名医に聞いた「わが家の『常備薬』」この組み合わせが最強です

名医に聞いた「わが家の『常備薬』」この組み合わせが最強です

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2018/06/25
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病気になれば、薬局に駆け込み、店員にすすめられたものを買う。これでは病気の治りも遅い。賢い市販薬との付き合い方を、プロが教える。

最も評価が高かったあの風邪薬

「基本的に、特許の切れた薬や、臨床の現場で長い間使われたものが市販薬になります。逆に言うと、効能が証明されているものしか市販薬にはなりません。

一方、新しい薬は医師の処方箋がないと買えない。また、市販薬になったばかりの薬は製薬会社が開発コストを回収するために、高額化しやすいのが特徴です。

しかも、それが良い薬とは限らないのです。医薬品は他のサービスと違って、価格が高いことが体に良いこととイコールではありません。

古い市販薬は開発コストも回収し終えたから安いのであって、効能が低いわけではない。ロングセラーの市販薬にも十分な効能があり、安心して使えるものも多いのです」(皮膚再生医療の専門医で、セルバンク代表の北條元治医師)

医療の最前線で働く現役の医師たちは、最先端の医薬品を使っているかというとそうでもない。彼らも普通の人だ。激務の合間に医師にかかることもままならず、薬局の市販薬で病気の症状を抑えることはよくある。

ただし、専門家だけに、自分で買って飲む薬とそうでない薬を明確に分けている。本誌が前号で名医が実際に飲んでいる市販薬の「実名リスト」を掲載したところ、大きな反響があった。

そこで今回は、名医13名に「自宅の薬箱」を実際に見せてもらった。彼らが常備している薬の中から市販薬の「最強の組み合わせ」を紹介しよう。

まずは最も一般的な病気である風邪の薬。毎年のように新商品が発売され、それなりに値段も張る。しかも、本誌6月16日号で報じたとおり、一部の風邪薬は、長期間飲み続けることで認知症のリスクを高めることが英国で指摘されている。

実際、パブロンやルル、ベンザブロックといった総合感冒薬を常備薬にしている名医はほとんどいなかった。マイシティクリニック院長の平澤精一医師が言う。

「市販の風邪薬は症状を緩和する成分が入っているだけです。ひき始めから3日以上経って、高熱が出てきた場合は、特殊なウイルスや細菌が原因と考えられますので、医療機関に行ったほうがいいでしょう。

しかし、初期症状の風邪のときは、私も漢方薬を使うことがあります。発熱症状があり、脈が早い場合は、葛根湯を飲めば大きな間違いはないと思います」

名医13名中、実に4名が葛根湯を風邪の初期に飲むと口を揃える。具体的な商品名として葛根湯エキス顆粒A(クラシエ薬品)が挙げられる。

地域医療の専門家で、さくらクリニック院長の石代誠医師が話す。

「私も家族も風邪のひき始めには葛根湯を飲むことが多いです。頭痛や鼻炎の軽い症状が出たときにも使います。体をリラックスさせる効果もある漢方薬です。

また、市販薬には処方薬にないタイプの薬もあります。たとえば、のどに直接スプレーするのどぬ~るスプレーEXクール(小林製薬)は患部に直接スプレーできて便利です。抗菌抗炎症作用もあるので、わが家の常備薬の一つです。のどの調子が悪いときにはすぐにスプレーしています」

二日酔いにはコレ

風邪は初期に処置するのが鉄則だ。長引かせると肺炎になり、高齢者にとって命取りになりかねない。前出の北條医師はロキソニンS(第一三共ヘルスケア)とイソジンうがい薬(ムンディファーマ)で徹底的に叩く。

「熱を下げて痛みも治まるので、風邪のひき始めにロキソニンは重宝しています。加えて、1時間に1回のペースでイソジンでうがいをすることで、機械的にのどの細菌を洗い流し、のどからのウイルス侵入を抑制します。

ロキソニンで発熱や痛みなどによる体力低下を防ぎ、イソジンで細菌などの二次感染を防ぐ。こうして体の持つ免疫力を高めることで、私は風邪で仕事を休んだ経験がありません」

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ただし、鎮痛解熱剤を使用するときは注意が必要だ。とくにインフルエンザの場合は気をつけよう。前出の平澤医師がこう指摘する。

「鎮痛剤に関してはバファリンやイブ、ロキソニンが代表的ですが、インフルエンザの時期にこれらを服用すると、とくにお子さんの場合、ウイルスが脳に誘導されてインフルエンザによるウイルス性脳症を引き起こすことがあります。

インフルエンザではないと思ってたまたま飲んだ薬でインフルエンザ脳症になることもあり得るので、そこは注意してください」

食べ過ぎやストレスで胃痛を感じるときに備えて、名医はどんな市販薬を用意しているのだろうか。糖尿病専門医で、みかわしまタワークリニック顧問の岡野匡雄医師がこう答える。

「胃酸の分泌過多によって胃の粘膜が荒れ、胃が痛くなりますが、困ったときに飲むのは太田胃散(太田胃散)です。生薬由来で体に優しく、胃酸を抑える作用もあるので常備しています。

それよりも胃が痛むようだと、H2ブロッカー胃腸薬のガスター10(第一三共ヘルスケア)ですね。胃酸の分泌に大きな役割を果たしているヒスタミンなどの受容体をブロックし、胃酸の分泌を抑制してくれます。軽い胃潰瘍や慢性胃炎には効果が大きい」

ただし、ガスター10は「よく効く」ため、使用の際は注意が必要だ。

「ガスター10などのH2ブロッカー胃腸薬は、まずは医療機関で処方してもらったほうがいいと思います。それで効果があった方は、薬局で買ってもいい。

ただし、服用すると痛みが治まるけれど、やめると再発する場合は、医療機関を受診してください。よく効いてしまうために、重篤な疾患が発見されるのが遅れる場合もあるからです」(前出・平澤医師)

漢方専門のクリニック、今田屋内科の八木明男院長は市販薬でも漢方薬を選んで使用する。

「胃の調子が悪いときに飲むのは、大正漢方胃腸薬(大正製薬)です。これは漢方薬の安中散と成分が近く、ストレスからくる胃の痛みによく効きます。

漢方薬というと、体に優しい半面、効き目がすぐに現れにくいイメージがあるかもしれませんが、この薬は副作用も比較的少ない上に即効性も期待できます。

お酒をよく飲む人は五苓散を常備されてもいいでしょう。漢方五苓散料エキス顆粒(クラシエ薬品)を、お酒を飲んだ後、就寝前に服用すると、翌朝目覚めたときに二日酔いになることがほとんどありません。飲みすぎたと思ったときには試してください」

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腹痛には100年以上の歴史を誇る正露丸(大幸薬品)がいい。幼児(5歳以上)から服用することができ、効果のみならず、体にも優しい。

「正露丸はさまざまなメーカーから出ていますが、やはりラッパのマークのものが一番効くと私は感じます。主に腹痛を伴う下痢のときに使います。

消毒効果がある木クレオソートが主成分ですが、整腸作用のある成分も含まれていて腹痛と下痢が同時に治ります。

下痢止めにはピタリットやトメダインコーワといった市販薬もありますが、下痢をせき止めているような不快感が残り、あまりおすすめできません」(前出・北條医師)

便秘に備えるなら、酸化マグネシウムを常備しておきたい。酸化マグネシウムE便秘薬(健栄製薬)という商品名で市販されている。家庭医療の専門家、常喜医院院長の常喜眞理医師が言う。

「便秘気味のときは、酸化マグネシウムを内服しています。骨や血管を強くする効果もある愛用の常備薬です。ただし、腎機能に障害のある方は高マグネシウム血症を引き起こすおそれがあるので、長期間にわたっては服用しないでください」

胃腸の調子を整えるために、複数の名医が常備していると名前を挙げたのが、新ビオフェルミンS錠(ビオフェルミン製薬)だった。泌尿器科医で、かとう腎・泌尿器科クリニック院長の加藤忍医師も愛用している。

「日常の生活で、腸の動きを整えるのは体調管理に重要です。腸の調子が悪くなると、すべてにおいて調子が悪くなりやすい。私は腸が強いほうではないので、ビオフェルミンを飲んでいます。

ちょっとでもお腹の調子が悪いときのために常備している。ビオフェルミンは腸内細菌の栄養の素になるようなものですから、体にも優しいし、悪さをすることもありません」

安くても効く水虫薬

外用薬に目を転じると、名医たちは切り傷や肩こり、眼精疲労に備えてこんな薬を常備していた。

「普通の絆創膏よりも少し値段は高いですが、バンドエイド キズパワーパッド(ジョンソン・エンド・ジョンソン)はおすすめです。傷口を水で洗ってから、すぐに貼るときれいに治りますし、剥がすときに痛みもありません」(康心会汐見台病院院長・赤池信医師)

「仕事柄、肩が凝るので、貼り薬も常備しています。筋肉が疲労すると、細胞膜内の酵素が連鎖反応して炎症を起こし、プロスタグランジンという刺激物質が発生して、これが痛みの元になります。この物質の発生を抑えれば、痛みは治まるわけです。

フェイタスZαジクサス(久光製薬)は鎮痛消炎成分のジクロフェナクナトリウムが患部に直接浸透し、つらい痛みを抑える効果があります」(前出・石代医師)

「目薬のサンテメディカル12(参天製薬)を使用しています。仕事柄なのか、目の疲労をよく感じるので、すぐに目薬をさせるよう常備しています」(川崎医科大学泌尿器科教授・永井敦医師)

この目薬には、目の疲れを緩和するとともに、角膜を保護し、炎症を抑える12成分が配合されており、眼病予防にも効果があるという。

梅雨時に急増する水虫には、こまめに薬を塗ることで対応したい。

「水虫になったときに、市販の水虫薬ラミシールATクリーム(グラクソ・スミスクライン)で治しました。水虫薬には2000円を超える高価な市販薬もありますが、実は1000円程度の安いものと成分は変わらない。

これを半年ほど塗って治りましたが、その後の1年も症状がないのに継続して塗っていましたね。治ったからといってすぐに塗るのをやめると、再発することもあるので気をつけてください」(前出・北條医師)

これからは蚊の季節。虫さされや火傷、湿疹など幅広い皮膚のトラブルに使えるのが、リンデロンVG軟膏だ。これとほぼ同じものが、ベトネベートN軟膏AS(第一三共ヘルスケア)という商品名で市販されている。

「この薬にはステロイド剤のベタメゾンが配合されていて効き目が高い。ステロイドは長期にわたって使用すると、副作用がありますが、早めに使うことで、逆に使用期間を少なくすることもできます。

ただし、1週間使用しても改善傾向がない場合は、皮膚科に相談してください。

虫さされを避けるには天使のスキンベープジェル プレミアム(フマキラー)がいい。これは乳幼児から高齢者まで、一日に何度も使用することができ、虫よけ効果に定評もあるイカリジンが配合されていて、安心して使用することができます」(前出・常喜医師)

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ちなみに内服薬だが、虫さされによるかゆみに効く薬もある。前出の石代医師が言う。

「虫さされによるかゆみには、内服薬のムヒAZ錠(池田模範堂)が効きます。抗ヒスタミン作用だけでなく、抗アレルギー作用、抗炎症作用も併せ持つ成分が配合されていて、半日効果がある。寝る前に飲めば、かゆみを気にすることなく、安眠することができます」

薬の使用期限は気にする?

湿気の多い今の季節は大丈夫だが、冬場になると乾燥肌で悩む人もいるだろう。そういう人は、乾燥性皮膚治療薬のウレパールプラスローション10(大鵬薬品工業)を常備しておきたい。

「私もかつてアトピー性皮膚炎を患ったことがあり、肌が強くないので、乾燥時にはこれを使うことがあります。保湿効果に優れた尿素が主成分で、麻酔作用のあるリドカインも入っている。ローション状で全身に使えるところもいいですね」(前出・北條医師)

症状が治まれば、薬を使い切ることなくそのまま放置して、気がつけば1~2年も薬の使用期限を過ぎていることは誰にでもよくある。こうした薬を使っても大丈夫なものだろうか。

「使用期限を数週間過ぎたからといって問題が起こることは稀だと思いますが、期限切れの薬を使うことはやはりおすすめできません。高温多湿状態で保管された場合、劣化が進み、服用することで問題が起こる可能性があります。

使用期限内であれば、製薬会社から補償を受けられることがありますが、過ぎていた場合、補償は難しい。

また開封した薬を使う場合も注意が必要です。たとえば、半分に割れる錠剤の片方を飲み、もう片方をそのまま保管しておくと、割ったところから酸化していきます。薬の効果がなくなることもあれば、副作用が出ることも考えられます」(前出・平澤医師)

市販薬をうまく活用すれば、病院にむやみにかかることもない。名医たちが挙げた市販薬を総合して、浮かび上がった「最強の組み合わせ」をページ末に掲載した。早速、自宅の薬箱と照らし合わせて、必要な薬を揃えよう。

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「週刊現代」2018年6月30日号より

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