トランプの差別主義的暴言は米国民の本音ゆえ熱狂...農家間で家畜&家電の盗難が多発?

トランプの差別主義的暴言は米国民の本音ゆえ熱狂…農家間で家畜&家電の盗難が多発?

  • Business Journal
  • 更新日:2016/10/20
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民主党候補のヒラリー・クリントン氏と共和党候補のドナルド・トランプ氏の一騎討ちとなっている、アメリカ大統領選挙。10月9日には2回目のテレビ討論会が終了、11月8日の投票日に向けて熾烈な争いが繰り広げられている。

今回の大統領選は「史上最も嫌われている候補同士の戦い」ともいわれているが、支持率が均衡するなど、そのゆくえは予断を許さない状況だ。

9月に『最強の日本経済が世界を牽引する』(KADOKAWA)を上梓した国際エコノミストの長谷川慶太郎氏は、アメリカ国民の本音について、当サイトの取材に答えて次のように語っている。

「アメリカの農民には共和党支持者が多い。彼らの望みは至ってシンプルだ。『税金を減らしてほしい』『国内の農家を援助してほしい』『公共事業をちゃんとやってほしい』『“世界の警察官”なんか辞めてほしい』『外国のためにお金を使わないでほしい』……。つまり、『自国が大変な状態なのに、理想ばかり掲げて重い負担を担っている場合か』ということである」

今回の大統領選で注目されているのが、「アメリカ・ファースト」「自国第一主義」を打ち出しているトランプ氏だ。政治経験がなく、当初は泡沫候補と見られていたトランプ氏は、なぜこれほどの支持を集めているのだろうか。

「トランプが掲げる『強いアメリカ』というのは、『世界の秩序を守るための強さ』ではなく『自国そのものの強さ』、つまり『内向きの強さ』である。だからこそ、トランプは意外なほどの支持を集めているわけだ。

知識層や都市部の“自称リベラル”からは『差別主義者だ』『暴言や妄言が多すぎる』などという批判を受けているが、それでも支持されているのは、アメリカ国内に不満がくすぶっているからだ。バラク・オバマ政権下で、メキシコからの不法移民やイスラム国(IS)などテロ組織の脅威が増し、もはや手がつけられない状態になりつつある。それに対して、アメリカ国民の負の感情は爆発寸前であり、トランプの発言はそうした国民感情をうまく突いているといえる。

オバマ大統領が訴えた『チェンジ』は、選挙の時点では大多数の国民に受け入れられたが、すでに有権者が抱えていた不満や内向き志向は、この8年でますます強まった。このアメリカ史上初のアフリカ系大統領が掲げた理想は、政策上はほとんど実現が叶わなかったからだ」(長谷川氏)

これが、今のアメリカ人、特に農業や建設業、製造業に従事する白人たちの本音だという。また、長谷川氏は、オバマ大統領誕生前に現地取材で見た風景について、以下のように語る。

●アメリカの農家では夜逃げが日常茶飯事?

「資源が豊富なコロラド州の、ある農家を訪ねた時のこと。その農家は、380エーカー(約154万平方メートル)の広大な農地を持っていたが、年収はわずか8000ドル(約80万円)という低さだった。また、そのわりには設備投資などに多額のお金をかけているので、農家の経営はどこも苦しい。そのため、そうした農民たちは『外国人にお金を使わず、国内に目を向けてくれ』というわけだ」(同)

また、アメリカの農家で日常茶飯事なのが、いわゆる夜逃げだという。

「私が訪れた農家のリビングには、大きなテレビが2台もあった。聞くと、『1台は買ったが、もう1台は夜逃げした近所の家から持ってきたものだ』という。アメリカの農民は、経営に行き詰まると車に積める限りのものを積んで、夜中のうちに逃げてしまう。その農民は、『夜逃げがあると、すぐにわかる。朝になっても水や餌をもらえない家畜が騒ぎだすから』と言っていたよ。

もちろん、近隣の農家にもすぐに伝わる。そして、彼らは、残された家畜はもちろん、電化製品や家具、食器、ガラスや床板まで持ち去っていくのだ。先ほどのテレビも、そうした“収穫”のひとつというわけだ。債権者である銀行は最後の最後にやってくるが、その頃にはすっからかんで屋根と柱だけ……ということも珍しくない。

また、当時、州政府の役人のデスクには、『農地をシェールガス掘削の試掘のため貸し出したい』という農家からの申請書が2メートル近くも積み上げられていた。100エーカーの土地を国に貸し出すと、年間5000ドルの賃貸料が支払われる。たった50万円ほどだが、年収80万円の農家にとっては大きな収入といえるだろう」(同)

●トランプの暴言が代弁した米国民の本音

大統領選のゆくえに伴って、オバマ政権下で進められた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の批准についても注目が集まっている。現在、トランプ氏もヒラリー氏も、TPPについては反対を表明しているからだ。特にトランプ氏はいち早く離脱の意思を表明して支持を集めた。

「もともと、アメリカは土地が安い。また、国土の60%以上は国有地であり、その多くが牧場になっている。オバマ大統領の就任以降、穀物相場は上昇し続け、今年に入ってからは一段落しているようだが、農家の経営状況は苦しいながらも好転しつつある。国有地の払い下げが進み、牧羊地を農地に転用すれば、その分収入が増える状況も生まれた。そんななかで、農家がTPPを含むリベラル派の改革を望まないのは当然だろう。

農業、建設業、製造業など、アメリカの伝統的産業に従事する白人たちの『言いにくかった本音』を、トランプは『暴言』というかたちで代弁した。それが、トランプの大躍進につながった。これが、アメリカの現実である」(同)

また、アメリカでは、政権交代が行われると行政担当者が一斉に交代することが知られている。オバマ政権とはガラリと体制が変わることで、政策が一変するリスクはないのだろうか。

「日本でいえば、省庁の局長クラス以上が総入れ替えとなるようなものだ。しかし、必ずしも政策が激変するわけではないところが、アメリカという国の政治的な特徴である。

大統領がトランプになろうがヒラリーになろうが、あるいは政権が民主党であろうが共和党であろうが、『それによって政策が激変した』という例は皆無だ。共和党になったから戦争が始まる、あるいは民主党になったから争いが終わる、などということはあり得ない。

実際、高い理想を掲げ、高い支持率で就任したオバマ大統領の任務を見れば、それは明らかだろう。『核なき世界』を訴えてノーベル平和賞を受賞しながら、その公約の多くは理想通りの実現には至らなかった。

例えば、中東においては、ウサーマ・ビン・ラーディンを殺害したがISのテロは激化しており、医療保険制度改革の『オバマケア』は共和党の反対を押し切って実現にこぎつけたものの、医療関係者からも患者からも不満が噴出するなど、現実的には破綻している状況だ。

そうした背景を鑑みると、誰が大統領になっても、基本的にはオバマ路線をベースにした上で、徐々に新たな主張を打ち出していくものと思われる。そのため、日本としては、大統領選の結果に一喜一憂する必要はないのである」(同)

実際、トランプ氏も一時の過激な主張は鳴りを潜め、現実路線に修正しているふしも見られる。いずれにせよ、結果的に現職の再選となった2012年と違い、今回は新たな指導者が誕生するとあって、大統領選は最後の盛り上がりを見せていきそうだ。
(文=編集部)

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