家を買う時期は「消費税10%」前か後で「ウン百万円」の差になる

家を買う時期は「消費税10%」前か後で「ウン百万円」の差になる

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2019/08/13
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7月の参議院選挙で安倍政権が一応の信任を得たことで、10月からの消費税増税実施がほぼ間違いなしになった。

よほどのことがない限り、10月には消費税が8%から10%に引き上げられることになる。増税率は2%に過ぎないといっても、住宅は何千万円単位の高い買い物だから、数十万円以上の負担増につながるだけに、どのタイミングで買うのがお得かをシッカリと理解した上で行動するようにしたい。

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〔photo〕iStock

支援策はすべて時限措置だからタイミングが大切

というのも、10月以降に消費税10%で買った人は、消費税の負担は重くなるが、それをカバーするために各種の住宅取得支援策が適用されて、ローン減税や給付金などで増税分を相殺し、それ以上にトクできる可能性があるのだ。

問題はその支援策が図表1にあるように、いずれも時限措置という点。その支援策が実施されている間に取得しないと、減税や給付金などが減って、消費税負担だけが重くのしかかってくることもある。

そこで、どんな人がどうすればいいのか、いくつかのパターンでみてみよう。

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(1) 中古住宅の取得を考えている人は消費税を気にする必要はない

まず、通常の中古住宅の取得を考えている人は、消費税を気にしなくてもいい。

中古住宅は通常、個人の売主から仲介会社を通して取得することになる。個人には消費税納税の義務はないので、売主が売却代金に消費税を課税されることはない。したがって、買主も消費税負担をしなくてもいいわけだ。

「即買い」すべき物件がある

マイホームは中古住宅――そう決めているのなら、増税時期を気にする必要はない。
仲介手数料などが増税によって若干負担が増えるものの、全体からみればそれほど大きな影響ではないので、買いたい物件が見つかって、買える環境にあるときが買い時ということだ。

ただし、中古住宅でも例外がある。

リノベーションマンションなどのように、不動産会社などが所有している物件を買う場合には、売主は事業者なので消費税の課税対象だから、買主も消費税を負担しなければならない。その場合には、新築住宅などを買うのと同じなので、(2)以降のいずれかを参考にしていただきたい。

(2)住宅ローンを利用せずに現金買いなら増税前に駆け込むのが得策

現実的にはあまり多くないかもしれないが、住宅ローンを利用せず、現金だけで購入するというのであれば、増税前に駆け込むのが得策だ。

比較的年配で、老後に備えた買換えなどを考えている人のなかには、そんな人もいるのではないだろうか。

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今回の消費税増税に当たっては、各種の住宅取得支援策が実施されて、増税後に買ったほうがトクすることが多いのだが、それはローン減税の拡充に負うところが大きい。

逆に言えば住宅ローンを利用しない人はその恩恵を受けられないので、取得支援策のメリットよりは、増税による負担増のほうが大きくなる可能性が高い。

このため税率が高くなる前に買ってしまうのが得策なのだが、この場合、相当に急がないと間に合わない。というのは、消費税は、契約時の税率ではなくて、引渡し時の税率が適用されるからだ。

つまり、9月中に契約を済ませても、引渡しが10月以降だとアウト。新築のマンションは青田売りが多いので、間に合わないことが多いはずだ。ただし、完成済みマンションのなかには、「即入居可」という物件もある。また、建売住宅も多くは完成後の売り出しなので、間に合う可能性がある。そんな物件のなかに、気に入った住まいが見つかれば、即買いだ。

約500万円の「税金がゼロ」になる

(3)親から多額の贈与を期待できるなら来年3月末までに契約

最もトクできる金額が大きくなる反面、そのトクできる期間が最も短いのが両親や祖父母などから多額の贈与を受けられる人だ。

親子の間とはいえ、年間110万円以上の贈与を受けると贈与税の対象になるが、住宅取得のための資金の贈与であれば、非課税枠が設けられている。通常は最高1200万円までの非課税枠だが、消費税10%の住宅を買った場合には3000万円に拡充するという支援策が実施されている。

ただし、3000万円になるのは2019年4月から2020年3月末までに契約したケースに限られる。

それ以降は2020年4月から2021年3月末までは最高1500万円に、2021年4月から2022年3月末までは1200万円に減少する。つまり、この非課税枠3000万円を活用するためには、消費税10%の住まいを2020年3月末まで契約して取得する必要があるわけだ。増税前の8月、9月の契約でもかまわない。

ではこの非課税枠のメリットはどれくらいあるのか試算してみると――。

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2019年3月末までの非課税枠1200万円で3000万円の贈与を受けると、非課税枠1200万円と基礎控除110万円を差し引いた1690万円が課税対象で、税額は495.5万円になる。いまならそれがゼロになるのだから、メリットは計り知れない。

そのメリットを享受するためには、急いで気に入った物件を見つけて、2020年3月末までに契約する必要がある。そうすれば、上の図表2にあるように、ローン減税やすまい給付金、次世代住宅ポイントなども活用でき、メリットはさらに大きくなる。

「2020年12月までOK」な人たち

(4)年収高めで住宅ローン利用額の多い人も2020年3月末まで

贈与は受けられないが、一定の年収があって、多額のローンを組んで購入するという人であれば、増税後に、しかもローン減税の拡充が実施されている2020年12月末までが得策で、かつ次世代住宅ポイントが実施されている2020年3月末までが最も有利になる。

図表3にあるように、消費税引上げ後に住宅ローン減税が拡充されれば、それまで10年間で396.3万円の控除額が、13年間に延長されて456.3万円に増える。これで、増税による負担増加分は相殺され、さらに、次世代住宅ポイントで35万円相当のポイントが付与される。次世代住宅ポイントは2020年3月末までの予定なので、それまでに取得するのが一番いいわけだ。

ただ、年収800万円だと、すまい給付金の対象にはならないので、こちらはさほど気にする必要はない。

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(5)中堅層が住宅ローンを利用して買うなら2020年12月までOK

年収がやや低めで、取得価格、ローン借入額が少なくなる人は、(4)のケースとほぼ同様で、2020年3月末までが得策。ローン減税の拡充で、消費税による負担増加分を相殺できる上に、すまい給付金40万円になり、次世代住宅ポイントで35万円相当のポイントを獲得できる。

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ただ、この場合にはすまい給付金のメリットが大きいので、最悪、次世代住宅ポイントがなくなっても、ローン減税の拡充があれば相対的なお得感は大きいはず。

そうなると、2020年12月までであれば、一定の効果が期待できるといっていいだろう。あまり焦らずに、ドッシリと構えてもいいかもしれない。

以上のような点を整理すると、こうなる。

売主が個人である一般の中古住宅の取得を狙っているのであれば、基本的に消費税は気にせずに、ジックリと買いたい物件を見つければいい。

次に、消費税のかかる物件を買う場合、まず両親や祖父母から多額の贈与を期待できる人であれば、贈与税の非課税枠3000万円が適用される2020年3月末までに取得するのが得策だ。

贈与は関係ない人だと、ローン現在の減税期間延長、すまい給付金、次世代住宅ポイントをフルに利用できる2020年3月までが一番得策。その時期を逃したら、2021年末までのローン減税の延長が適用されるうちが次善の策になる。

それも逃すと、消費税の負担増加だけが重くのしかかってくるので、あまりノンビリはしていられない。

「税制改正」「金利の動向」にも目配りを

もちろんここで紹介したのは、あくまでも税制や支援制度上の損得計算である。住宅価格や住宅ローン金利については考慮していない。たとえば、消費税増税で景気が急速に悪化して、新築マンション価格などが大幅に下がれば、どんな条件にもかかわらず、その値下がり後に買ったほうがトクかもしれない。

また、反対に急速に景気が回復して住宅ローン金利が上がった場合には、消費税にかかわらず、早めに買っておいたほうが良かったということになりかねない。

もっといえば、これらの税制に関しても2020年度の税制改正で時限措置が延長されたりする可能性もある。

無論、これらはまだ予断を許さないものもあるが、住宅購入は金額が大きいため、一度判断を誤ると損害も大きくなるから、そうした動向にも十分に目配りした上で判断するようにしていただきたい。

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