信仰集落の観光に制限の動き 潜伏キリシタン遺産 保全、振興両立悩む

信仰集落の観光に制限の動き 潜伏キリシタン遺産 保全、振興両立悩む

  • 西日本新聞
  • 更新日:2017/09/15

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本県)のある自治体で、世界文化遺産登録に備え、構成資産への観光客立ち入りを制限する動きが出ている。信仰や暮らしの場を守るためだが、過疎が進む集落が維持できるように観光客を呼び込みたい考えもあり、自治体は頭を痛めている。

12の構成資産のうち、10資産を潜伏キリシタンゆかりの集落が占める。長崎県新上五島町は「頭ケ島の集落」と上五島空港を結ぶ20人乗りシャトルバスを休日に試験運行している。レンタカーなどを空港に駐車してもらい、集落を訪れる観光客を制限するのが目的で、来年度からは通年で運行する予定だ。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)への世界遺産推薦が決まった3年前、多くの観光客の車が押し寄せ、騒音や排ガス問題が浮上した。町の担当者は「観光振興は大事だが、資産の価値を末永く維持することが優先」と語る。

平戸市は「平戸の聖地と集落」がある中江ノ島への上陸自粛を観光誌やインターネットで周知する方針。ごみなどで島が荒れることが心配されている。「黒島の集落」がある佐世保市も状況に応じ、黒島への上陸規制を検討する考えだ。

長崎県は県内の構成資産のうち、教会など民間所有の国・県指定文化財9件の保全には、耐震補強などで約30年間に60億円程度が必要と試算した。住民負担を軽くするため、3億円を目標に募金を呼び掛けているが、1億円にとどまっている。集落の維持と併せ、観光客増加による経済効果を期待する声は根強い。

ある集落の信者は「観光客の立ち入り制限は増えるかもしれない。集落維持のため、観光だけに頼らない仕組みが必要」と訴える。

=2017/09/15付 西日本新聞朝刊=

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