「スポーツクラブの主婦派閥がコワい」!? 濡れ落ち葉化する“定年女子”

「スポーツクラブの主婦派閥がコワい」!? 濡れ落ち葉化する“定年女子”

  • AERA dot.
  • 更新日:2018/01/12
No image

定年したシングル女性のなかには「何をしたらいいのか、わからない」とぼやいている人も…(※写真はイメージ)

人生の岐路で戸惑いながらも時代の先端を走り続けてきた働く女性たちが、いま「定年」を迎えつつある。ロールモデルなき時代のステージに待ち受けるものとは。

【調査結果】定年退職後に再就職した60代に聞いた!「再就職先の探し方は?」

脱兎のごとく駆け出し、会社を後にした。それが、30年以上勤めた広告会社を定年退職した女性(64)の最後のひとコマだった。

「事前に用意していた挨拶メールを夕方5時にクリック。7時に部の仲間が送別会を設定してくれていたので、片付けをしてあとはそこに向かうだけ。そう思っていたら、色々な人に声をかけられて、わぁ~遅刻しちゃう、と走って去ったのが会社の最後となりました」(女性)

テレビドラマで見られるような“花束贈呈ののち挨拶、そして見送られて”といったようなシーンとはかけ離れている。しかし「かえって良かった」と女性は言う。

入社したころは広告業界が最も華やいでいた時代だった。緑色の髪や紫色の背広を着たクリエイターたちに、当初はカルチャーショックを覚えたが、遊び心のある仕事は楽しかった。しかし2000年代以降、メディア不況などによって職場は世知辛くなり、人間関係も希薄に。仕事仲間や取引先、仕事そのものへの愛着はあるが、社員を大事にしない会社に対してはいい感情を抱けなくなった。

「定年が視野に入ったとき、石にかじりついてでも勤めあげようと思いましたが、その後はきっぱり辞める。最後の日は、人知れず去りたいと思いました」

実用書の出版社に勤め、16年、定年を迎えた女性(61)も、最後の日に特別の感慨はないという。

「定年を迎えた日も、その翌日も同じ席に座り、同じ仕事をこなし、何も変わりませんでした。唯一変わったことといえば、立場が嘱託社員になり、給料が大幅に減ったことです」

ところが定年後、仕事の量が増えた。

「給料が少なくなっているのにどういうことか……」とモヤモヤしたが、人事部の配慮があったのか、比較的楽な現在の部署に異動になった。

「仕事は楽しいわけでも、達成感があるわけでもありません。でも、時給千円の新しい仕事を始めるよりは慣れている仕事のほうが楽かなと思って」

嘱託は1年契約で65歳まで。しかし定年の70歳延長などが取り沙汰されている昨今、

「自分がいったい何歳まで働くことになるのか。いまは見当がつきません」

そう女性は苦笑する。

定年の情景が変わりつつある。雇用延長によって「定年のボーダー」が見えにくくなっている。加えて、男女雇用機会均等法の施行以降に入社した女性たちが50代に入り、今後「定年女性」が増えていくと見られている。現在は年間約10万人。第一生命経済研究所の的場康子さん(50)は定年人口が男性に比べ少ない理由を次のように説明する。

「いま定年を迎えている女性はシングル率が高いのが特徴です。女性は結婚や出産などで就業中断や転職を繰り返し、定年退職が適用されない雇用形態で働いていたり、定年制度のない小規模な企業に勤めていたりするケースが多いためと考えられます」

同研究所の調査では定年後の再就職について、男性の7割近くが時間をかけずに勤務先による紹介などでスムーズに決めているのに対し、女性はハローワークやインターネットなどを使い、自力で探しているケースが多いことが明らかになった。

「男性に比べ女性は、定年後のバックアップ体制が十分整えられていない現状が浮き彫りになりました。これからの課題です」(的場さん)

定年後というと、「濡れ落ち葉」の言葉に象徴されるような、生きがいを見いだせず鬱々と過ごす姿がひとつの定型として浮かぶ。これは男性に特有のものなのか。冒頭の女性は、趣味の伝統芸能の活動にいそしみ、週に3日はかつての仕事仲間とランチ。定年後の生活を楽しんでいる。女性は言う。

「男性も女性も同じです。シングル女性の定年仲間のなかには『何をしたらいいのか、わからない』と始終ぼやいている人もいます。スポーツクラブに通いたくても、主婦の人たちの派閥ができていて入れない、と言います。会って話すのは、古き良き時代の仕事の栄光話。おじさんたちと変わりません」

(編集部・石田かおる)

※AERA 2018年1月15日号より抜粋

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

コラム総合カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
男性は女性の「年齢」、女性は男性の「年収」で相手を選ぶな
約束の時間を守る人と守らない人 対照的なケースをすっきりと比べた漫画が話題に
医者もやってるインフル対策が水を飲むだけで「簡単すぎ」と話題
障がい者女性が「風俗」で働くことを選んだ意外な理由
顔は天使なのに属性が「闇」過ぎるロシアの美少女サラちゃん
  • このエントリーをはてなブックマークに追加