“スーツ嫌い”に照準、「スーツ作業着」新ブランドの野望

“スーツ嫌い”に照準、「スーツ作業着」新ブランドの野望

  • MONEY PLUS
  • 更新日:2018/10/19

今年4月にファッション通販サイト「ロコンド」で本格販売を始めるやいなや、「スーツに見える作業着」としてインターネット上で大きな話題となった「ワークウェアスーツ(WWS)」。その販売元であるオアシススタイルウェアが10月17日、新たなブランドの立ち上げを発表しました。

「YZO(ワイゾー)」という名の新ブランドは、いったいどんな特徴を備えているのでしょうか。そして、WWSに加えて新たなブランドを立ち上げたオアシスは、どんな戦略を描いているのでしょうか。

機能性を維持しファッション性を向上

渋谷公園通りの坂道の中腹にある、ホテルの3階。真っ暗な廊下を進んだ奥の部屋で、その展示会は開かれていました。

「WWSの機能性はそのままに、ビジネスマン向けにファッション性を高め、ラインナップを増やし、普段着としても使ってもらえるものに仕上げました」

10月17日に開催された、新ブランド「YZO」ローンチ展示会。その席上、オアシスライフスタイルグループの関谷有三代表は、自身のファーストネームを冠した新ブランドについて、こうアピールしました。

今春の発売以降、ネット上で賛否両論を巻き起こし、バズワードとなった「スーツに見える作業着」。その特徴である、毎日洗濯機で洗える耐久性や、スポーツウェアのような伸縮性といった機能性は維持しつつ、Tシャツやスニーカーに合わせやすいデザインなど、ファッション性を加味したのがYZOというわけです。

価格は上下セットで5万~6万円

ジャケットは3タイプを用意。裏地に迷彩柄をあしらった「カモフラテーラードジャケット」(税抜き2万9,800円)、同じく蛍光色のパイピングを施した「カラーパイピングテーラードジャケット」(同2万7,800円)、胴体と袖が異なる配色の「バイカラーテーラードジャケット」(同3万4,800円)です。

パンツの裾は、リブタイプとストレートの2パターン展開。くるぶしが見えるアンクル丈で、カジュアルな場面でも合わせやすいデザインになっています。ジャケットとパンツの生地は、WWSよりもパリッとした質感になっている印象です。

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関谷代表(右)の一押しは「バイカラー」のジャケット

また、ジャケットの下に着るアイテムとして、シームテープポケットをあしらったTシャツを用意。コットンのような手触りでありながら、濡れても2時間で乾く速乾性を備えています。ポケットのテープは5色展開で、月曜から金曜の毎日、色違いで着られる配慮がなされています。

11月1日からオアシスの自社サイトで販売を始める予定。ジャケットとパンツのセットで価格は5万~6万円程度になります。WWSが上下セットで3万円だったので、2倍近い意欲的な価格設定になっています。

それでも、関谷代表は「アパレルメーカーの機能性スーツが注目されていますが、われわれは真逆のアプローチで、水道工事の服装をスーツにしました。スーツが起点のアパレルメーカーのものと比べて、機能性の目指すレベルが違います」と強気の構え。年商目標は1.5億円と、WWSの1億円を上回る計画を掲げます。

IT企業の30~40代がターゲット

YZOの開発がスタートしたのは、今年6月。春先に発売したWWSの購入者の約半数がホワイトカラーのビジネスマンだったことに着目したのがきっかけでした。

ターゲットに据えたのは、30~40代のビジネスマンで、普段は私服で働いているけれど、時にはパブリックな場でスーツを着ないといけない、IT企業やメディア系企業に勤めている人。関谷代表自身がクリエイティブディレクターに就任し、開発を進めました。

開発コンセプトは「だから、スーツは嫌いだ」。この背景には、関谷代表の苦い経験がありました。普段はTシャツなどの私服で仕事をしていますが、金融機関の担当者と話す時、そうした格好で出向くと露骨に嫌味を言われることがあったといいます。

「洋服は本来、ボーダーレスなもの。作業着を着ている人はブルーワーカー、という感覚は今の時代に合っていない。仕事もプライベートも、好きな用途に使える、楽な洋服があってもいい」。WWSは現場の作業員の声を聞いて作り上げましたが、YZOは関谷代表が来てみたい服を形にしていったそうです。

製品化するまでの期間は、わずか4ヵ月。WWSで培ったノウハウを総動員して、スピード感をもって開発しました。

年明けには第3のブランドも展開

ここで気になるのは、WWSとのすみ分けです。アパレル事業を担当するオアシススタイルウェアの中村有沙代表は、この点について、次のように説明します。

WWSはすでに、大手マンション管理会社の三菱地所コミュニティの管理人や、ラフォーレ原宿の施設管理スタッフなどのユニフォームに採用されています。こうした実績を踏まえ、WWSは作業着としての機能性をブラさず、法人向けに注力していくといいます。

一方、全購入者の5割に相当するビジネスマンがWWSを高機能スーツとして買っているという事実もあります。こうした層をYZOに引き込むことで、WWSの機能性は維持しつつ、ファッション性を高めていくことで、個人向けの需要を取り込んでいく方針です。

さらに年明けには、YZOよりもモード寄りに振り切った新ブランド「MNT」を展開する予定。セットアップのパンツがワイドパンツになるなど、さらにファッション的に尖らせていくようです。

2018年度上半期の売上高が目標の5倍超になるなど、作業着を起点に、驚異的なスピードで進化を続けているオアシスのアパレル事業。派生ブランドの第1弾となるYZOの成否が、今後の成長度合いを左右していきそうです。

(文:編集部 猪澤顕明)

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