初代バチェラーが語る、ビジネスと恋愛の意外な共通点

初代バチェラーが語る、ビジネスと恋愛の意外な共通点

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2019/02/19
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「今、最も女性ファンが多い経営者」といっても過言ではないだろう。Amazonが配信する恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』の初代バチェラーとして知られる久保裕丈(くぼ・ひろたけ)氏。「容姿端麗なセレブ男性を女性陣が奪い合う」という番組コンセプトにふさわしい、リアルでドロドロな恋愛劇にハマった視聴者も多い。

その久保氏は今、新たなビジネスに挑んでいる。家具やインテリアのレンタルサービス『CLAS(クラス)』だ。デスク、チェア、ベッド、ソファなどさまざまな品揃えがあり、月額500円から利用することができる。

バチェラーへ出演したことで経営者としての心境に変化あったのか。新境地に挑む久保氏に話を訊いた。

取材・文/音部美穂、撮影/池田博美

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頭の良さとコミュニケーション力は違う

久保氏は、東大大学院から外資系コンサルティング会社A.T.カーニーを経て、2012年にファッション通販会社『MUSE&Co.(ミューズコー)』を設立。その後、2015年に同社を17億円でmixiに売却した。

容姿端麗で頭脳明晰。久保氏の人生は順風満帆そのものだったのだろうと思いきや、意外にもコミュニケーションで悩むことが多かったという。

「実は、MUSE&Co.時代はコミュニケーションで苦労したんです。僕がそれまで身を置いた東大の大学院やコンサルティング会社には、理解が早い人が多い。1言って、10理解し、自ら進んで動くような人たちばかりだから、良くも悪くも『自分目線のコミュニケーション』で済んでいたし、コミュニケーションでつまずくことがあまりなかったんです。

でも、いざ会社を立ち上げてみると、社員たちに『社長が何を言いたいのかよくわからない』と言われて。僕の話が全然伝わっていなかったんですね。

だから、どんな言葉なら相手に伝わりやすいか考え、そのために相手を観察するようになりました。自分を理解してもらいたいなら、まずは相手のことを知る努力をする。この経験は『バチェラー』でも大いに活きました」

ビジネスマンとしても勉強になったバチェラー出演

久保氏にとって、人生の転機となった出来事の一つは、間違いなく2017年の『バチェラー』出演だろう。当初は『バチェラー』出演の誘いを断ろうと考えていた久保氏。しかし、周囲に背中を押されたこと、そして「日本人初」ということが出演を決断させた。

「僕は『まだ誰もやっていないことをやりたい』という気持ちがあるんです。それが出演を決めた一番の理由です。

とはいえ、撮影中はなかなか過酷な毎日でしたよ。カメラが回っている時以外、女性陣とは一切話すことができないんです。みんなと楽しく過ごした後、やたら広いホテルの部屋で一人ポツンと過ごす。その落差で精神的に追い込まれ、そして自然と恋愛したくなる(笑)。

バチェラーには、本家アメリカの『The Bachelor』のメソッドを集約した、制作陣のための分厚いバイブルがあるそうなんですよ。きっと、バチェラーが世界各国で制作されているのは、このバイブルがあるからこそでしょうね。“バチェラーを撮影後に広いホテルでポツンとさせておくこと”とか書かれているかは分からないですけどね(笑)。グローバルビジネスの作り方という点で、ビジネスマンとしても勉強になりました」

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家具レンタルサービスを始めた理由

その後、2018年4月末に役員3名を集めて『株式会社クラス』を設立。8月からサービスを開始した。このビジネスを着想したきっかけは、久保氏の実体験にあるという。

「僕は頻繁に引っ越しを繰り返しているんですが、その理由の一つが更新料を払うのがイヤだから(笑)。物件に長く住む人は本来、大家にとってありがたい“顧客”であるはずなのに、更新料を取るのが納得できなくて。ユーザーにやさしくないサービスは嫌いなんです。

そのため、いつも2年足らずで引っ越すわけですが、家具が新たな部屋の間取りに合わなければ、わざわざ買い換えていたんです。もったいないし、捨てるのも買うのもすごく大変。だったら、家を借りるように家具も借りられたらいいのに……と思ったのがきっかけでした」

現在、同社のスタッフは12名。3月末には倍に増える予定だということからも、急速な成長ぶりがうかがえるが、「ある程度の規模まで成長しても耐えられるように会社の仕組みを整えている」と久保氏は胸を張る。

「MUSE&Co.の時は初めての起業だったこともあって、とにかく売上を上げることに注力していて制度設計が二の次になってしまっていたんです。でも、そうすると規模が大きくなった時にひずみが生じ、結果としてそれが会社の成長の妨げになる。

今は売上を上げるための営業などはやっていないし、PL(損益計算書)上での黒字化も急いでいません。必要なのは、黒字化を焦ることより、正しい投資を勇気を持って行うこと。むりやり黒字化させようとすると、大きな仕事に挑戦できなくなり、それはスタッフの士気にかかわりますから」

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経営者は「妄想を語れ」

現在の久保氏の主な業務は、会社の制度設計や資金繰りの他、経営幹部クラスの人材集め、マスコミ取材などを中心とした広報活動、中長期の戦略作りだ。

「戦略作りといっても、そんなにカッチリとしたものではなく、『こういうことがやりたい』という夢物語みたいなものです。僕らが目指しているのは『家具を借りる』という新たな文化をつくることなので、最初は夢物語でいいんじゃないかなって。だから僕は戦略ではなく『妄想を語る』と呼んでいるんですが」

そう笑う久保氏だが、「妄想を語るための努力」は欠かさない。「週5日は予定が入っている」という夜の会食もニーズのリサーチのためだ。会食相手は、法人向けサービスの主要クライアントである不動産業界が多い。

「経営者同士の交流会はあまり行きません。シンプルに苦手なので(笑)。交流会ってすごく疲れてしまうんです。たまには良い人脈に出会えることもありますが、多くは労力に見合わないというのが僕の本音。それよりも、自分が魅力的だと感じる人と会っていることのほうが多いですし、圧倒的に心地いい。合コンも全然行かないですね。面倒だから(笑)。あと、キャバクラも苦手なので会食でも行くことはほとんどないです」

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久保氏が魅力的だと感じるのは「ギブ・アンド・テイク」ではなく、「ギブ・アンド・ギブ」の精神を持っている人。久保氏自身も、そうでありたいと思っているそうだ。

「打算的な付き合い方ではなく、『この人のために頑張りたい』と思う人と接していたいんです。Google社が掲げている『Google10の事実』の第1項目『ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる』という言葉がすごく好きなんですが、これはまさにギブ・アンド・ギブの精神ですよね。

相手のことさえ考えていれば、あとからついてくるという点では、恋愛も同じかもしれません。相手に求めるよりも与え続ける気持ちを持っていれば、自然と二人のバランスが保たれると思うんです」

現在は、ほぼ仕事漬けの毎日。あえて会社の近くに住み、仕事とプライベートの明確な境目は設けていない。リフレッシュ法は、趣味のキックボクシングだ。

「キックボクシングで肉体的に追い込むことで、頭が整理される気がするんです。だから、アイデアをまとめたいときは、わざわざ時間を作って行くことも。仕事の効率を上げるには、精神状態や体調に応じた自己管理が必要です。誰もが平日の9時から5時が本当に効率よく働けるかと言われればそうじゃない。

たとえば『朝8時から正午まで働いて、キックボクシングに行って頭を整理し、スッキリした状態でまた仕事に打ち込む』という働き方だってあってもいいはず。そのため、僕だけではなく、スタッフも働く場所や時間の自由度をできるだけ高められるような仕組みにしています」

家具のレンタルサービスの拡大を目指す一方で、すでに次なる挑戦も視野に入れている。

「これだけ変化の早い世の中なので、一つのサービスの寿命は短くて3年、長くても5年だと僕は思う。だから、レンタルサービスが軌道に乗ったとしても、そこに安住するつもりはありません。会社のビジョンに沿った新たな事業をどんどん展開していく予定です」

甘いマスクで笑う初代バチェラーは、常に時代の先を鋭く見据えている。

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