伝わる英語を話すためのちょっとした工夫

伝わる英語を話すためのちょっとした工夫

  • PRESIDENT Online
  • 更新日:2017/10/12
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英語を学ぶ本来の目的は、相手と正確なコミュニケーションができること。テストで高得点を取ることを目的としていれば、「ビジネス英語」はいつまでも身につかない。米マサチューセッツ大学MBA講師の齋藤浩史氏が、ゴールドマン・サックス(GS)で学んだという「誤解のないビジネス英語」のポイントを解説する――。

英語を学ぶ目的はコミュニケーション

ビジネスパーソンが英語を学ぶ目的は、コミュニケーションを取ることであるはずです。しかし英語の学習方法を解説する本の多くは、テストで高得点を取ることが目的となっています。これでは英語は上達しません。

現在の日本の教育システムでも、中心にあるのはいまだに受験英語です。与えられた英語学習をこなすことがルーティンになっていて、「相手にどう伝えるか」という視点が欠けています。

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こんな風に書くと、「自分の英語力もまだ完成できていないのに相手のことを気にするなんて……」と心配する人がいそうです。それでは、あなたの英語力が「完成」するのは、いつでしょうか。英語力を測るには、筆記テストより、簡単で確実な方法があります。それは英語でコミュニケーションを取ることです。自分が発した言葉が正確に伝わり、相手が行動してくれるかどうか。重要なのは「正確に伝わっているかどうか」なのです。

あなたの「理想の英語」をいくら追求しても、相手が間違った行動をとってしまえば、それは「間違った英語」と判断せざるを得ません。最悪の場合、誤解をきっかけに相手と衝突してしまうこともあるでしょう。そんな事態を避けるために、相手に正確に伝わり、行動しやすい英語を目指す必要があります。

私は外資系証券会社のゴールドマン・サックスで働いた経験があります。そこではあらゆる国籍の人が英語を使っており、だからこそ、「相手に正確に伝える」ということが重要になります。そこで心がけたのは、「人の頭に入りやすい文章を構成する」ということです。難しい表現は必要ありません。できるだけ簡単に、短く、わかりやすい方法で伝える。そのほうが、誤解が少なく、正確に伝わります。

人が何かを説明するとき、その対象は「動きがあるパターン」と「動きがないパターン」の2つに分けられます。前回、ご紹介した「大中小の法則」(「英語スピーチ"丸暗記"が失敗しやすい理由」)、は、「動きがないパターン」でした。今回は「動きがあるパターン」についても紹介したいと思います。

「動きがあるパターン」とは、説明の対象が動いているので動詞を使うケースと考えていただければ結構です。

「動き」がある文章構成の方法

それでは、「動きがあるパターン」と「動きがないパターン」の2つの文章構成を比較してみましょう。

「動きがないパターン」(1)のときには、中項目で主観的な印象を含めていたものが、「動きがあるパターン」(2)の場合では伝える対象物のレイアウトに変わりました。小項目では、動きがないパターン(1)のときにはそのレイアウトだけを説明し、動きがあるパターン(2)では動きそのものを表現することになります。

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この点を踏まえて上に挙げた写真について説明する場合は、パターン(1)と(2)のどちらを採用するべきでしょうか?

この場合は、男女が海を眺めて座っている様子を伝えたいために、動きの「ある」パターン(2)を使った英文構成のほうが好ましいでしょう。動きが「ある」パターン(2)では、パターン(1)で使う主観的な印象は含めないほうがよいです。その理由は、主観的な印象は対象自体を評価する目的で使われるため、動きが「ある」ケースに使ってしまうと、違和感のある文章になってしまうからです。

具体的にどのような文章になるか日本語だけで検証していきましょう。

大項目:この写真は、昼間の海岸近くの場所です
主観的印象:とても気持ちのいい風景です。
中項目:背景には海と大きな岩があります。そして手前にはカップルがいます
小項目:彼らは自転車を止めて、フェンスに座って海を眺めています

いかがでしょうか? 主観的な印象は対象を評価するために使われるものなので、写真に動きがある場合の説明とは相性がよくないのです。

では、動きの「ある」パターンで「大中小の法則」に落とし込んでみましょう。

このように文章を構成すると、抽象度が高いところから低いところへと流れていくため聞き手の頭に入りやすくなります。あとはシンプルに英語を入れ込んでいけば完成です。

▼大項目
The picture shows the place near by the ocean in the daytime.
(この写真は、昼間の海岸近くの場所を写したものです)

▼中項目
Ocean and huge rocks are in the back of the picture. There is a couple with backpacks.
(背景には海と大きな岩があります。そしてリュックサックを背負った男性と女性がいます)

▼小項目
They parked their bikes, sat on a fence and looked at the ocean.
(彼らは自転車を止めて、フェンスに座って海を眺めています)

常に意識するべき「大中小の法則」

相手にわかりやすく伝えるには、局所的な点を細かく説明することより、まず大枠を捉えて、そこから自分のレベルに合わせて説明をするほうがわかりやすくなります。いかにも難しい英語が飛び交っていそうなゴールドマン・サックスのような職場でさえ、実際にはこのルールに従って話されるケースがほとんどです。

拙著『英語で説明する全技術』(秀和システム)では、皆さんの周りにあるさまざまなケースを使って「大中小の法則」を紹介しています。この法則は、「英語ができる」と自負している人でも、十分に使えていないことがあります。そういう人は「英語力」は高いのかもしれませんが、コミュニケーション力が高いとはいえません。ビジネスで英語を使ううえでは、まずは自身が話すべき順番を意識しておくことが大切です。

齋藤浩史
マサチューセッツ大学MBA講師。 上智大学博士号中退、イギリスバーミンガム大学MBA。ゴールドマン・サックスやその他外資・日系投資銀行で海外業務を行う。ヨーロッパ、中東、東南アジアの財務省や世界銀行との国際ビジネスに携わる。現在、マサチューセッツ大学MBA講師のほか、ビジネス英語ライティング研修、英語プレゼン研修を企業や個人に提供、同時に都内大学や資格学校のLECでミクロマクロ金融・経済学を教える。著書に『外資系金融の英語』(中央経済社)。近著に『英語で説明する全技術』(秀和システム)がある。

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