んで金精峠経由で関越道沼田IC(約56km・冬季閉鎖)に向かうか、あるいは第一いろは坂を下って日光宇都宮道路に戻るか。いずれにしても、勾配のきついワインディングロードが待つドライブが続く。日程に余裕があるなら、奥日光湯元温泉に1泊してもいい。

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・日光彫村上豊八商店
9時~17時/不定休/電話0288・53・3811
・イタリア大使館別荘記念公園
9時~17時(11月11日~30日は~16時)/12月1日~3月31日休/200円/電話0288・55・0880(日光自然博物館)
・中禅寺立木観音
8時~16時30分(11・3月は~15時30分、12月~2月は8時30分~15時)/無休/500円/電話0288・55・0013
・滝(食堂)
10時~16時/不定休/電話0288・55・ 0235
・温泉寺参篭
8時~17時頃(入浴・休憩、1時間)/11月下旬~4月中旬休/500円/電話0288・55・0013

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『旅行読売』2017年9月号。特集は「わざわざ出かけたい 道の駅」と「星降る 高原、海の宿」。

・旅行読売(Fujisan.co.jp)
http://www.fujisan.co.jp/product/2782/ap-norimono

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