『ブレードランナー』続編は本当に“大コケ”と言われる映画なのか?

『ブレードランナー』続編は本当に“大コケ”と言われる映画なのか?

  • シネマトゥデイ
  • 更新日:2017/10/11
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日本では今月27日、中国では11月の公開を控える『ブレードランナー 2049』

SF映画の金字塔『ブレードランナー』(1982)の続編として先週末に全米公開された映画『ブレードランナー 2049』はボックスオフィスで初登場1位を獲得したにもかかわらず、本国メディアがこぞってチケットセールの不振や大コケと報じた。だが、出口調査による満足度で格付けを行うシネマスコアは「A-」をマーク。映画レビューサイト Rotten Tomatoes の観客評価も83%を獲得しており、劇場に足を運んだ観客のほとんどは、映画を評価している。果たして『ブレードランナー』続編は“大コケ”と言われる映画なのか?

製作費1億5,000万ドル(約165億円)と見積もられている本作は、71%の観客が男性で、そのうち63%が35歳以上だったといい、アメリカの製作・配給を手掛ける米ワーナー・ブラザース国内配給部門のトップであるジェフ・ゴールドスタイン氏は Los Angeles Times に対して「私たちの想定よりも観客層の幅が狭かった」と語っている。

しかし、その数値面でいえば、本作はすでに世界45か国で初登場1位を獲得。全世界興行収入は5,020万ドル(約55億2,200万円)を突破しており、イギリスでは週末で800万ドル(約8億8,000万円)をマーク。Box Office Mojo では、海外市場においては期待に応える結果としている。そもそも、空前のヒットとなった『アナと雪の女王』のように全年齢層に向けた作品ではないことは明白で、163分という上映時間を加味すればむしろ十分な成績でもあり、期待された数値に達しなかったから“大コケ”と言うことには違和感がある。

実際のところ『ブレードランナー 2049』は、シリーズファンの期待に応えながら、SF映画としてもクオリティーが高く見応えのある作品になっている。前作につながるミステリーは物語の鍵をにぎることになるが、前作を観れば「さらに」楽しみが深まるように謎が仕込まれている。月並みな言い方かもしれないが、続編を観た後で前作を初めて観ても楽しめるよう作られている。刺激的なビジュアルと考え抜かれたミステリーは最後まで観客の興味を引き付け、163分間知的好奇心にあふれ、全く飽きることがない。作品の根底にある深いテーマ性は『ブレードランナー』を知り尽くしたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督だからこそここまで描けたのだという匠の技を感じる。

海外の批評家や記者たちからの評価も高く、「『ブレードランナー 2049』はSFの傑作。最近では見なくなった、深く切り込んだジャンル映画。ビジュアルが驚くほど、素晴らしい……この続編はオリジナルよりも良いんじゃないかと思う。それと、ドゥニ・ヴィルヌーヴが今最も刺激的な監督だということを証明した」(Fandango、エリク・デイビス)、「『ブレードランナー 2049』を観てきたけど、驚異的だった。素晴らしい続編で、ミステリーを保ちつつ、新たなミステリーを加えて、世界観を拡大していた」(Crave Online、ウィリアム・ビッビアーニ)といった評価をしている。

007 スカイフォール』で知られる撮影監督ロジャー・ディーキンスの生み出したビジュアルは前作に匹敵すると言っても過言ではないほど美しく、過去13回にわたってアカデミー賞撮影賞にノミネートされている彼が、ついにオスカーを手にするかもしれないとの声もあがっている。主演のライアン・ゴズリングハリソン・フォードの演技はもちろん、シルヴィア・フークスアナ・デ・アルマスが演じたヒロインたちは、今後SF映画史を代表するミューズになるはずだ。

数値だけ見れば、1982年当時『ブレードランナー』は全米興収およそ3,287万ドル(約36億1,570万円)と目立った成績を上げた作品ではなかった。そのため、前述のゴールドスタイン氏の発言が示すように、米ワーナーがその市場をうまく見定めることができず、本作を知らない観客に向けた宣伝が十分ではなかった可能性はある。だが『ブレードランナー』は後にカルト作として熱狂的なファンを獲得し、多くのクリエイターを魅了し、ポップカルチャーにおいて、文字通り「世界を変える」ほどの影響を与えた。『ブレードランナー 2049』はそんな熱狂的な支持を得る映画になれるポテンシャルを秘めた、リアルタイムで体験する価値がある作品だ。(数字はBox Office Mojo・配給など調べ・1ドル110円計算)(編集部・入倉功一)

映画『ブレードランナー 2049』は10月27日より日本公開

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