ジブリ鈴木Pが語る、宮崎駿監督がどうしても作りたかった映画と原作者との深い縁【ターニャの映画愛でロードSHOW!!】

ジブリ鈴木Pが語る、宮崎駿監督がどうしても作りたかった映画と原作者との深い縁【ターニャの映画愛でロードSHOW!!】

  • ダ・ヴィンチニュース
  • 更新日:2018/01/13
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「ゲド戦記」 (c) 2006 Studio Ghibli・NDHDMT

■「親子の物語」は愛に溢れるばかりものではない……

こんにちはー、金曜ロードSHOW!プロデューサーのターニャです☆

突然ですが、親子の話、と聞いてどんなことをイメージしますか? 愛に溢れた関係、逆に憎しみや悲しみに彩られた物語、……全ての人が親と呼ばれる存在から生まれてくる以上、人の数だけ無数に物語が存在する、まさに普遍的なテーマですよね。なぜこんな話をするかというと、今週「金曜ロードSHOW!」でお届けする『ゲド戦記』は、宮崎駿監督と吾朗監督の親子の物語が成立の過程に色濃く刻まれた作品だからです。

■宮崎駿監督が熱望していた『ゲド戦記』

宮崎駿監督のいくつかの作品に大きな影響を受けたファンタジー小説、それがアーシュラ・K・ル=グウィンによる『ゲド戦記』シリーズです。実は、「風の谷のナウシカ」を作った前後の時期、ル=グウィン氏に映画化交渉をしたそうですが、断られたのだとか。それが、時を経て……あるときその後のスタジオジブリの作品を気に入ったのか、一旦断ったはずの先方から映画化の話が来たそうです。ただし、それは宮崎駿監督でということだったのですが、息子の吾朗さんが監督をすることでジブリ内の方針が決まり、原作者であるル=グウィン氏を説得すべく、交渉に臨むことになりました。宮崎駿監督も同席したその際のやり取りをジブリの鈴木敏夫プロデューサーが教えてくれました。

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鈴木敏夫プロデューサー

「……宮さん(宮崎駿監督)は説得のためにいろんなこと言いまくりましたね。『僕のいろんな作品は全部あなたの影響を受けてる!』って。あれはすごかった。……と同時に『これをやるには歳をとりすぎた。息子はやりたいと言っているけれど、自分がプロデューサーとして見守るから納得してくれないか?』って」その場ですぐに回答がもらえず、同じ日の夜に了承の返事が来た時、宮崎駿監督の喜びようはすごかったそうです。鈴木プロデューサー曰く、「うーん、息子孝行?(笑)ちょっと違いますよね……ゲドの時は喜びようが違ってた」

宮崎駿監督の作品への熱い想いが叶って、映画『ゲド戦記』が制作されることになったんですね……。

それにしても、宮崎駿監督をもってして「いろんな作品が影響を受けている」と言わしめる原作、すごいですね。日本では、「指輪物語」「ナルニア国物語」と並んで世界三大ファンタジーと称されることもある名作のなかの名作ファンタジーです。たしかに紐解いていくと、影響を受けたと思われる要素が出てきます。たとえば、宮崎駿監督の代表作品のひとつ、「千と千尋の神隠し」で、本当の名前を奪われる、それによって魔女が人を支配する、という設定が出てきますよね。これは、原作『ゲド戦記』でも出てくる設定です。名前の回復が自分を取り戻すことや魂の解放につながる、というテーマは、今回放送する『ゲド戦記』でも重要な要素として登場するので、お楽しみに!

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「ゲド戦記」 (c) 2006 Studio Ghibli・NDHDMT

■父親殺しの秘密

原作と違う点も当然ながら映画にはいくつもあります。中でも、要注目なのが主人公のアレンが王である父親を殺害してしまうという衝撃の冒頭シーンです。息子が父親を殺めてしまうという展開はびっくりさせられますし、息子の吾朗監督が父親の宮崎駿監督を……という暗喩!? と邪推もしたくなるというものですよね。事実、公開時のポスターにも「父さえいなければ、生きられると思った」というキャッチコピーまで書かれていて、意味深なものを感じてしまうのは、私だけではないはずです。気になるので、今回鈴木プロデューサーに直接伺いました。

「あれはね、単に作劇上の問題なんですよ。映画ってある種の“ケレンミ(外連味)”が必要。だけど、吾朗君ってそういう要素が少ない人だから。冒頭なんかもおとなしく始まってね。いきなりね、狂った王がいてね、お母さんがアレンをお父さんに見つからないように逃がすっていう、それがスタートだったんですよ」……なるほど。ストーリーテリングの上で、そうしたほうがいいと判断されたということなんですね。さらに鈴木プロデューサーは、具体的な展開まで提案したことを明かしてくれました。

「僕としてはね、映画なんだからもっと華やかにって言って。『どうするんですか?』っていうから、僕はいきなりね、そうだなーって言って。いい加減なプロデューサーとして竜の共食いとかどうかなってね、言っちゃうわけですよ。それと、どうせなら出てくるって時に、お母さんかばって逃がしてくれるんじゃ主人公として話にならない。お父さんを『ブスッ』っていうのはどうかなって。それを受け入れたっていうのがあれですね」あっけらかんと笑顔を交えてこう語ってくれた鈴木プロデューサー、さすがすぎますね。ということで、気になる父親殺しの真相は、のっけからお客さんをその世界にいきなり引っ張り込むために、という極めて戦略的な理由だったのです。

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「ゲド戦記」 (c) 2006 Studio Ghibli・NDHDMT

■心にしみわたる歌声

私ターニャ的に、もう一つ熱烈おススメポイントがあります。手嶌葵さんの歌う「テルーの唄」です。ウィスパー系の美声で感情豊かに歌い上げるこの曲は、謎の少女テルーが心情を歌に乗せて表現する名シーンで登場します。手嶌さん自身がテルーの声を演じていて、歌のシーンでの歌声はもちろん、手嶌さんによるもの。一度聴いたら耳から離れない、とっても印象的な曲ですので、憂いをたたえながらも、ほのかな希望も感じさせる素晴らしい歌詞とともに、ぜひ注目してください!

■放送中だけの特別企画も!

今回、特別企画「みんなで選ぶ!名シーンランキング」も放送中に実施します。『ゲド戦記』の名シーンの数々がみなさんの投票でランキング化されるというわくわくの企画です。データ放送か特設サイトでぜひご参加いただき、放送中は「お祭り気分」を感じて盛り上がっていただければと思います!

ということで、宮崎駿監督が映画化を念願した原作を、息子の吾朗監督が初監督し、大ヒットとなったスタジオジブリ作品、『ゲド戦記』をお楽しみください!

それでは皆様、心に残る忘れられない映画体験を☆

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「ゲド戦記」 (c) 2006 Studio Ghibli・NDHDMT

■放送スケジュール
日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」
1月12日 よる9時『ゲド戦記』(本編ノーカット)
1月19日 よる9時『ルパン三世 カリオストロの城』https://kinro.jointv.jp/

文=citrus日テレ『金曜ロードSHOW!』プロデューサー ターニャ

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