日本の美!『KUBO』宮崎駿と黒澤明が根底にあるという表現手法とは?

日本の美!『KUBO』宮崎駿と黒澤明が根底にあるという表現手法とは?

  • シネマトゥデイ
  • 更新日:2017/11/17
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日本であって日本じゃない。けど日本が好きになる! 『KUBO/クボ』には不思議な魅力がある - (C)2016 TWO STRINGS, LLC. All Rights Reserved.

日本を舞台に一人の少年の冒険を描き、アカデミー賞にもノミネートされたアニメ『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(11月18日公開)。本作で長編監督デビューを果たしたトラヴィス・ナイトが、幼いころから抱き続けている日本への愛情と、手作りアニメへの思いを語った。

人形などを少しずつ動かして撮影し、連続再生で映像を生み出すストップモーションアニメ。監督は、この技法で『コララインとボタンの魔女 3D』『パラノーマン ブライス・ホローの謎』など、アカデミー賞ノミネート作品を生み出し続けるアニメスタジオ・ライカのCEOを務めている。

そんな彼が、『KUBO/クボ』を初監督作に選んだ理由。それは日本への深い愛だ。「初めて日本を訪問したのが35年前で、僕は8歳でした。とても美しく、別世界にいるようでしたね。建築、芸術、ファッション、音楽、食べ物、映画、テレビ、漫画……どれも目が覚めるようで、完全に虜になりました」。

そのうえで監督は、本作に特に影響を与えた2人の巨匠の名を挙げた。「『KUBO』を作るうえで最も影響されたのは黒澤明監督です。そして宮崎駿監督の影響も相当なものだった。宮崎監督は、自分が魅了されたヨーロッパ的なものを自らの解釈で取り込み、アートに織り込んでいる。ただ現実を記録するのでも、複製でもない。僕は彼がヨーロッパに対して行ったことを、日本に対してやってみたかった。自分にとって、本当に重要な場所と文化を、僕なりの解釈で表現したかったんです」。

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トラヴィス・ナイト監督 現在は『トランスフォーマー』の人気キャラ、バンブルビーのスピンオフを撮影中だ。(C)2016 TWO STRINGS, LLC. All Rights Reserved.

その言葉の通り本作は、日本人の感性に響く「万物に魂が宿る」といった精神的なテーマと、幻想的で壮大な世界観が日本の美しさを再認識させてくれる。主人公クボが三味線で折り紙に命を吹き込み、猿やクワガタの侍をお供に冒険を繰り広げる展開は「桃太郎」といった懐かしの昔話のようだ。それは、「侍の物語や美しい日本の芸術、そしてファンタジーや神話といった、子供の頃から大好きなものが融合した映画を作りたいと思っていたんです。だからこの映画が監督デビュー作になった事は夢のようでした」という監督だからこそ作れたものだろう。

もちろん、細やかな感情表現やダイナミックなアクションなどのアニメーション表現も大きな魅力だ。技術の向上でCG表現の可能性も広がっているが、本作ではあえて3Dプリンターで制作した人形を登場させるなど、コマ撮りにこだわった。「ストップモーションには非常に時間と手間がかかる。でも、この大変な手作業から、これまでにない物語、予想外の展開、普通のアニメには登場しないキャラ、光と闇、陰と陽、笑いと恐怖といった僕らが追い求めているものが生まれると思っているんです」。

さらに監督は「(本作の重要なモチーフとなる)折り紙でできた動物だってそうです。あの手作りの美しさは、私たちのストップモーションアニメと完全に一致するものです」とライカの精神と日本の共通項に言及。「ストップモーションは愛用のおもちゃで遊んだ幼少時代を思い出させる。ストップモーションはアーティスト(アニメーター)のスキルと想像力で成り立っている。ストップモーションは手作りである。つまり、永久に美しいものなんです」とその魅力を語った。(編集部・入倉功一)

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