てんきち母ちゃんがナンバー1料理ブロガーになるまで

てんきち母ちゃんがナンバー1料理ブロガーになるまで

  • 文春オンライン
  • 更新日:2018/02/15

インスタやブログで人気をとる“料理上手さん”の中でも、料理研究家や料理ブロガーとして活躍できる天才たちは、ほんの一握り。「てんきち母ちゃん」として発信中の井上かなえさんはライブドアブログ料理カテゴリーで1位の読者を持ち、出版されたレシピ本はすでに15冊! 料理ブロガーとして認められるには、どうすればいいの? と、聞きながら、今年ブレイクの予感がするレシピを教えてもらった。

◆◆◆

子どものころから食べ物への執着がすごくて

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『てんきち母ちゃんの あるものだけで 10分作りおき』(井上かなえ 著)

――料理ブロガーとして長く活躍されていますが、もともと、お料理は好きだったんですか?

てんきち母ちゃん(以下てんきち母) いえ、お料理を本格的に始めたのは実は結婚してからなんです。でも、食への興味は赤ちゃんの頃からすごかったらしくて(笑)。

――赤ちゃんの頃から?

てんきち母 母の話によると、まだよちよち歩きの頃、勝手にテーブルの上によじ登って大人用の辛い漬物をわしづかみにして頬張っていて、度肝を抜かれたそうです。とにかく食べ物への執着がすごくて、今でも子どものころにあんなの食べた、こんなの食べた、誰々が作ってくれたあの料理が好きだったなど、かなり詳細に思い出しては家族をびっくりさせています。

自分で実験的にいろいろ作るのも好きで、小学生の頃は学校の家庭科クラブにも入っていたのですが、子どものころはどちらかというとお菓子ばかり作っていました。

―――ご結婚されてから料理を始めて、すぐ、うまくできました?

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©文藝春秋

てんきち母 ほとんど何も料理ができないままで結婚したので、最初はすべてが実験でした。

でも毎日自由に好きな食材を買ってきて、それを自分の好きなように料理できるっていうのが本当に楽しかった! たま~に適当にイメージだけで作って失敗することもありましたが、オットは何も言わず食べてくれていました。実は、オットは結婚後10キロ以上痩せたので、当時は義母にだいぶ心配されました。「まさか、鬼嫁に……??と」(笑)。

本当は独身の頃は一人暮らしでめちゃくちゃだった食生活が、結婚後に健康的でバランスよくなり自然に痩せただけなんですが(笑)。

スタートはクックパッド

――2005年に料理ブログを始められたんですよね? かなり早いですよね。

てんきち母 育児休暇中に(次女が1歳になる直前くらい)、たまたまクックパッドを知り、これは面白そう! と早速登録したんです。「自分が撮った料理写真付きで自分のレシピをネットに載せられる」というのが面白くて、それまで地道にノートに書くしかなかった自分のレシピを、パソコンの向こうの見知らぬどなたかが観てくださったり、さらには参考にして作ってくださるのが楽しくて大ハマりしました。

――クックパッドは前身が1998年に始まっていたそうですが、最初はクックパッドの1ユーザーだったんですね。

てんきち母 はい。投稿するうちに、興味を持っていただくためには、まずは写真が美味しそうじゃないとダメなんだと気づいたり、料理の背景にあるエピソードとかわたし自身についてももっと書いたほうがいいのかもとか、思い始め……。当時は「てんきちの母ちゃん」という名前で1ユーザーとしてクックパッドを利用していたんですが、いろんな料理コンテストに応募したりして賞を頂いたりしているうちに、そのころちょうど流行り始めた「ブログ」というツールを知り、クックパッドを卒業してブログに移ったのです。もともと文章を書くのが好きだったので、レシピだけでなく、育児日記も入れて。これは遠くに住んでいる母や妹への近況報告としての意味もありました。

今ではブログをきっかけとして大好きな料理が仕事となり、レシピ本を出版させていただいたり、クックパッドの本社キッチンスタジオで、仕事として企業さんの商材などを使って料理を作らせていただいたりしているので、そう考えると面白い人生だな~と思います。

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©文藝春秋

おもろいかどうか? 最初の認定者はてんきちくん

―――ブログを始められた頃は、まだお子さんたちも小さかったですね?

てんきち母 そうですね。長男てんきちは小学生でしたが、「これはよく書けた! おもろい!」とわたしが自分で気に入った記事(主に子どもたち3人のことを面白おかしく冷静に観察した日記)は、「どうや? おもろいやろ?」みたいな感じで(笑)読ませていました。

わたしも長男も読書好きで、小説などは共有して読んでいるのですが、その長男が喜んで読んでくれるときは、認めて貰えた! とちょっと嬉しかったものです。

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©文藝春秋

――お嬢さんたちはもっと小さかったんですね。

てんきち母 小さいころから、家の本棚に並んでいる初期のレシピ本(『てんきち母ちゃんちの毎日ごはん』1~3)をみていたので、そこに載っている自分たちの昔のエピソードを読み、母さんがどんな文章を書くのか知っていたとは思います。

今では、長女は高校生、次女も中学生になり、母さんのブログをお友達登録しているので、更新のたびに自分のスマホでチェックしているようです(笑)。

特に長女なーさんは、暇なときに自分のカテゴリーの記事を小さいころのものから順に読んでいるそうで、こないだも1人で大爆笑していました(自分が小学生のころの話で、町内にある図書館にさえ1人で行けないくらい方向音痴の心配性だっていう内容)。

――小学生だったてんきちくんも今年は大学を卒業ですよね。そんな長い間にわたって、人気ブログを続けてこられる秘訣は何なのでしょう?

てんきち母 そうですね。一時、ブログの目的を見失っていたことがあり、それが自分の中でちょっともやもやした時期でした。自分の料理が、家族のためではなく、ブログのための料理になってしまっていたのです。「見てくれの良い料理じゃなくても、品数が少なくても、家族のために作った料理を正直に載せなければ、それは嘘だな」と気づいて、軌道修正しました。

また、誰も傷つかない文章を書くのも結構大変です。初めのころは手探りで、これほどまでにいろんな人が読んでいるとも意識せずに書いていたので、たくさん失敗もしました。コメント欄でいっぱい怒られましたし、今でいう「炎上」もしました。

それ以来、いろんな角度から読んで、もしかしたらこの書き方はどこかの誰かを傷つけてしまうかもしれないというものは絶対に書かないように気を付けています。たまに、それでも愚痴りたくなるときは、それを自虐ネタにして記事にし、すっきりしています(笑)。

嬉しかったことは「関ジャニの番組に呼んでもらえた」こと

――逆にブログを続けていらっしゃる中で一番、嬉しかったことは?

てんきち母 関ジャニの番組に呼んでもらえたことかな(笑)。あとでオンエアをみたら、だいぶニヤついていて自分にドン引きしました。はずかしい!

――2018年、これが来るかなと思う食べ物とか料理ってありますか?

てんきち母 個人的に注目している食材は、実山椒や山椒の葉、花椒(ホアジャオ)などですね。わたしは6月ごろに1年分の実山椒を茹でて冷凍保存したり醤油煮、オイル漬け、醤油漬けなどにしてしまうんですが、もっと市販の使いやすい実山椒が安く商品として出回るといいなと。今もあるにはあるけどちょっとお高いので。花椒はスパイスとして調味料コーナーにも売っているので、もっと流行るといいなぁと思います。

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――気になってる調理法などは何かありますか?

てんきち母 そろそろ低温調理かな。10年前にアメリカではじめて知った低温調理ですが、レストランなどではポピュラーな調理法として日本でも定着してきました。しかしまだ家庭ではなかなか温度管理が難しくて失敗しがち。低温調理器具を新たに買うのはちょっと置き場所も考えないといけないのでなかなか買わないかもしれないですが、例えば70度で温度を維持してくれる一石二鳥な炊飯器などができれば絶対買う気がする(笑)。

いずれにしても、料理はますます健康志向になるのかなと思います。ジャンクで不健康なお料理は、いくらその時はおいしく感じたとしても、もう若い人も食べなくなってきています。新鮮でおいしく信頼できる素材を選ぶことや、それをシンプルに調理して食べる。そういうのがどんどん当たり前になっていくと思います。

――今回、『あるものだけで 10分作りおき』を出されたそうですが、そのおすすめポイントやレシピを教えてください。

てんきち母 今まで「作りおき」にいいイメージがなかった方にこそ、手に取ってほしい本です。特に2章の「変身作りおき」は、これが冷蔵庫に入っているだけで心に平安が訪れます。忙しい現代人の食生活をサポートしてくれる、これからの常識になるかもしれません。今、ちょっと大袈裟に言いました、すみません(笑)。

まず、作ってみてほしいのは、1章から「手羽元のエスニック煮」「豚バラとニラのピリ辛春雨炒め」「中華っぽいおから煮」。2章から「鶏むね肉のしっとりソテー」「ゆで鶏」「塩そぼろ」。3章から「大根のニンニク醤油漬け」「白菜の塩ツナ煮」「千切りジャガイモのきんぴら」。あたりでしょうか。たくさんありすぎてすみません!

低温でヘルシーが今年のブームとなりそう。おススメのレシピ紹介

『あるものだけで 10分作りおき』から、いろいろに使える「ゆで鶏」と、注目の花椒パウダーを使った「ゆで鶏の花椒だれ添え」を紹介します!

ゆで鶏

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基本のゆで鶏 ©文藝春秋

(日持ちの目安)冷蔵:5日間、冷凍:2週間

材料(4人分)

・鶏むね肉…2枚(1枚330~350gくらいのもの)
・水…800cc
・塩…小さじ2
・酒…大さじ2

作り方

1.鶏肉は皮を取り除き、余分な脂肪を切り取る。室温で15分おく。
2.鍋に分量の水を入れて火にかける。沸騰したら塩と酒を加える。
3.1の鶏肉を2に入れ、30秒ほど中火でゆでてふたをして火を止める。そのまま1時間ゆで汁の中でゆっくり冷ます。

*肉とゆで汁は別々に保存してください。

*鶏肉のゆで汁は、水で伸ばしてお好きな野菜を入れればスープになります。また、炊き込みご飯を炊く時のお出汁としても使えます。麺類を食べるときのスープのベースなどにも使えます。

~ゆで鶏を使って~ ゆで鶏の花椒だれ添え

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ゆで鶏の花椒だれ添え ©文藝春秋

材料(2人分)

・ゆで鶏…1枚
・A
花椒パウダー…小さじ1
砂糖…大さじ1/2
しょうゆ…大さじ1
オイスターソース…小さじ1
米酢…大さじ1/2
にんにく(みじん切り)…1/2片分
生姜(みじん切り)…1/2片分
長ねぎ(みじん切り)…5センチ分
バターピーナッツ(粗みじん切り)…大さじ1/2
白ごま…大さじ1/2

作り方

1.Aのたれの材料を混ぜ合わせる。
2.ゆで鶏を薄く切り分け、皿に盛りつけて、たれをかける。

―――

プロフィール

井上かなえ

人気料理ブロガー。2005年にスタートした子どもたちとの日常と日々の晩ごはんを綴ったブログ『母ちゃんちの晩御飯とどたばた日記』はアクセス数1日12万件を誇り、「レシピブログ」のブロガーランキングでは殿堂入りするほどの人気。現在は、夫、てんきち(大学生)、なーさん(高校生)、すぅさん(中学生)と犬のメイの6人家族。雑誌、TV、食品メーカーのレシピ考案などでも活躍中。『てんきち母ちゃんの 朝10分、あるものだけでほめられ弁当』『てんきち母ちゃんの 夜10分、あるものだけでおつまみごはん』(共に文藝春秋刊)は累計10万部を超えるベストセラーに。

(「文春オンライン」編集部)

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