今さら聞けない食トレンド、「ペアリング」とはなにか?

今さら聞けない食トレンド、「ペアリング」とはなにか?

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2017/09/15
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レストランで「ワインはどうなさいますか?」とリストを渡されるとき、若干の緊張が走るのは私だけではないだろう。

泡か、白か、赤なのか。フランスのワインを選ぶか、それ以外の国のものにするか。軽め、重め? 樽香がしっかり効いたタイプ、それとも果実味豊かでフレッシュなもの?

なんとなくの好みはあるものの、それを言語化するのは面倒くさいし、第一ヘタなことを口にしてバカにされてはかなわない。結局「このくらいの値段で」とリスト内の価格を指差し、「なんかおいしいもの選んでください」とおまかせするはめになる。もちろん「餅は餅屋」というわけで、ワインのことはソムリエに聞くのが間違いない。その日の料理や懐具合に合わせて最良の選択肢を数本すすめてくれることだろう。

さあ、ワインは選んだ。次にくるハードル、それは「テイスティング」である。「お味見はどうなさいますか」と聞いてくれるケースはまだいい。「Go ahead」とばかりに軽く手の平を差し出し、うなずけば、ソムリエはテイスティングは不要なものと了解し、ゲストのグラスに先にワインを注いでくれるはずだ。

問題は黙ってチョビッとワインを注がれてしまったとき。「仕方ない」と腹をくくり、まずグラスを傾け(色を見ているフリ)、鼻をグラスに差し込み(香りをかいでいるフリ)、ちょっと口に含んでチュクチュク(うがいしないように気をつけて!)…ゴクンと飲み込んでからしかるべく時に頷けば儀式は終了。自分が少し滑稽に思えてくる瞬間だ。

もちろんワイン愛好家にとってテイスティングは真剣に行うべきものだし、ブショネ(ワインに細菌が入り込むために起こる品質不良)などの劣化は常に数パーセントの割合で起こるため、きちんとチェックしたほうがいいのは確か。ただ、ワインに詳しくないと自認するカスタマーにとってはどうだろうか。

私自身がお店でテイスティングをする際には、なぜか脳裏に「茶番」という二文字が浮かんできて困ってしまう。多くの人は「おいしければいい」のだし、酒はそれ自体の味だけではなく、どこで、誰と飲むか、どんな料理とあわせて飲むかによってもその評価を大きく変えてしまう、ある種魔物なのだから。

そんなわたしのような天邪鬼的ワインドリンカー(愛好家とは呼べない)にとって、救世主となるのが「ペアリング」である。ここ数年、レストランでおまかせメニュー6000円などとある横に、「ペアリングコース10000円」などと書かれている、それである。

この「ペアリング」とは、料理の一皿、一皿にあらかじめソムリエがベストマッチだと考える酒を組み合わせる(ペアリングする)ことを指す。つまり、アミューズからデザートまで計5皿のコースだとしたら、最初のスパークリングから最後のデザートワインや食後酒まで5杯がすべてあらかじめプログラムされている状態だ。

数年前はワインだけがペアリングされていたが、現在ではフランス料理店であっても料理によってカクテルを組み合わせたり、酒が飲めない人向けにノンアルコール・ペアリングを提案するなど、そのバリエーションは年々豊かになっている。

その一例ともいえるのが、今年7月にオープンしたばかりのモダン・ヴェトナミ-ズ「アン ディ」だ。銀座の老舗「レカン」で長らくシェフ・ソムリエを務めた大越さんが、フレンチではなく、ベトナム料理という変化球を投げたとあって、オープン直後からかなり話題となっている。

そして、この店の売りのひとつが「ペアリング」。アジア料理の中でも辛くないベトナム料理は、実はあっさり系の和食と似ているということから、いくつかの料理には日本酒がペアリングされてくるのも面白い。早くも予約が取れない人気店となっている。

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[左]ハーブたっぷりのチキンの生春巻き(ココナッツサワーのソース)は発泡の日本酒と。

[右]人気メニュー、アジアンスパイスの効きた豚の炭火焼は南アフリカの赤ワインとともに(画像はともにAn Diより)。

この飲食業界における「ペアリング」はいまでは拡大解釈され、「組み合わせ」や「相性」のようにも使われている。つまり、数年前の「マリアージュ」のようなイメージだ。

「このペアリングはなかなかおもしろいね」「この料理とペアリングさせるなら、どんなワインがいいですか?」などの用例とともに覚えていただきたい、食のトレンドキーワードである。

An Đi(アン ディ)

東京都渋谷区神宮前3-42-12 1F | 03-6447-5447

営業時間:12:00~13:30(L.O. / 土・日曜のみ)、18:00~23:00(L.O.)、月曜休

コースメニュー 5900円、ドリンクペアリング 4900円(共に税込・サ別)、アラカルトでの対応も可。

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