幻想的で美しいミクロの世界を顕微鏡で捉えた「Nikon’s Small World 2019」写真部門受賞作品が発表

幻想的で美しいミクロの世界を顕微鏡で捉えた「Nikon’s Small World 2019」写真部門受賞作品が発表

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  • 更新日:2019/10/24
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ミクロの世界を光学顕微鏡で撮影して写真のビジュアルを競い合うニコン主催のコンテスト「Small World」は2019年度大会で第45回目を迎えました。そんなSmall Worldの2019年度写真部門の結果が発表され、幻想的で美しいミクロの世界を捉えた入選作品が公開されています。

2019 Photomicrography Competition | Nikon’s Small World

https://www.nikonsmallworld.com/galleries/2019-photomicrography-competition

◆1位:蛍光カメの胚

2019年度の1位に輝いたのは、ウッズホール海洋生物学研究所発生学を学ぶTeresa ZgodaさんとTeresa Kuglerさんが実験顕微鏡を使用して撮影した「蛍光カメの胚」。撮影に用いられたカメの胚は1インチ(約2.5cm)以上の厚みがあり、5倍の倍率のレンズでは一度にごく一部しか撮影できなかったそうです。2人は何百枚も画像を撮影して、積み重ねてつなぎ合わせることで今回の画像を完成させたとのことです。

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◆2位:色分けされた単細胞淡水原生動物

アメリカの非営利医学研究機関のハワード・ヒューズ医学研究所に所属するIgor Siwanowicz博士による単細胞淡水原生動物の写真が2位にランクイン。この写真は深度によって色分けされており、原生動物の内部に位置する器官は青・赤に色がつけられています。外殻部分も深度によってオレンジや黄色のグラデーションになっていることがわかります。撮影に使われたレンズの倍率は40倍とのことです。

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◆3位:神経と骨格を発達させつつあるワニの胚

3位はイェール大学のDaniel Smith ParedesさんとBhart-Anjan S. Bhullar博士が撮影した発生過程のワニの胚。このワニの胚は、蛍光色素を使用して細胞内の抗原・抗体の所在を調べる「蛍光抗体法」という手法が使われています。10倍の倍率のレンズで撮影された写真を見ると、繊維のように細かい神経が隅々まで映し出されており、口や手の神経密度が高いことがわかります。

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◆4位:オスの蚊

4位にはオスの蚊の写真がランクイン。撮影者はドイツ・ロストック大学のJan Rosenboomさん。6.3倍のレンズを使うと、蚊の触覚や複眼の1つ1つまで確認可能。なお、蚊はメスだけが人を刺して吸血し、オスは花の蜜を食べて生涯を過ごします。

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◆5位:雪の結晶

アメリカ・バーモント州の写真家Caleb Fosterさんが撮影した雪の結晶が5位を獲得。雪の結晶は平面方向に成長する際には、氷の結晶内では、1つの酸素原子に共有結合と水素結合で3つの水素分子がくっついています。そして、結晶は水素原子がくっついた3方向に大きくなり、綺麗な六角形を形成します。撮影に使用されたレンズの倍率は4倍とのことでした。

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◆6位:白蜘蛛

スペインのJavier Rupérezさんが撮影したクモの写真が6位にランクイン。クモは具体的な種までは不明で、「白い毛のクモ」とだけ表記されています。20倍のレンズを使用しており、複数の画像を重ね合わせて作成された1枚とのこと。

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◆7位:赤いカーネーションのおしべ

7位はスペインのGuillermo López López博士が撮影したカーネーションのおしべ。画面手前側に突き出たおしべが撮影されており、画面奥側には花弁がぼかされて状態で撮影されています。レンズの倍率は3倍でした。

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◆8位:凍結した水滴

光の波が中央に押し寄せていくかのような幻想的すぎる写真は、フランスのGarzon Christianさんが撮影した「凍結した水滴」。8倍の倍率のレンズを使ったそうです。

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◆9位:チューリップのつぼみの断面

ウクライナのAndrei Savitskyさんが撮影したのは、チューリップのつぼみの切断面。まだ開く前の花弁はくるくると巻かれており、内側に位置するおしべは切断面がまるで蝶のよう。倍率は1倍とのことでした。

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◆10位:分裂終期のウシ肺動脈内皮細胞

10位にランクインしたのは、アメリカ・テキサス州のベイラー医科大学に所属するJason M. Kirkさんが63倍という高倍率のレンズを使って撮影したミクロの世界。ウシ肺動脈内皮(BPAE)という細胞の細胞分裂最終段階のものとのことです。

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◆11位:染色されたショウジョウバエの卵巣

カンザス州立大学生物学部のYujun Chen博士とJocelyn McDonald博士が撮影したショウジョウバエの卵巣が11位。F-アクチンは黄色、核は緑、卵胞細胞は蛍光の赤色で色づけされているとのことで、開花を待つつぼみか昆虫の卵のように見えます。レンズの倍率は10倍。

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◆12位:蚊の幼虫

12位を獲得したのは、イギリスのAnne Algarさんが撮影した蚊の幼虫。4倍のレンズを使用した写真を重ね合わせているとのことで、細かい毛や透明な皮膚を通して内蔵がしっかり目視できる1枚です。

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◆13位:赤銅鉱の結晶

SFの世界から飛び出てきたかのような人工的な見た目のキューブが連結した物体は、スペインのEmilio Carabajal Márquez博士が撮影した赤銅鉱の結晶。20倍のレンズを用いて撮影されています。

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◆14位:メスのササグモ

ササグモ科の一種であるOxyopes dumontiの写真が14位でした。撮影者はフランスの国際農業研究局CIRADに所属するAntoine Franckさん。1倍の倍率のレンズで撮影されたもので、ササグモがのっている葉っぱも見てとれます。8つの目がこちらをにらみつけているようにもみえる写真です。

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◆15位:妊娠中のオオミジンコ

ポーランドの写真家Marek Miśさんが撮影したのは、妊娠中のミジンコ。ミジンコの背中側に蓄えられているのが卵になります。撮影に使用されたレンズは4倍とのことでした。

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◆16位:イエバエの複眼パターン

黒とオレンジのボールが並んでいるように見える写真は、イエバエの複眼パターンとのこと。50倍のレンズを使って撮影された写真は、ルーマニアのRazvan Cornel Constantin博士によるものです。

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◆17位:ビタミンC

17位にランクインしたのは、ドイツのKarl Deckartさんが撮影したビタミンCの写真。ビタミンCはコラーゲンの合成に関係した栄養素で、ビタミンCの欠乏が続くと正常にコラーゲンを合成できなくなり、壊血病になってしまいます。そんなビタミンCが羽毛のように見える1枚は、4倍の倍率のレンズを使って撮影されました。

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◆18位:石英にぶらさがっているクリストバライト結晶

タイのE. Billie Hughesさんが撮影したのは、石英中のクリストバライト(方珪石)と呼ばれる鉱物。マッシュルームの見た目をしたクリストバライトの結晶が空に浮かんでいるような1枚です。

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◆19位:タコの胚

オックスフォード大学のMartyna LukoseviciuteさんとCarrie Albertin博士が撮影したのは、カリフォルニア・ツースポットタコと呼ばれるタコの胚。幼体ながらもすでにタコらしい見た目をしており、8本の足が確認できます。5倍のレンズを使っているそうです。

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◆20位:マウスの心臓の血管

エッセン大学病院のSimon Merzさん、Lea Bornemannさん、Sebastian Korsteさん3名の共同作品は、心臓発作で死亡したマウスの心臓を包む血管の写真。撮影のために血管以外の組織は除去されているそうです。レンズは2倍でした。

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紹介した1位から20位までの受賞作品の他にも、公式ページでは「選外佳作(Honorable Mentions)」「入選(Images of Distinction)」として、多数の写真が公開されています。

2019 Photomicrography Competition | Nikon’s Small World

https://www.nikonsmallworld.com/galleries/2019-photomicrography-competition

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