「強いチームあるある」の負け方。フロンターレ、こだわりすぎて自滅

「強いチームあるある」の負け方。フロンターレ、こだわりすぎて自滅

  • Sportiva
  • 更新日:2018/02/15

昨季のJ1王者が、思わぬ連敗スタートとなった。

2018年シーズンのAFCチャンピオンズリーグが開幕し、グループリーグ初戦でホームの川崎フロンターレが上海上港(中国)に0-1で敗れた。川崎は、3日前に行なわれた富士ゼロックススーパーカップでセレッソ大阪に2-3と敗れたのに続いて、今季公式戦での連敗である。

息が合っていない――。

何とも漠然とした表現ではあるが、今の川崎を見ていると、そんな言葉がピッタリとハマる。

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川崎フロンターレが多くのチャンスを作っていたが...

試合内容はそれほど悪くなかった。ボールを保持し、パスをつないで相手守備陣形を崩していく攻撃が、少なくともセレッソ戦に比べれば、数多く見られた。より多くの決定機を作りながら、相手にワンチャンスを生かされて敗れはしたが、いわば”強いチームあるある”の負け方だった。

MF中村憲剛が、「(決定機のうち)ひとつ決まっていれば、結果は違った。作り(攻撃の組み立て)のところはゼロックスよりはるかにマシになっている。何もできなかったわけではない」と話していたが、これを強がりばかりとは言えないだろう。サッカーにおけるひとつの真理ではある。

とはいえ、だ。

確かに、セレッソ戦よりも主体的にゲームを進めることができていた。その結果として、相手より多くのチャンスも作れた。

だが、ボールを保持していてもどこかギクシャクしていて、リズムに乗れていない。つまり、選手同士の息が合っていない印象を受けるのである。

ボールを持った選手の前方にはスペースがあり、自分で前を向いてしまったほうが楽な状況なのにもかかわらず、無理に難しいバックパスをつなごうとする。あるいは、後ろからの攻め上がりを待ってパスをつなごうとしてプレーが遅れる。そんな場面が目立つのだ。

新シーズンのスタート直後でもあり、おそらく、それぞれの選手がコンビネーションを合わせたいという意識を持っているのだろう。決して独りよがりになることのない、むしろ選手同士の「息を合わせよう」とするプレーが、皮肉にも逆にボールを失う要因となっていた。川崎の鬼木達監督が語る。

「相手の守備がよかったというよりも、もっと自分たちでできたと思う。(相手のゾーンディフェンスの)間で受けて、ターンできるのにターンせずに(ボールを)下げて、相手に勢いを出させてしまった」

息が合わない様子を象徴したのは、失点の伏線となった前半22分のシーンである。

GKチョン・ソンリョンがバックパスを受けたとき、DFの選手たちはGKに大きく蹴ってもらうつもりだった(ように見えた)。ところが、チョン・ソンリョンはこのボールをつなごうと、右サイドに開いていたDF奈良竜樹にパスを出した。

相手選手に囲まれ、次のパスコースを見つけられなかった奈良は、自陣深い位置でタッチラインの外に蹴り出すしかなかった。結果的にこのプレーで与えた相手スローインから、上海上港の決勝ゴールは生まれている。

低い位置からでもパスをつないで攻撃を組み立てるのが、川崎の持ち味ではある。その意味で言えば、チョン・ソンリョンの狙いはまったく無茶なものだったわけではない。しかし、周りの選手とは考えが違っていた。その瞬間、川崎の選手たちは明らかに息が合っていなかった。

鬼木監督も「失点はアクシデント的なものであり、あまり気にしていない」としたうえで、こう続けた。

「あの(失点)シーンの前のボールのつなぎ方で、苦しいシーンになっている。そちらを改善しなくてはいけないと思う」

ドリブルと違い、パスはひとりではできない。パスワークを武器とする川崎が、選手同士のコンビネーションを高めようと考えるのは当然のことではある。

しかし今は、「息を合わせよう」とする過度な意識が、結果的に自分たちのプレーを窮屈なものにしてしまっているように見える。

連敗スタートというショッキングな響きほど、川崎の試合内容が悲観すべきものでないのは確かだ。だが、長いシーズンにおいては勝利が次へのモチベーションとなり、結果においても、内容においても好循環を生み出すことも、また事実である。

昨季J1王者といえども、多少なりとも不安を抱えて新しいシーズンを迎えているはず。悪循環に陥る前に早く1勝したいというのが、本音ではないだろうか。

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