8万円以上する「水沢ダウン」買ってよかった

8万円以上する「水沢ダウン」買ってよかった

  • ASCII.jp
  • 更新日:2018/01/22
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「8万円の上着? 普通でしょ」と思わない人たちのために

「水沢ダウン」を8万4240円で購入しました。この一文で「ああ、アレを買ったのね」と感じる人は、この記事を読まなくてもよいかもしれません。「どうして8万円もダウンに使ってしまうのか」と思う人に自慢する、いや違うな、紹介するために書いているわけです。

ASCII編集部の何人かにも「高すぎるだろ」と言われました。しかし、編集部においては8万円ぐらいのカメラのレンズやグラボなどをサクッと買う人も多いわけです。それはそれで仕事に使うこともあるわけで、まったく文句を言う気はないのですが、だったら「寒い日の通勤や取材に着てあたたかく動きやすいもの」に8万円を出すことに文句を言われる筋合いもないはず。

単焦点レンズやGTX 1080を悪く言う気持ちはないものの、それらを身に着けたところで、寒い冬を暖かく過ごすことができません。などというと「心があたたかくなる!」と、どうや、言うたったでぇ~みたいな顔で返してくるのですが、残念ながらあたたかいどころか寒いだけです。気温が低い季節には、あたたかいダウンが必需品なのです。

そうはいっても、結構考えたんですよ、店頭で! 前々から狙っていたカラバリがあって、実際に着てみたらやっぱりいい感じだなと思いつつ、でも8万あったらアレも買えるしコレも買えるしそもそも家賃レベルじゃないかと悩んだりしつつ、店員の前で試着して(暖房の効いた店内でダウンを着たわけで)汗ダラダラになりつつ、店員さんの「いいですよこれ」トークを3分ぐらい聞かされてグルグル目になりつつ、「これください」の6文字を喉から出すまでの葛藤がないわけじゃないですか!

そんなわけで、来月のカードの支払予定額を見ると少しばかり憂鬱になるので、買いました、よかったです、と書いて気持ちを整理し、自分を納得させたい気持ちがある。もちろん読者に製品の特徴を伝えることは大前提ですが。ともかく、そういう記事です。

そもそも水沢ダウンとは何ですか

水沢ダウンは、スポーツウェアで知られるデサントのファッションライン「デサントオルテライン」から発売されているダウンです。

国内でも希少というダウンウェアの一貫生産体制を持つ、デサントアパレル水沢工場(岩手県旧水沢市・現奥州市)の技術とノウハウにより、2008年に誕生。2010年にバンクーバーで開催された冬季五輪にて、日本代表選手団オフィシャルスポーツウェアとして採用されています。

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裏地に「水沢DOWN」のロゴがあります

現在、「マウンテニア」「アンカー」「シャトル」「ストーム」「エレメント」「レジリエント」の6種類があります。筆者が購入したのは初期モデルとしてロングセラーを続けるというアンカー。いちばんベーシックなモデルといえるでしょうか。カラバリはGRAPHITE NAVY。要するにネイビーです。しつこいようですが価格は8万4240円です。

では、水沢ダウンの何がいいのか。雨や雪の日でも安心で、軽くてあたたかく、スタイリッシュだからです。どうしてそうなのか、解説していきます。

ダウンジャケットは、表地と裏地の間に羽毛を入れるわけですが、雨や雪などに弱い。ステッチのミシン目から水が侵入し、羽毛が濡れてしまうため、十分な保温性が保たれないのです。また、ステッチ部分の隙間よりダウンが抜け落ちやすいなどの欠点がありました。ダウンから羽根がちょろっと出たりしていた経験、ありませんか?

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ステッチが弱点ならなくせばいいだろ!

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ジッパーは止水加工

そこで水沢ダウンは、ダウンパックの形成に縫製ではなく特殊な熱圧着(ノンキル)技術を採用し、ステッチを排除しました。水が侵入する隙間そのものをなくす発想です。さらに、前立てや脇ポケットには止水ジッパーを、袖などの縫製が必要な箇所には裏面にシームテープ加工を施すことで、雨や雪の日の快適性を向上させることに成功。

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水沢ダウンのタグ。左から、止水ファスナー、シームテープ加工、熱圧着加工について説明があります

表地には、4WAYストレッチ素材(要するに、伸びる)「DERMIZAX MICRO STRETCH」を使用。裏地には、繊維を透過した光を熱へと変換する光発熱と身体から発する水分を熱に変える吸湿機能により、すぐれた発熱力を有するという素材「HEAT NAVI」を採用しています。

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DERMIZAXについてのタグ。高撥水、高透湿、防水、防風性などがウリ

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HEAT NAVIについてのタグ。とにかく熱を逃がさないそう

縫い目がないために気密性が高くなり、少ないダウン量でも十分な保温性が生まれただけでなく、やぼったくないシルエットも実現しています。そして生地にはストレッチ性もあり、さらに身体からの熱も逃がさない。寒い日に着る上着として、まさに理想的なのです。

快適に着続けるための工夫がいっぱい

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素材の紹介をしてきましたので、つづいて、機能の話をします。

冬場にありがちなのが「外は寒いが室内は暑い」状態。外気温に合わせた服装で出かけたところ、車や電車の中で汗だくになった経験はないでしょうか。あるいは、すこし駆け足で待ち合わせ場所にいったら暑くなってしまった、みたいな。

水沢ダウンには脇下にジッパーが取り付けられており、開閉することでメッシュから外気を取り入れ、体温を調整できます。この機能自体は、アウトドアウェアとしてはそれほどめずらしいものではありません。

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脇下にジッパーを搭載

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メッシュになっており、ここから換気できる

ユニークなのは、フロントのジッパーにもベンチレーションシステムをそなえていること。前たてのジッパーが2列になっており、内側のメッシュ素材を出すか出さないか選べるのですね。メッシュを外に出すように閉めると、通気性が高まります。

少し暑いかなと思ったら、外側のジッパーを閉めると、風が入っていく。さらに脇下を開けていれば、ダウンの中を空気が抜けていく。寒いなら、メッシュが出ない方のジッパーを締めればよいわけです。

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空気を入れたいときは、メッシュ素材を露出させる

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寒いときは、メッシュが出ないように閉める

ところで裏地(脇腹のあたり)には、明らかに物が入らない謎のポケットがあります。「OPEN FOR USE : WATER INFILTRATION VENT FOR WASHING OF INSULATION」とある。直訳すると「使うとき(洗うとき)に開けてください:断熱材の洗浄のための水の通気口」。

つまり、このポケットは、クリーニングのときに水や洗剤を全体に行き渡らせるために開けるもの。気密性が高すぎて、これを開けないと十分に洗濯できないのです。気密性にすぐれた水沢ダウンならではといえるかもしれません。

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「洗濯用のジッパー」なる独自の存在

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ちなみに中性洗剤で手洗い可能だそうです

買ってよかったけど 自分よりダウンをていねいに扱っている現状

ざっと紹介してきましたが、実際に着てみると、どうなのか。

やはり、着心地が別格によい。軽さは正義です。そして素材にストレッチ性があるので動きやすい。冬場に着る上着は、脱いだときに「はぁ……」と一息つくぐらい、重く厚手のものである……そんな固定観念を吹き飛ばしてくれます。

それだけ着やすいのに、気密性が高いので、十分すぎるほどあたたかい。さらに濡れを気にしなくていいから、雨の日でもそれほど不安を感じない。とりあえず、これを着ていけば大丈夫という安心感がある。

実は、編集部にもう1人、水沢ダウンの愛用者がいます。家電担当の盛田さんです。快適性と機能性を追求したハイスペックモデル「マウンテニア」を着ています。価格は10万8000円。

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家電担当の盛田さん。「マウンテニア」のBLACKです

盛田さん「一見すると細身なのですが、1枚だけでめちゃめちゃあったかいですこれ。冬の朝パジャマに水沢ダウンを羽織ってゴミ出しとかよくやってます。ユニクロのダウンジャケットが他界した翌年、ネットでたまたま在庫があるのを見かけておよそ10万円を一括払いしたのは大正解でした」

「ユニクロはステッチのすき間から羽根がよく抜けてしまうのが不満の1つでした。水沢ダウンはステッチがないため抜けません。あとユニクロは水に弱く、雨や雪の日に着づらかったのですが、水沢ダウンは耐水性があるので普通に着られるので便利です。パラフードシステム(使わないときはフードを閉口し水などがたまらないようにできる機能)など、便利機能がいろいろあるらしいので使いこなしていきたい」

盛田さんも水沢ダウンの力を実感しています。なんだか健康食品のCMみたいな文言になってしまいましたが、実際、その通りなのです。軽いのにあたたかくて、ほんとうにすばらしい。

……ただ、水沢ダウンを買ったことに後悔はないのですが、外出時、あきらかに自分よりもダウンをていねいに扱っている現状がある。取材で展示場などを訪れた際、床に座るのはまったく苦ではない。しかしダウンは、汚れないようにと、カバンや机などの上にそっと置いています。「これは8万円! 汚してはならない」と。

この前はダウンを着ているときに雨に降られ、風雨に強いのがウリの水沢ダウンなのにも関わらず「大変だ、濡れてしまう」と思ってあわてて建物の中に逃げ込みました。自分は濡れてもいいから、ダウンは濡れて汚れないように。落語じゃないんだから。

もう一つ、困ったことがあります。ポケットに物を入れられないのです。そうそう破れないとは思っているのですが、何かを入れて、もし穴が空いたら1週間ぐらいひきずりそうで……。結局、スマホ一つも入れられずじまい。寒いときに手を入れて温めるぐらいです。そのときも「爪を生地にひっかけないように」と、かなり怯えている。

だから「買ってよかった」ではあるのですが、生活が完全にダウン優先になっているような気がします。現在、水沢ダウンは筆者の部屋の中央にあるソファーに鎮座しているのですが、まるで部屋の主が筆者ではなく、ダウンになってしまったかのようです。ふと気がついたら、筆者の仕事も、生活も、何もかもがダウン優先になり、主従関係が逆転し、最後には自分自身がダウンのための存在になるかもしれません。でも、満足しています。買ってよかった。

モーダル小嶋

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1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!

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