「数学コトバ」を使えば、アタマがどんどん勝手に論理的に考え出す!

「数学コトバ」を使えば、アタマがどんどん勝手に論理的に考え出す!

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2017/04/21
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「ビジネス数学」の第一人者・深沢真太郎さんが教える、アタマがどんどん勝手に論理的に考えだす方法。そこに、数字や計算は一切出てきません。使うのは「数学コトバ」となる接続詞。これを使えばわかりやすくしようとしなくても説明がうまくなり、相手を説得できます。話題の書『数学的に考える力をつける本』より、その一部を特別公開。

あなたも日々知らずに数学的思考をしている

大人になったいまからでも数学を学べる方法はあります。

・大人向けの数学教室に通う
・「数学の学び直し」をテーマにした書籍を購入し、自主学習する

誰でも思い浮かぶ方法ですが、いずれの方法も推奨します。ただし、単に問題を解いて◯×だけの学習はNGです。となると、どう勉強してよいか戸惑うかもしれません。

そこで、私からひとつ提案です。

勉強する必要はない。そのかわり、日常生活で使うコトバを変えなさい。

これが、いまからでも数学的な人物に変身できる方法です。教科書も参考書もいりません。もちろん数学教師もいりません。「おいおい、ふざけているのか?」とお叱りを受けそうですが、もう少し話を聞いてください。

五角形の面積を出すときにつかうコトバを思い出してください。

三角形の面積は「底辺×高さ÷2」で求められる
↓ しかも
どんな五角形も、3つの三角形に分けることができる
↓ ゆえに
それら3つの面積を合計することで、五角形の面積を求めることができる

私は「これが数学である」とお伝えしています。

ということは、これと同じことを日々の生活の中で行えば、あなたは数学を使っているということになるのではないでしょうか。

もちろん日常生活で五角形の面積を求めるということではなく、構造化して矛盾やムダのない論述をし、誰もが100%納得できるように説明する(伝える)ことです。

子どもは納得してカレーの材料を買ってくる

たとえばあなたに子どもがいて、その子どもにカレーの材料を買ってくるように伝えるとします。「カレーに必要な材料、適当に買ってきて」と言っても、もちろんよいわけですが、子どもは何を買えばよいか困ってしまうかもしれません。「適当に」と言いたくなるのをグッと我慢し、少し考えてから伝えてください。たとえばこんな感じです。

必要なのは全部で、牛肉・ジャガイモ・ニンジン・タマネギ・ルー
↓ しかも
冷蔵庫の中にはジャガイモ・ニンジン・タマネギが十分ある
↓ ゆえに
必要なのは牛肉・ルーだけ

子どもは納得し、安心して買い物ができるでしょう。すでに冷蔵庫にあるものを買ってくるというムダも生じません。先ほどの五角形の論述の応用です。当たり前の言い換えだと言われればそれまでですが、これも立派な数学の活用ではないでしょうか。

要するに「普段からちゃんと考えて伝えましょう」という事例ですが、「ちゃんと考えて伝える」ことは論理コトバ(後で数学コトバと定義=編集部注)を使えば簡単にできるようになるのです。

もうひとつ例をあげましょう。

あなたがビジネスパーソンで、昨日の売上高が450万円でそれは前日比96%だったというデータを知ったとします。もし「なぜなら」という数学コトバを自分に問いかけたら、きっと原因の特定と改善策を考える方向に思考が進むでしょう。

昨日の売上高450万円(前日比96%)
↓ なぜなら
悪天候のため、来客数はおよそ10%減だった
↓ ゆえに
明日以降の晴天の日は販売強化日とする必要がある

しかし、もし同じ局面で「一方で」という論理コトバを自分に問いかけたら、何かとの比較という方向に思考が進むでしょう。

昨日の売上高450万円(前日比96%)
↓ 一方で
競合他社の数字は400万円(前日比90%)との情報あり
↓ ゆえに
450万円という数字は決して悲観するものではない

このように、論理コトバを使うことで思考の方向性が定まります。論理コトバは思考を促してくれるのです。いままでは使わなかった論理コトバを、最初は無理やりでもいいので使ってみる。これが、私が提案する「数学の学び直し」です。

「数学コトバ」はこんなにたくさんある

数学が主題の本なのに、主役が明らかに言葉であることに、あなたは少々戸惑っているかもしれません。理由は「数学」のイメージと「言葉」という概念のあいだに距離があるからでしょう。そこで、いまからその戸惑いを消し去る作業をします。

数学とはコトバを使う学問であり、そのコトバをここまでは「論理コトバ」と表現してきました。これをもっと端的なひと言で表現したい。そのため、私はこんな言葉をつくりました。

<数学コトバ>

「数学」と「言葉」のあいだに距離があるのなら、いっそ結合させてしまえばいい。そんな単純な発想ですが、これ以上わかりやすく本質的な表現はありません。数学で使うコトバだから数学コトバ。ここからは、数学を通じて使い方を学ぶことができる論理コトバのことを「数学コトバ」と定義することにします。

その定義に従えば、数学コトバは以下の一覧表ようにたくさんあります。これですべてではありませんが、代表的なものとしてはこんなところです。なお、分類の仕方は専門家によって個性があるものと思います。あくまで私の考える分類ということをご理解ください。

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堀江貴文氏の大学卒業式でのスピーチ

数学的に伝えている事例を引き続きご紹介します。ビジネスの世界で結果を出してきた人たちは、本当に「数学的に伝える」行為をしているのでしょうか。

まずはマルチな実業家・堀江貴文氏です。

2015年3月の近畿大学の卒業式における堀江氏のスピーチは、当時、話題になったと記憶しています。グローバル化とは何なのか、これからの時代はどう生きていくことが重要なのか、といったことを熱意を込めて語っていました。次はその一部です。内容の賛否ではなく、あくまで伝え方という視点から見てください。

「人間なんて、5年先の未来でさえも予測できません。僕だって予測できません。いまから10年前に、みんながスマートフォンを持って、歩きスマホとかしながらツイッターとかラインをしている姿を想像できましたか? できなかったでしょう? 僕もできませんでした。

だから、未来のことなんて考える意味なんてない。そして、過去を悔やんでいる暇なんて、みなさんにはないはずだ。なぜなら、これからグローバル化で競争激化して(あっという間に世の中は変わっていく=著者注)、そして、未来には楽しいことしかないと思います。それはどうやったら楽しくできるか。それはいまを一生懸命生きることです」

全体的に短文を多用し、しばしば「間」をつくって話をしていました。学生に向けたスピーチのため、わかりやすい伝え方を意識したからではないでしょうか。

引用した部分で堀江氏が伝えたいことは明らかに後半です。その重要な局面で使われているのが数学コトバです。ちゃんと伝えたい。わかってほしい。そんな思いが、話の進行方向を伝える「数学コトバ」になったという解釈は、少々強引でしょうか。

私には、この堀江氏のスピーチが、数学コトバを使って人生の進行方向まで伝えているように思えたのですが。

林修氏が予備校講師になった理由

続いて東進ハイスクールの現代文講師である林修氏。実は林氏はもともと数学を教えていたそうです。テレビなどのメディア露出の場でも数学の重要性を説いており、そのメッセージは数学を専門とする私よりずっと影響力があるようです。次は、なぜ林氏が予備校講師になったのかを語ったテレビドキュメンタリー番組の一部です。(括弧内は筆者による)

「やっぱりやりたい仕事ではなかったですね。(なぜなら)同級生がみんな官僚とかね、医者だとか弁護士とかでね、特にバブルの時代でね、国際的に派手に活躍しているときに、僕もそれをやろうとして、ことごとく失敗したんですよ。

(だから)僕はね、官僚として出世している連中と自分を比較したときに、彼らのような粘り強さがない。(一方で)キレはあるかもしれないけど、あの粘り強さは僕にはないですね。(だから)そういうところで勝負したら負けるんですよ」

「短文→数学コトバ→短文」という原則どおりに話しています。文脈上は数学コトバを使うべき箇所が4箇所あります。しかし、林氏は数学コトバを使いませんでした。そのかわり、1秒以上の「間」をつくって話しています。

伝える内容を構築するために、考えるときは数学コトバを使う。だが、実際に伝えるときには不要なコトバは発しない。きわめて数学的な伝え方です。数学的な人物である林氏ですから、伝え方も数学的なのは「自明」なのかもしれませんが。

数学的に伝えるのがいいのは、聞き手にきわめてわかりやすくなるからです。そして実際、多くの成功者も伝えるべき局面でそれを実践していることがわかりました。

数学コトバで変わる3つのこと

数学は、数学コトバに依存して成り立っています。裏を返せば(←これもまた数学コトバ)、あなたが日々の生活やビジネスシーンにおいて、意識的に数学コトバを使えば、数学を学ぶのと同じ行為をしていることになるわけです。

ですから、もし数学を学び直したいのなら、そして数学がどう役立つのかを知り、実際に人生に役立てたいと思うなら、すべきことは机上のお勉強ではありません。

「考えるときに使う言葉、伝えるときに口から発する言葉」を数学コトバに変える。

まずはここから始めてください。

使う言葉を変えれば、それに連動して何かが変わるはずです。

数学コトバを使うことは人生にどう役立ち、あなたの何を変えるのか。これはとても重要なことですよね。何も変わらないのなら、数学コトバなんてネーミングには意味がなくなりますし、ここまで述べてきたこともただの空論になってしまいます。では、どう役立つのか。何を変えるのか。結論はこうです。

「構造把握→論証→説明」が飛躍的にうまくなる。

なんだか面白みのない結論ですね。本当は「人生が豊かになる」とか「幸福感が増す」くらい申し上げたいところです。結果的にはそうなりますが、まずは現実的な表現として、次の3行を結論とさせてください。

・ものごとの構造を把握する能力が飛躍的に高まる
・1%の矛盾もなく論証する技術が身につく
・わかりやすく簡潔な説明ができるようになる

ひとつ重要な問題提起をします。

この3つは、あなたの人生にとって重要なことでしょうか。もし重要でないのなら、もうここで本書を閉じてしまうという選択だってアリなわけです。

いかがでしょう。ちなみに私の答えは、「あなたの人生にとってきわめて重要なこと」です。

転職も「構造把握→論証→説明」でうまくいく

なぜ、それほどまでにこのエッセンスは重要なのでしょう。それは、私たちがする行為のほとんどはこの3つのどれか、あるいは組み合わせで成り立っているからです。すべては「構造把握→論証→説明」のくり返しなのです。

たとえば、あなたがいまの会社を辞めて転職したいとします。まずはなぜ転職したいのか、その理由を整理する作業が必要でしょう(構造把握)

続いてそれを上司や同僚に説明できるようなストーリーを組み立てます(論証)

そしてその内容を相手にわかりやすく伝えます(説明)

仕事であれプライベートであれ、このような行為をする局面はたくさんあります。もし「構造把握」→「論証」→「説明」がうまくできないと、どうなるでしょう。たとえば転職活動なら、円満退職とはほど遠い状態になってしまうかもしれません。下手をすると、キャリアチェンジすらうまくいかなくなる可能性もあります。

つまり、あなたがこの3ステップを使えるかどうかは、人生の勝負どころでうまくいくか否かを決めるのです。もちろん日々の何気ない瞬間においても。これが、「あなたの人生にとってきわめて重要なこと」の根拠です。

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