「誤変換約30%削減」を謳うATOK 2017と一太郎2017が来年2月に発売。ATOKは10年ぶりに変換エンジンを一新

「誤変換約30%削減」を謳うATOK 2017と一太郎2017が来年2月に発売。ATOKは10年ぶりに変換エンジンを一新

  • Engadget
  • 更新日:2016/12/02
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ジャストシステムがWindows用の日本語変換システム『ATOK 2017』と、日本語ワープロソフト『一太郎2017』シリーズを発表しました。発売日は双方とも2017年2月3日。価格はATOKが8000円(税別)から、一太郎が2万円(同)から。

ATOKの特徴は、10年ぶりに変換エンジン(日本語変換の中核となるアルゴリズム)を大きく改良した点。この『ATOKディープコアエンジン』により、同社の調査では「現バージョンに比べて誤変換を30%削減した」とアピールします。

【ギャラリー】ATOK 2017と一太郎2017 発表会 (20枚)

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一太郎2017は、昨今のバージョンアップで力を入れているユーザーごとのカスタマイズ性をより強化しつつ、気軽に使えるように調整した設定アシスタント「一太郎オーダーメイド」が特徴です。

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また、最上位版となる『一太郎2017 スーパープレミアム』では、ロジクールとのコラボレーションによるマウス『一太郎プレミアムマウス 深紅 [Deep Red]』を同梱します。これはロジクールの『MX Anywhere 2』をベースに、本体カラーを特別色とし、さらに同マウス用ユーティリティで一太郎向けのジェスチャー操作設定を行ったものです。

スーパープレミアムの価格は3万8000円(税別)。

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さて、今回の最大の特徴とも言える、ATOK 2017の『ATOKディープコアエンジン』は、昨今のATOKで指摘の多い「学習した変換結果への依存度が強すぎるのではないか」という点への改善を主眼としたもの。

発表会では変換例として、「三都市」という文節区切りを学習した直後に、「佐藤さんと篠田さん」を変換する場合について紹介。ATOK 2016では、最初の候補が学習結果に引っ張られて「佐藤三都市の打算」となっていたところが、2017では意図する変換結果となる、と紹介。

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さらに、同じ読みの単語が続いた際の文節区切り位置の決定も柔軟となっており、「最新モデルも出る」が一発変換できるようになった、とアピール。また同音語選択などは後の文字列も参照することで、「携帯通信量7ギガ」といった例でも一回での変換が可能になったと紹介しました。

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また新機能としては、ATOKをオフの状態で入力した単語も、日本語と判断したら変換候補にできる「インプットアシスト」を搭載。複数アプリを使っていると意外とオフ状態で入力していることは多いため、これは便利そうです。

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合わせて、複数のPCやMac、Android版やiOS版で学習単語を同期できる『ATOK Sync』機能も強化。これまで(実は)不可能だった「Android版で登録した単語のPCやMacへの同期」も可能となります。ただしこちらは2017のリリースよりも遅れるため、後日提供予定とのこと。

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一方で、気になる技術的な点に関しては、「従来の変換エンジンに加え、大量の日本語テキストからディープラーニング技術で抽出した日本語の特徴点を考慮したエンジンを追加している」といった点に留まり、詳細な解説はありませんでした。

ただし、変換エンジン自体の処理規模はかなり増していそうです。というのも、ATOKの解説担当として登壇した、同社の下岡美由紀氏(同社CPS事業部開発部)への質疑応答で、「新エンジンは計算量を上げれば変換効率が高まるが、反面ストレージやメモリのみならず、CPUへの負荷も従来に増して高まっている。ATOK 2017の対応OSはWindows 7から、また対応ハードウェアはOS準拠となっているが、現状では7が動作するローエンド級PCにおいて、変換に時間の掛かる場合が見受けられる状況。そうしたPCでも速度を落とさないように、変換効率と速度のチューニングをしている段階」との発言があったため。

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また、Mac版やAndroid版、そしてiOS版のATOKは、現状ではWindows版と同じエンジンを使ってる点を特徴としていますが、それらへのディープコアエンジン搭載は将来的な目標となるとのこと。

この「時間差」に関しては、「エンジンの規模が増したことによるハードウェアへの負担増などに加え、スマートフォンに関してはよりくだけた文書の入力が多いことから、優先される変換候補のチューニングの必要も生じるだろう」(下岡氏)とのことでした。

変換候補のチューニングという点に関しては、発表会で下岡氏は「へんしん」という単語の例を紹介しています。「実はディープラーニングの結果だけでは、ネットで使われている頻度において『変身』が多いことから、これを優先する。しかしWindows版のATOKを使っているユーザーはメールなどの『返信』が多いであろうことから、こちらを第一候補としている」という例も挙げられました。意外なところに(おそらく)ニチアサ実況勢の影響があるのだなぁ......と感心したエピソードです。

さて、筆者が下岡氏に対して、MacOSで採用されたライブ変換」への対抗機能はないのか、と尋ねたところ、「今回は直接の対抗機能は搭載していないが、当然意識はしている。たとえば連想変換も大きく強化したので、ぜひ使ってみてほしい」との回答を得ています。

合わせて「誤変換30%削減」という調査の条件は、ある程度学習をさせたATOK 2016と2017を比べた状態であり、文例は同社の設定した、ユーザーが典型的な使用法で入力するであろう文章を使っている、とのこと。

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一方の一太郎2017は、冒頭でも紹介した「一太郎オーダーメイド」が特徴。基本パターンである「かんたんオーダー」は3種類。従来の基本設定だった「使いこなし」に加えて、機能や画面表示を最小限にする「シンプル」や小説など長文に向いた設定「もの書き」の3パターンを用意します。

反映される設定は、画面設定にはじまり、各種機能のオン/オフやファンクションキー設定など多岐に及びます。たとえば「もの書き」では、ファンクションキーの設定が文字数カウントや校正実行、ふりがなへと変更される、といった具合。

さらに詳細設定の「こだわりオーダー」では、作成文書の用途や利用中の機器、身体特性など22の質問に答えることで、画面の広さやコントラストの強さ、メニュー、キー操作といった点までを詳細に設定。100億通り以上(公称)の設定パターンから使い方に合った設定が可能とアピールします。

また、ワープロソフトで重要となる文書のデザイン面では、各種文書で使われるレイアウト枠を200点用意した「きまるフレーム」を提供するなど、より素早く文書作成ができるように強化されています。さらに文章校正機能も、小説向けに約物をカウントするモードが増設されています。

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このように、今回のバージョンアップは、一太郎はより柔軟かつ手軽なユーザーカスタマイズを、そしてATOKは根本的な変換精度の向上を狙った、かなり野心的なもの。とくにATOKは、昨今ではとんと聞かなかった「日本語変換でCPUの性能が要求される」レベルにまで踏み込んでおり、ある意味ではかなり期待できそうなものとなっています。

発売は来年2月とまだまだ間があるだけに、とくにATOKはどういった路線でのチューニングを施すのかといった点を含めて期待したいところです。

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