JA全農 農業者に向き合う改革を

  • 西日本新聞
  • 更新日:2016/12/01

政府が、全国農業協同組合連合会(JA全農)の改革を柱とした農業改革方針を決定した。

JAグループの「商社」として農家への資材の販売や、集荷した農産物の販売を手掛ける全農に組織や事業の刷新・自己改革を促すものだ。具体的な数値目標や年次計画の策定を求め、政府が進捗(しんちょく)状況を監視するという。

全農の購買事業には、農家からも肥料や農薬、農業機械、飼料などの高コスト体質に疑問の声が出ていた。それが日本農業の競争力をそいでいるとの批判も根強い。農業者に正面から向き合う自己改革に本腰を入れてほしい。

全農改革を目玉とする今回の改革は安倍晋三政権の農業改革3本柱(減反政策の廃止・農地政策の改革・農協改革)の中でも大きな試金石とされてきた。農業を成長産業とするためには農業者が自由に経営できる環境、生産資材や流通加工を担う業界全体の効率化・再編が重要との認識からだ。

改革方針では資材価格引き下げのため、購買部門の効率化を促した。韓国と比べて国内の肥料価格は2倍、農薬は3倍との報告もある。コスト削減には待ったなしで取り組むべきだ。

農産物の販売については、農家の委託販売から、全農が農産物を買い取って販売する手法へ転換を求めた。自らリスクを取り、多様な販売方法を通じて、高値で売れる販路の開拓に挑んでほしい。

そもそも全農を支えているのは、現時点で多数を占める小規模兼業農家だ。資材の購入や農産物の販売など多くの業務を引き受ける全農は重宝な存在でもある。

だが、そんな旧来の取引に安住できる時代はとうに去った。農業人口の高齢化で従来型の農家は激減し、農業生産の中心は組織的な経営体へ移行していくと予想される。若い世代の新規就農者を増やすとともに、経営環境が厳しい中山間地の農業をどう維持していくかなど難問も山積している。

日本農業の現状と将来をきちんと見据え、時代の要請に対応できる組織へ脱皮してもらいたい。

=2016/12/01付 西日本新聞朝刊=

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