デビュー30年、50歳となった織田裕二が語る演技の難しさ──「漫画は、演じる上での参考書になるんですよ」

デビュー30年、50歳となった織田裕二が語る演技の難しさ──「漫画は、演じる上での参考書になるんですよ」

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  • 更新日:2018/01/18
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『監査役 野崎修平』の主人公・野崎修平を演じる織田裕二氏

1990年代後半に連載された傑作コミック『監査役 野崎修平』(原作・周 良貨 漫画・能田 茂)の実写ドラマが1月14日(日)よりWOWOWで放送開始となる。

バブル崩壊後の銀行を舞台に改革を叫ぶ主人公・野崎修平を演じるのは、昨年12月に50歳を迎えた俳優・織田裕二。デビュー30年を迎えたベテラン俳優が原作者へ赤裸々に語る、漫画原作ドラマの難しさとは――。

■漫画は参考書! 織田裕二の演技論

―周先生、織田さんの初対面の印象はいかがでしたか?

周 いやぁ、やっぱりスターですから。本当に迫力のある方で。正義感も強いし、野崎というキャラクターにピッタリでした。

織田 いや~ありがとうございます(笑)。

―『監査役野崎修平』という作品について、織田さんはどんなイメージをもって撮影に臨まれましたか?

織田 まず原作を読ませていただくわけですが、グイグイ引き込まれていくんですよね。最初のうちは「この言葉の意味ってなんだろう?」とページを戻したりもするんですけど。馴染んでくると「もっと知りたいな」って思うようになって…。次の巻をポチッと買っちゃうという。物語の先があるとわかっているので、知りたくなっちゃいます(笑)。

―先ほどもスタッフの方に「新刊はありますか?」と。

織田 そうなんです、現場でも聞いてたんですけども…。

―まだなんですよね。もう、早く刊行しないと(笑)。

周 編集さんにお願いしておきます(笑)。

―しかし織田さん、しっかり漫画を読まれていますね…。俳優さんは皆さん、そうなんですか?

織田 あくまで僕の場合なんですが、漫画に戻るんですよ。というのも台本は自分が喋るセリフは書いてあるんですが「この時、彼はどう思ってるんだろう?」とかの細かいことはわからない。なので漫画は、演じる上での参考書になるんですよ。そういう勉強のつもりで漫画に戻るんですが、面白いからまたグイグイ読み進めちゃうんです(笑)。

周 場面の意味とか、ドラマに入りきらなかったエピソードを惜しんでいただいたりと、読み込んでいただけていることがわかって感動しました。

―作家冥利に尽きるというか…。

織田 監督も撮影の前日に漫画をまた読み出すらしいんですよ(笑)。熟読してから撮影に入るので、僕との雑談で「カットしたあのセリフ戻しませんか?」とか。

―そういう相談も現場でされるんですね。

織田 現場入っちゃうと監督と話すことが多いんで。漫画だと、あの会話もうちょっとあったから膨らましてみようと決めたりしますね。

―演じる上で、言いたかったセリフを提案したりとか?

織田 ありますね。演技もそうで、例えば…漫画には、安藤くんの奥さんのエピソードも出てくるんですよね。銀行員の妻として、みたいな…。ただドラマでは時間の関係でカットされていまして。

―主要人物ではないので描き切れなかったんですね。

織田 でも、そういう家庭環境も気持ちに乗せた上で、野崎の表情を作ってますね。

―ドラマの台本には元々、想定されていなかった表現ですよね?

織田 ですね。ないんですが、目が合った瞬間に、頭を下げてるところを見るとか…。何かあるんだろうな、とか。

―ホントに原作を読まれて、台本を読まれて、また戻って。それで演技に臨むっていうぐらいの読み込み方をされてるんですね…。

織田 いやぁ、ただ、頭取が何を考えてるかがどうしてもわかんないんですよ(笑)。

周 まあ、それは僕も書きながら謎だなと思う部分もありますね…(笑)。

―漫画を読んでもキャラの心情が掴めなかった時はどうされているんですか?

織田 その時はもう、自分の勘というか、これまでの経験を踏まえて解釈しますね。頭取の心情にしても、漫画のモノローグがひとつの答えなんですが…。古谷一行さんが演じた段階で「ドラマの頭取の気持ち」という、もうひとつの正解も出てくる。

―はー…。確かに同一人物、とはまた違う…。

織田 漫画のキャラクターにそっくりな方もいらっしゃれば、役者によっては全く原作とはイメージが全然違う人もいるので。しかも視聴者の中には、漫画を読んでないという人もいるわけですね。そこも忘れてはいけなくて。

―原作を尊重しながらも、ドラマとしてまとまったキャラクター像を作る必要があるんですね。

織田 僕が原作を知ってるっていうのは、現場でもバレているので、「どうなの?」って現場で訊(き)かれたりもするんですが…(笑)。

―アドバイザー(笑)。

織田 そんな感じです(笑)。悩んでらっしゃる方がいたら、「一応、原作はこういう風に描いてありましたよ」とお伝えしますね。「答えを知ってる」って言ったら変だけど、ひとつの正解はすでに読んでいるわけです。

結局、原作通りと自分の解釈のどちらで演じるかは、その方の自由ですね。今与えられた状況の中での、ベストの演技をされているわけですから。「台本だけを読んだ人はこういう演技をされるんだ」という発見も僕は楽しいですね。

―なるほど。

織田 あぁでも、それで人物像がガラッと変わっちゃう場合もありますね。そこがだから、原作ファンからお叱りを受ける部分でもあるのか。そうすると…。

周 いや、僕はその辺、もう自由にやってほしいです (笑)。現場の中で生まれた芝居が、一番いいと思いますね。

織田 先生がそう言ってくだされば、ホッとします(笑)。

◆この対談の続き、後編は明日配信予定!

(取材・文/おげんき[オムカレー]撮影/長谷部英明)

●織田裕二(おだ・ゆうじ)
俳優。1967年12月13日生まれ、50歳。1987年に映画デビュー。91年のドラマ『東京ラブストーリー』でブレイク。以降『振り返れば奴がいる』『踊る大捜査線』などドラマや映画に欠かせない存在となる。『世界陸上』などキャスターとしても活躍中。

●周 良貨(しゅう・りょうか)
漫画原作者。大学卒業後、都市銀行に入行するも退職し、文筆業をスタート。のちに漫画原作者となる。銀行員だった経験を活かし、経済をテーマにした作品を多く手がける。

■連続ドラマW『監査役 野崎修平』
2018年1月14日(日)よりWOWOWにて毎週日曜22:00~(第1話無料放送)。番組特設サイトをチェック!

(ヘアメイク/中嶋竜司[HAPP’S.] スタイリスト/大迫靖秀 衣装/ラルフ ローレン パープル レーベル[※問い合わせ先 TEL:0120-3274-20])

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