マウスコンピューター、2019年後半の製品戦略と飯山工場の最新動向を公開

マウスコンピューター、2019年後半の製品戦略と飯山工場の最新動向を公開

  • マイナビニュース
  • 更新日:2019/07/08
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マウスコンピューターが夏商戦向けの新型PCの投入を本格化している。今回は同社の飯山事業所(長野県飯山市)を訪問し、今回の新製品や今後の製品戦略について詳細に話を聞くことができた。

同事業所はマウスコンピューター全PCブランドを一手に担う生産工場を擁しており、この機会にあわせて、「日本品質」をうたう同工場の内部もレポートする。

○インテルCPUの供給問題は? AMDベースの新製品は?

マウスコンピューターの小松永門社長は、直近のビジネス環境についてボーナス商戦や消費増税を控え例年よりも進捗が早めという認識だが、来年の1月にかけての盛り上がりも想定しているという。2018年から業界を悩ませているインテルのCPU供給難は未だ尾を引くが、それでも(高性能SKUなど)一部厳しいものを除けばだいぶ改善している。またWindows 7のサポート終了が近づいていることから、年末~年明けにかけて積極的に動きやすい状況が来るという見方だ。

また小松社長は、このような状況の中で、「AMDさんにも期待している」と話す。さっそく、実際にAMDのプロセッサを採用した開発中のPCを公開し、発言を裏付けた。

○Kaby Lake-G上位モデルを初採用、純AMDの"赤いノート"も始動

公開されたのは、まずはIntel製CPUに、AMD製GPU(Radeon RX Vega M GH)を統合した「Kaby Lake G」(開発コードネーム)を搭載した13.3型ノートだ。Kaby Lake GはIntelとAMDがタッグを組んだ異色のプロセッサパッケージだが、これを搭載したノートPCなどは既に製品化され市場にも出回っている。今回のマウスの開発中製品で注目なのは、Kaby Lake Gシリーズのなかでも最上位モデル「Core i7-8709G」を採用したところだろう。

同社調べでは、Core i7-8709Gを搭載するノートPCは世界中を見まわしても存在せず、製品化されれば「世界唯一のノートPC」になるそうだ。当然パフォーマンスは高く、開発途中ではあるがCore i7-8750HにGeForce 1060を組み合わせた際と同等のスコアをたたき出しているという。性能が高い分、発熱の処理などは難しくなるが、それでも本体サイズは本体重量1.6kg、厚さ19.8mmを計画し、持ち歩きできる13.3型ゲーミングノートとして開発中だ。

そしてもう1台、マウスコンピューター史上初のAMD製APU搭載の純AMDベースのノートPCも開発中だ。APUは「Picasso」(開発コードネーム)のRyzen 5-3500Uを採用しており、開発途中のパフォーマンス計測ではCPU性能(Cinebench)でCore i5-8265Uに匹敵し、グラフィックス性能(3DMark)では同比で2倍程度のスコアを達成しているという。仕様に不明な部分は多く残るが、このAPU性能だけでも使い勝手のよいゲーミングノートとして仕上がるだろうと期待が持てる。

○今年の下半期にかけ、さらに「新しいもの、面白いものを」

マウスコンピューターといえばIntelベースでいち早くPCを製品化するイメージが強いが、同社開発本部で製品企画を担当する今村究氏は、「新しいもの、面白いもの」をユーザーに提供するのが同社の基本的な考え方だと説明する。Core i7-8709G搭載PCの製品化はその考えによるものであり、2019年の後半にかけAMDは積極的に提案していくという。

今村氏は他にも、2019年の後半からに向けてのマウスコンピューター製品開発の方向性をいくつか示してくれた。キーワードとなるのは、「ナローベゼル化」「ディスプレイ選択肢の拡充」「キーボードの改良」「薄型軽量ノートPCの開発」だ。

ナローベゼル化では、ノートPCのディスプレイでベゼル部分の面積削減を進める。同じフットプリントでもディスプレイサイズを大きくできるため、大画面化やダウンサイズのメリットがある。同社の現時点のラインナップではナローベゼル製品の比率は50%程度にとどまるが、来年にかけ、ほぼ全ての製品をナローベゼル化したいと述べる。

キーボード改良では、ノートPCの日本語キーボードをイチから設計しなおす。これまでの同社キーボードでは、使い勝手よりも経済合理性を優先した部分があった。コストアップになったとしても、日本のユーザーを向いてキーピッチの拡大やキー配置の最適化を実施する。2019年後半から順次、この改良後の新キーボードを導入していく計画だ。

薄型軽量ノートPCの開発にも意欲的に取り組む。まずは6月24日に新製品「m-Book Xシリーズ」を投入する。このXシリーズのコンセプトは「性能と重量と価格のバランス」だ。10万円台前半の普及価格帯でありながら、1.13kgの重量と14.5時間のバッテリ持続時間に、GeForce MX250のグラフィックス性能を盛り込んだ。今村氏は、「薄型軽量という部分で他社を追う立場になるので、スペックと価格の両立では負けたくなかった」と振り返る。薄型軽量ノートPCへの挑戦は続けるとしており、今後はXシリーズを発展させた1kg切りの製品などにも取り組みたいとしていた。

○国内ならではの優位を活かす「飯山工場」最新事情

マウスコンピューターが誇る飯山工場は、同社PCの開発から生産までを一手に担う重要拠点だ。生産品目が多岐にわたるBTOパソコンを手掛けながら、最新技術を早期に製品化し、注文から短納期でユーザーの手元に届け、品質管理やサポートまで気を配らせることができるのは、この「国内」という立地にこだわった飯山工場の存在によるところが大きい。

同社の松本一成工場長は、飯山工場の特長を次のように語る。「以前は、東京や埼玉に開発が分散している時期もあったが、何か新しい製品を、となった時、海外から部材を最初に受け入れるのは工場。部材を工場で受け入れてそのまま評価、開発にまわせれば、それだけ製品化までのリードタイムを短縮できる。また、受け入れた時点ですべての部材にシリアルを振ってしまうことで、生産管理だけでなくトレーサビリティまで含めた品質管理まで両立できる」

製品化の早さや納期は長く定評があるところだが、特に近年は「飯山TRUST」といったメッセージも前面に出し品質向上を重視している。関係者は一様に、「品質には自信を持っている」と口をそろえる。実際の成果として出荷後の不良発生を2014~15年頃から極めて削減できており、具体的な数字は公開できないが以前までの半分以下かそれ以上に改善できているという。現在は生産前の開発段階で複数の評価項目を設け、生産でも(抜き取りではない)全数負荷試験などを経て、最終の出荷前にもさらにサンプリング抜き取りで総合的な検査を実施するなど、かなり多層の品質チェックに継続して取り組んでいるそうだ。

特に製品全数が対象となる負荷試験は納期の圧迫要因なるが、例えばコンデンサ部材には一般論として0.3%程度は不良が混ざるものとされるなかで、それであっても「とにかくユーザーに不良品が届かないようにしたい。問題があれば工場で止めたい」(松本工場長)と、工場内でふるいに落とすことに努めている。

マウスコンピューターに対しユーザーが求める期待の一つに、「コストパフォーマンス」があると思う。同社は引き続きコストパフォーマンスの要求に応えていくが、一方では妥協せず「品質がなければ未来はない」という認識で、飯山工場は品質を追求する方針を続けるという。

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