『海街』是枝裕和監督が「当たる要素がてんこ盛り」と批判した『君の名は。』、大ヒットのキーワードは「結び」!?

『海街』是枝裕和監督が「当たる要素がてんこ盛り」と批判した『君の名は。』、大ヒットのキーワードは「結び」!?

  • おたぽる
  • 更新日:2016/11/29
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日本中で社会現象を巻き起こしている『君の名は。』。観客動員数は1,498万人を超え、興行収入は194億円を突破し、宮崎駿監督のアニメ映画『もののけ姫』(97年)の193億円を抜いて邦画歴代興行収入3位に入るなど、異例のヒットを続けている。200億円超えも確実だろう。

しかし、この状況に、『そして父になる』(13年)や『海街diary』(15年)など数々のヒット作を手掛ける是枝裕和監督は、「現代プレミアム」のインタビューで、「良くも悪くも、日本映画は国内のマーケットだけで投資を回収できる可能性があるため、企画が国内で受けるものに特化してくる」と日本映画界へ危機感を顕わにしている。さらに、「『君の名は。』は、当たる要素がてんこ盛り。これ限らず、女子高生とタイムスリップという題材からはそろそろ離れないといけない」と苦言を呈し、ネット上で話題になっている。

そんな中、28日に放送された『クローズアップ現代+』(NHK)では、『君の名は。』を特集。驚異の大ヒットを続けている理由について、関係者へのインタビューやデータ分析、さらには独自の試写会を開いて、5つの仮説を立てながら検証した。

日本人の8人に1人が劇場に足を運んだ計算になるという同作。新海誠監督は、10代・20代の人に見て欲しくて作ったというが、公開から1カ月が過ぎると、親世代からの口コミが増えるようになったとか。映画の鑑賞者の年代別構成比を見ても、公開1週間後は、10代20代が7割を占めていたものは、公開から14週が経った現在は、30代以上の中高年が49.3%とおよそ半数を占めている。

若者向けに作られたこの映画がなぜ、中高年の心を捉えたのか。番組では、その理由として背景などの「リアルさ」、宮崎駿監督に認められ、『千と千尋の神隠し』も手掛けた安藤雅司氏という「作画監督」、総カット数はおよそ1,650、1カット平均3.9秒という視聴者の注意をひきつける「スピード感」、“夢の中で出会う”“男女が入れ替わる”といった「日本伝統のモチーフ」といったキーワードを挙げつつも、「映画のヒットにはまだ何か理由があるのでは?」と、映画を観ていない男女53人を招いて独自の試写会を開催。

上映後のインタビューによれば、53人中36人が、過去に自分が経験した出会いや別れを思い出したという。そのキッカケとなったキーワードが「結び」という言葉。映画では、2人の主人公・瀧と三葉を結びつけるものとして“組紐”が登場するが、これが運命の赤い糸を連想させ、過去の出会いの記憶を呼び覚まし、視聴者の心を揺さぶったのではと、映画のヒットの理由を導き出した。

これについて、番組出演者で世界的ギタリストのマーティ・フリードマンは、「とても日本的なコンセプトですね」とコメント。「日本では海外と違って年配の人を尊敬する。この映画は10代・20代をターゲットにしていたけど、一番大事なセリフは三葉のおばあさんが言うんですよ。それも大事ですし、日本人は漢字をすごく大切にする。いろんな使い方があるし、人による意味も違うし、『結び』というコンセプトは、年を超えてそれぞれ共感するポイントがあるので、年齢関係なくみんな楽しめるんだと思います」と独自の視点から分析した。

視聴者からは、「誰よりも日本のことを、日本人のことをわかっているマーティ、素晴らしい」という声や、「すげぇ! 流石NHK。腑に落ちる」「良かったのが、上の世代が映画の意図を飛び越えたところに感想を持ってたこと」「観に行っておいた方がいいんだろうか?」などと、まだ映画を観ていない人も、番組をキッカケに興味が沸いたようす。

驚異的なヒットにより、是枝監督が未来を嘆くほど、日本映画界に大きな影響を与えた『君の名は。』は、世界92の国と地域で配給が決まり、すでに公開中の台湾や香港、タイでは興行ランキング1位を獲得するなど、海外からも高い注目を集めている。そのぶん、次回作へのハードルは高くなるばかりだが、新海監督は今作と同じように「思春期にいる少年、少女を扱うことになる。3年以内に東宝で新しい作品を作りたい」と明かしているだけに、次回作も楽しみに待ちたい。

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