“本のプロ”である書店員が、思わず納得・共感した「新書」7選

“本のプロ”である書店員が、思わず納得・共感した「新書」7選

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  • 更新日:2017/08/10

それまでの疑問が腹落ちするような新しい知見に触れたい、でも学術書のように分厚くて難しい本はハードルが高い……。新書は、そんな人たちにも最適の本だ。専門書と違い、新書は難解なテーマもわかりやすい文章で書かれているので、読めばきっと夢中になるはず。

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「本は好きだけど、新書はあまり読まない」という人に向けて、本のプロである書店員の方々にテーマ別の「おすすめの新書」を聞くこのシリーズ。5回目は思わず「納得、共感する新書」を紹介する。

◆なんか分かるかも…思わず納得する「男と女」の社会学

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山田昌弘・著『モテる構造ー男と女の社会学』(ちくま新書)

モテる構造:男と女の社会学』山田昌弘・著(ちくま新書)

「できる男はモテる」が「できる女はモテる」とならないのはなぜか? 面倒なことに、男らしさ・女らしさの規範は男女非対称にできている。男女それぞれの生き難しさを解剖し、「モテ」の構造について社会学の観点から分析する。

☆推薦人:ジュンク堂書店池袋本店 福岡さん
「“社会学”と聞くと、なんだか敷居が高そうな印象ですが、同書は『男と女』の社会学。多くの人の興味をそそるテーマではないかと思い推薦しました。『大学のラグビー部だった人はどのような職業につく傾向があるのか』とか『研究者の人は服はユニクロ系ではない』とか、居酒屋で友だちと話すようなテーマが研究の対象になっていて、つい『あ……なんか分かるかも』って納得してしいます。『男らしさ、女らしさ』とはなんなのか。学術的な観点から分かりやすくまとめられた一冊です」

◆傭兵を通じて正史ではわからない「日陰の世界史」を知る

傭兵の二千年史』菊池良生・著(講談社現代新書)

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菊池良生・著『傭兵の二千年史』(講談社現代新書)

『神聖ローマ帝国史』や『パプスブルグ家の人々』などの書著を持つ、歴史家・菊池良生氏による一冊。古代ギリシャからローマ帝国、中世の騎士時代、王国割拠、近代国家成立まで、時代の転換点では傭兵が大きな役割を果たしてきた。

☆推薦人:MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店 樋向さん
「古代から現代まで、西洋の軍事における『傭兵』について色々を知ることができます。傭兵という観点からヨーロッパの歴史を見ると、正史だけでは分からない”汚れた”一面も垣間見ることができます。たとえば、15世紀に神聖ローマ帝国のドイツ王・マクシミリアン1世により編成された『ランツクネヒト』。傭兵……というよりゴロツキ集団だった彼らは、主権者の名のもと、強奪、虐殺の限りを尽くします。その誕生から衰退までをたどる章は特に読み応えがありますね。こういった日陰の世界史を知ることで、今までとはまた違う世界が見えてくるはずです」

◆「女性の不機嫌の理由が分からない」と嘆く男性必読の一冊

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黒川伊保子・著『女の機嫌の直し方』(集英社インターナショナル新書)

女の機嫌の直し方』黒川伊保子・著(集英社インターナショナル新書)

男にとって女の不機嫌ほど理不尽なものはない。人工知能(AI)の研究者が、脳科学やAIの知見から「男性脳」と「女性脳」の違いを解き明かす。女性の機嫌についてどうフォローするべきか? 『実用書』としても役に立つ一冊!?

☆推薦人:紀伊国屋書店新宿本店 梅田さん​
「『女の機嫌の直し方』…なんて直球なタイトルなのでしょう。それがかえって気になり手に取ってしまいました。本書いわく、『女と男の考え方はそもそも合わないもの』。なぜなら、脳(思考回路)にも性差があり、『感情脳』たる女性は結論に至るまでの感情の流れも説明しつつ話をしたいのに、『倫理脳』たる男性はその話をぶった切って一足飛びに結論に至ろうとするとのこと。それで男女の間に衝突が生まれるらしいのですが、みなさんは身に覚えがありませんか? 私はあります! 『女性の不機嫌の理由が分からない…』とお嘆きの方には、ぜひ読んでいただきたいですね。男女の脳のメカニズムの違いがよく分かります」

◆「辺境」の国にしかできないことをやる…内田樹の最高傑作!​

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内田樹・著『日本辺境論』(新潮新書)

日本辺境論』内田樹・著(新潮新書)

武道館論、映画論、教育など、幅広いテーマを取り上げ、多くの読者に支持される内田樹氏が、常に「世界の中心」を必要とする日本人を「辺境人」とし、日本人とは何者かという問いに答える。第三回新書大賞を受賞した話題作。

☆推薦人:ブックスタマ加藤さん​

「数多くの著書を持つ内田氏の本の中でも最高傑作だと思います。外国の文化にキャッチアップするのが得意で、自らが上位となって諸外国に発信することが苦手な日本人。それならむしろ「辺境」になりきってしまって、「辺境」の国にしかできないことをやろう、と独創的な提言を掲げます。日本の特性を『辺境』という言葉に見事に凝縮させ、特に自国を卑下するわけでもなく、むしろ、これからの日本の進むべき姿について自信を持って語っているところに心地よさを感じます」

◆ものごとを直線的に考えすぎると「見誤り」を生む原因になる

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福岡伸一・著『新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』(小学館新書)

新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』福岡伸一・著(小学館新書)

2009年の発売当時から評判を呼び、ベストセラーになった『動的平衡』を、ES細胞やiPS細胞などの最新の知見を加えて新書化。「時間どろぼうの正体」「カニバリズムを忌避する理由」などなど、「生命とは何か」という命題に迫る。

☆推薦人:三省堂書店東京駅一番街店 岩本さん

「生命の仕組みが好きな人はもちろん、そうした生命理論から展開される福岡流哲学も読み応えあり! たとえば、タンパク質についての説明では『タンパク質60gを摂取して、そのあと10gのタンパク質を排泄したとしても、その10gはもともと体内で分解されていたタンパク質かもしれない。口にしたものが、そのまま出てくるというわけではない』というくだりが出てきます。日常的生活に置き換えてみても、ものごとを直線的に考えすぎると見誤りを生む原因になります。生物の仕組みひとつをとっても、多くを考えさせてくれる一冊です」

◆学問の一番最初にあるのは音楽だ! 引用したくなる魅力的な文章

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浦久俊彦・著『138億年の音楽史』(講談社現代新書)

138億年の音楽史』浦久俊彦・著(講談社現代新書)

ビッグバンから始まった「宇宙の音楽」の歴史では、ベートーヴェンもビートルズもちっぽけな砂の一粒にすぎない。「音」と「調和(ハーモニー)」をキーワードに、138億年の音楽の歴史を壮大なスケールで描くユニークな書。

☆推薦人:紀伊国屋書店西武渋谷店 竹田さん

「音楽史と聞くと、クラシックなどを想像しがちですが、同書の守備範囲はそれだけにとどまりません。天文学者、物理学者が学問を研究する際も知らず知らずのうちに音楽を使っていますし、人体のリズムをはじめ、すべてが音楽として捉えられています。ビッグバンから音楽をたどっていくと、クラシックなんて最近中の最近の音楽。すべての学問の一番最初にあるのが音楽、と言っても過言ではないくらいに、音楽の歴史が魅力的に書かれていて、引用したくなる文章ばかりです」

◆競争をせず、自分のペースで生きる…読むと励まされる一冊

自分は自分 人は人−争わない「生き方」』和田秀樹・著(新講社ワイド新

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和田秀樹・著『自分は自分 人は人 争わない「生き方」』(新講社ワイド新書)

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社会は競争が激しく、経済も厳しい状況が続く。そんなストレスフルな社会で自分のペースを守って生きていくには? 著者は自らも争いごとが嫌いで、「マイペースがいちばん気持ちを楽にさせてくれる」と説く。他人と争わず、目標を達成して夢を実現する生き方を、精神科医・和田秀樹氏が指南する一冊。

☆推薦人:三省堂書店池袋本店 金澤さん

「他人を意識しすぎて疲れているときに手に取った本です。本書によると、『争う気持ちが強いときには、一見、パワフルにふるまっているように見えますが、自分のペースは完全に失っている』とのこと。社会に出れば否応なしに競争の中に身を投じる必要があると思われがちですが、同書は『自分のペースで生きること』について肯定的に書かれています。自己啓発本とはちょっと違うけど、読むと励まされるような一冊です」

社会学、音楽史、生命の仕組み、生き方…などなど、いずれも圧倒的な知識と深い考察によってわかりやすくまとめられた新書ばかり。まずは、あなたが気になるトピックスから手に取ってみてはいかがだろうか。

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