痴漢と疑われたらまず名刺を渡す?知らないとアブナイ法律知識

痴漢と疑われたらまず名刺を渡す?知らないとアブナイ法律知識

  • @DIME
  • 更新日:2018/01/14

2017年5月に抜本的な見直しがなされ、多くの条文が改正された民法。そして、刑法の分野でも、改正ストーカー規制法が施行されるなど、時代の流れに合わせて法律は少しずつ姿を変えている。多くの人は、「法律」と聞くと難しいイメージがあって敬遠しがちだが、「知らなかった」では済まされないものは数多い。

今回は、気鋭の弁護士萩谷麻衣子さんが著した、そういった法律を解説する新書『知らぬは恥だが役に立つ法律知識』(小学館)から、知っておくべき(ややトリビアチックな)法律知識をいくつか紹介したい。

■痴漢と疑われたら、まず名刺を渡す?

混み合う電車の中で、もし痴漢を疑われたらどうしたらよいのだろうか? 何もしていないのだから、無視して立ち去るべき? それとも、警察で堂々と身の潔白を主張すべきだろうか?

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もし警察に行って否認しても、取り調べで2日間は拘束される。検察の勾留請求が認められればさらに10日間拘束される。当然、この間は通勤も帰宅も不可能となる。不起訴・無罪になっても、これだけの期間不在になる社会的リスクは大きい。

刑法の解釈によっては、「名刺を渡せば氏名がわかるから現行犯逮捕されない」という意見もあるようだが、萩谷さんは「これは間違い」とピシャリ。仮に乗客や駅員にとり囲まれても、現行犯逮捕されたわけではないので、法的には立ち去る権利はあるというが、問題は立ち去り方だと萩谷さんは言う。

「まず『自分はやっていない』とはっきり主張して、できれば車内で目撃者を募ります。そして自分の身分を明かして、被害者やまわりの人、駅員に『いまは警察に行かないが、逃げも隠れもしない。いつでも連絡してほしい』と伝えること。先ほどいったように名刺を渡しても現行犯逮捕を免れる条件にはなりませんが、周囲を納得させるために渡すのはアリ。これで立ち去ることができれば理想的です」

これでも雰囲気的に立ち去りがたい場合は、その場で近くの弁護士事務所を調べ、弁護士を呼ぶのが次善の策とも。

■婚前契約の意義は乏しい

ハリウッドセレブのカップルに影響されたのか、結婚の際に家事分担や財産の扱いなどの取り決めを婚前契約書として残す人が増えている。ただ、万が一のときに第三者にも主張できるようにするのは、結婚前に登記しておく必要がある。

萩谷さんは、婚前契約書は使い勝手が悪いという。その理由は、一度登記すれば、生まれた子どもなどの要因で事情が変わっても、変更がきかないからだという。財産については、結婚後に夫婦で取り決めすることができるが、これだと一方の側は自由に破棄することができ法的拘束力はない。というわけで、若いカップルにはほとんどメリットはなさそうだが、中高年カップルについては少し事情が異なると、萩谷さんは以下のように説明する。

「たとえば再婚同士でお互いに子どもがいるとしましょう。どちらか一方に、結婚前にためた財産がそれなりにあるとすると、相続でもめる可能性が小さくはありません。それが元で、子どもが結婚そのものに反対する場合もあるでしょう。こんなとき、夫婦財産契約があれば不安が解消されて籍を入れやすくなるということもあるでしょう。」

熟年結婚が増加傾向にあるが、これに伴い夫婦財産契約を結ぶカップルも増えるだろうと、萩谷さんはみている。

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■コンビニのゴミ箱に家庭ゴミを捨てたら罰金50万円!?

家庭ゴミをコンビニのゴミ箱に捨てると、どんな罰則があるかご存じだろうか? 知らなくてもマナーを守る人が大半だろうが、家庭ゴミを捨ててしまうと、エライことになる。萩谷さんの解説は明快だ。

「ゴミ捨てに窮したからといって、ゴミ捨て場以外のところに捨てるのはもちろんダメです。そのへんの空き地に捨てれば不法投棄、『家庭ごみ禁止』と書かれているコンビニのゴミ箱に家庭ゴミを捨てれば業務妨害罪(刑法234条 3年以下の懲役または50万円以下の罰金)に当たるおそれがあります」

旅先などでつい、たまったゴミを捨てたくなることもあるかもしれないが、ここは気持ちを引き締め、節度・法律は守るのが賢明だろう。

■有給休暇の理由を会社は聞いてはいけない

社員が有給休暇を取るときに、申請用紙に休む理由を書かせる企業があるが、これは法的に問題ありと萩谷さんは言う。

「遊びたいからという理由で休んでもいいし、単に気が向かないから休むというのでもかまいません。どんな理由でも有休は取れるのですから、そもそも会社が理由を聞くこと自体が間違っています。ましてや記入しなければ受理しないという仕組みであれば、使用者が干渉していることになって違法です」

もっとも、使用者側にも時季変更権があって、繁忙期で休まれると困るときは他の時季に変更することができるという。それでも、繁忙期以外ものべつまくなしに申請を書かせるのは問題で、これが日本の会社員が有休取得を遠慮してしまう一因ではないかと、萩谷さんはみる。

このように『知らぬは恥だが役に立つ法律知識』では、お金、夫婦、労使間の諸問題について、法律的な切り口から興味深い解説がなされている。法律に苦手意識があっても、サクサク読み進めることができるので、いちど読んでみることをすすめたい。

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萩谷麻衣子さん プロフィール
慶応義塾大学法学部卒業。2004年に萩谷麻衣子法律事務所を設立し、離婚、遺産、労働問題など、民事・刑事を問わず多くの案件に携わる。『朝まで生テレビ!』などメディア出演も多い。

文/鈴木拓也

老舗翻訳会社の役員をスピンオフして、フリーライター兼ボードゲーム制作者に。英語圏のトレンドやプロダクトを紹介するのが得意。

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