「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」石原さとみの華麗なファッションにもちゃんと意味がある

「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」石原さとみの華麗なファッションにもちゃんと意味がある

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  • 更新日:2016/10/19

「校閲」という出版の世界に近いテーマを選んだせいか、おじさん雑誌やウェブメディア界隈がやけに騒がしかった『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』。第2話も視聴率は二桁をキープしており、題材の“地味”さに比べれば大健闘していると思う。

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先週の記事でも触れたとおり、このドラマの最大の魅力は主演の石原さとみだ。どうしようもなくコケティッシュなんだけど、それに振り回されることなく、しっかりとドラマの役を演じきっている。

先週の記事では『シン・ゴジラ』のカヨコ・アン・パターソン役を経て、荒唐無稽なフォースを身につけることができたと書いたが、そういえば『下妻物語』でロリータ役を演じた直後にドラマ『富豪刑事』を演じきってしまった同じ事務所の先輩・深田恭子と重なる部分がある。石原さとみのほうがキャリアが上の分(深田恭子が『下妻物語』に出たのは22歳、石原さとみが『シン・ゴジラ』に出たのは29歳)、フォースの出し入れに長けていると思う。

冒頭の合コンシーンでは、あからさまな萌え袖かつ声を高めにチューニング。ふくらませた頬を指で突く「ぷぅ」ポーズなんて、最近は清野とおるのマンガでしか見ない。「バカなんだもん」と言う低い声との落差がエグい。

さて、第1話で非常に地味でシビアな校閲という仕事を難なくこなした主人公の河野悦子だが、カヨコのように無敵で強気というキャラクターではないことが判明したのが第2話だった。「校閲なんて」と吐き捨てていた悦子に静かに怒りを燃やしていた校閲経験者も多かったと思うが、第2話では彼女の幼い部分、未成熟な部分にスポットが当たっている。一言でいえば、校閲らしからぬドデカいヘマをやらかしてしまうのだ。

無敵の河野悦子が大反省!

今回、悦子が校閲を担当したのは、人気ブロガーの主婦・亜季(ともさかりえ)が初めて出版するブログ本。あからさまにやる気のない編集者・貝塚(青木崇高)に対して、悦子がブチ切れて啖呵を切る。

「私はその本、売れると思ってるから。やる気のない編集者に代わって、私が売れる本にしてあげるから、アンタは黙って見てて!」

著者との顔合わせで増ページをカジュアルに提案する悦子。校閲部長の椎茸原(岸谷五朗)が言うように、「すっかり編集者気取り」だ。もともと女性誌の編集者を熱望していた悦子が浮かれてしまうのも無理はないのかもしれない。

「校閲とは本づくりを影で支える存在です。関わるのは文字であって作家や内容ではありません。あなたのように作家と直接会うべきではないし、ましてや編集者のように内容に口を挟み、新たなアイデアを出すなんてもってのほかです。校閲は内容には干渉しない。これは基本中の基本です」

校閲部の先輩・藤岩りおん(江口のりこ)の言葉にも、悦子はまったく耳を貸さない。挙句の果てに自分のアイデアで付録をつけさせようとするのだから、越権行為もはなはだしい。というか、再校まで出ている段階で新しく付録をつけようだなんて常識的に無理。それでも実現しちゃうんだから、逆に言えば貝塚はよっぽど余裕のあるスケジュールと予算で進行していたのだろう。有能じゃん。まぁ、カバーデザインがありえないほどヒドイのは、貝塚のやる気のなさの表れなのかもしれない。

結局ギリギリの進行になるのだが、ギリギリゆえに失敗が起こる。カバーに入れた付録のタイトルに誤植があったのだ。このシーンで血の気がひいた出版関係者は少なくないはず。

誤植をチェックするはずの校閲部が誤植をしてしまっては無意味どころか害悪だ。各方面にお詫びをする茸原部長と悦子。誤植のあるカバーにはシールを貼って対応することになった。徹夜で初版5000部の本にシールを貼るわけだが、文句一つ言わずに手伝う校閲部の人たちの優しさったらない。

「校閲部って、地味で暗くて、自分以外のことなんか気にもしてないような人の集まりだと思っていたんだけど、私の思い違いだった。大反省だよ」

手痛い失敗を経験し、傲慢だった悦子が大いに反省しているのが第2話のポイントだ。注目なのは、誤植について反省しているのではなく(たぶん、その反省はとうに済ませている)、校閲部に対する自分の思い違いについて反省をしているというところ。今後、この反省がどのように悦子の成長につながっていくかがドラマの見どころになるはずだ。

先週の『週刊新潮』は、新潮社校閲部長の「石原さとみさんが演じている女性は落ち着きにかけるし、編集者になりたいと公言しているので、うちの校閲職では採らないと思います」などという発言を載せていた。たしかに、こんなイージーな大失敗をやらかす新人は不要かもしれない。だが、一人の女性が仕事を通して失敗したり成長したりする話なんだと思えば、週刊誌やニュースサイトの批判が的外れだということがよくわかるだろう。

失敗してもヘコみっぱなしではない悦子のファッション

石原さとみ演じる悦子のファッションはドラマの見どころの一つだが、彼女の服装を注意深く見ているといろいろなことがわかる。

たとえば、朝、出社して誤植が発覚したときは黄色のトップスを着ているが、同じ服のまま会議で頭を下げ、印刷所でシール貼り作業を行い、朝を迎える。誤植発覚からシール貼り作業まで、1日の出来事だったということがよくわかるのだ。ところで、悦子は朝まで頭に巻いたスカーフを外さなかったのだが、作業中は邪魔じゃなかったんだろうか?

ファッションといえば、誤植が発覚した翌日はちゃんとモノトーンのコーディネートで反省を示しているところも芸が細かい。ただし、地味一辺倒になるわけではないのが河野悦子らしいところ。

アウターとして着ているのは、Balcony and Bedのエコファーコンビジレ。右側にエコファー(合成繊維の毛皮)のついた特徴的なジレ(シャツとジャケットの間に着る袖のない中衣。ベストみたいなもの)だ。たとえば、不祥事を起こした芸能人が謝罪会見でこの服を着ていたら、「なんだ、あのフサフサしたのは!」とマスコミや視聴者から叩かれるだろう。ヘマをしてもヘコみっぱなしではない悦子の意地とメンタルの強さを感じるチョイスだ。

一筋縄でいかないところはボトムスにも現れている。このとき着ているのは、The Virgniaのレーススリットプリーツスカート。色はモノトーンだが、全体しっかりとレースがあしらわれたタイトスカートだ。裾の部分の波状の形もエレガント。

The Virgniaのブランドコンセプトを見ると、「時を経て様々な経験を積み、自分の価値を高めながら生きる」とある。なるほど、校閲部で失敗を重ねながら成長する悦子の生き方に合わせて服を選んでいるのかもしれない。また、この服装のおかげで、モデルをしている幸人(菅田将暉)に「オシャレ」と言われてファッションショーに誘われるのだから、ストーリーにも役に立っている。

ちなみに、誤植が発覚した日に着ていた黄色のトップスは、MystradaのVニット。Mystradaのブランドコンセプトは「私の道」である(英語の「My」とイタリア語の「strada」の組み合わせ)。サイトには「自分らしさを見つけた女性が、思い描いた道をさらに進んでいくため」の服とあり、それまでの悦子がいかにイケイケだったかがわかる。悦子のファッションを調べてみるのも『校閲ガール』の楽しみ方の一つだろう。

さて、本日放送の第3話では、超絶地味だった藤岩さんが華麗に変身!? 第2話を見逃した方は「日テレ無料TADA!」で配信中です。
(大山くまお)

参考→「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」の原作を絶対読むべき理由

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