使ってわかった携帯回線とつながる新型『Apple Watch』の○と×

使ってわかった携帯回線とつながる新型『Apple Watch』の○と×

  • @DIME
  • 更新日:2017/10/12

■連載/石野純也のガチレビュー

iPhoneと連動させ、腕で通知を受けたり、ワークアウトのデータを測定したりするためのアイテムが、Apple Watchだ。初代Apple Watchは2年前に登場。100万円を大きく超えるEditionなどの高級ラインをラインナップし、話題となったが、2号機のSeries 2ではフィットネス路線を明確化。そして、9月22日に、第三弾となるApple Watch Series 3が発売された。

Series 3最大の特徴は、何をおいても、やはりセルラーへの対応だろう。これまではBluetoothやWi-Fi経由でiPhoneと接続されているときしか使えなかったApple Watchが、単体で利用可能になったインパクトは非常に大きい。一方で、バッテリーの持ちや、単体でどこまで使えるのかは、気になるところだ。筆者はApple Watch Series 3を発売日前日から丸4日間使ってきた。ここでは、そのファーストインプレッションをお届けしよう。

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待望のセルラー機能に対応した、Apple Watch Series 3。写真は筆者私物でシルバーのアルミボディにミラネーゼループを装着している

■デザインはほぼ初代から変わらず、時計としての完成度も高い

セルラーに対応し、CPUもより省電力でパワフルな「S3」へと変わったが、デザインは初代Apple Watchから踏襲されている。サイズも厚みが1mm程度増してはいるが、並べて比べてみなければ、気づかないほどの変化といえるだろう。着け心地に関しても、まったく同じで、初代からのバンドも使いまわすことが可能だ。フィットネス路線に舵を切ったこともあり、スポーツ向きのバンドが多い印象だが、純正バンドやサードパーティのバンドに簡単に付け替えられるのは、Apple Watchならではのメリット。他のスマートウォッチと比べても、こうしたアクセサリーは充実している。

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金属加工に優れた技術を持つアップル製品なだけに、質感は非常に高い

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専用工具不要でバンドを簡単に交換できるのも、Apple Watchのメリットだ

筆者はアルミボディのシルバーを購入したが、それ以外にも同素材のブラックや、ステンレス素材、セラミック素材が用意されている。スポーツバンドやスポーツループとの組み合わせで販売されていることからも分かるように、アルミボディはどちらかといえば、フィットネス用のスポーティなデザインと相性がいい。対するステンレスやセラミックは、もう少し高級感がある。とはいえ、アルミボディとレザーバンドを組み合わせても、見た目がおかしくなるというほどではない。艶消しのシルバーやブラックが好きという人が、あえてアルミ素材を選ぶのもありだ。

円形が多い通常の時計と比べると、スクウェアな形状はやはりスマートウォッチ然としているが、素材の仕上げがいいこともあって、腕に巻いていても違和感はない。バンドの付け替えも楽しめるため、ファッションアイテムの一環として、腕に巻いておいてもいいだろう。右側面には、腕時計の竜頭を模した「デジタルクラウン」とボタンが配置されている。Series 3は、セルラー対応の場合、このデジタルクラウンの先端が赤く塗装されており、デザイン上のアクセントになっている。

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赤いデジタルクラウンが、セルラー対応の印

ラインナップは初代から変わらず、38mmと42mmの2種類。前者が女性用、後者が男性用という緩いくくりはあるものの、男性が38mmをつけたり、逆に女性が42mmをつけたりしてもいい。ただし、38mmの方がバンドもやや短めに作られていることが多く、手首の太い男性だと、きっちりしまらない恐れがある。特に価格が高めのバンドを購入する際は、注意しておいた方がいいだろう。筆者の場合、クラッシックレザーバンドやエルメスのシンプルトゥールは、ギリギリ装着できたものの、前者はバックルの位置がずれてしまい、あまりフィット感はよくなかった。

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筆者は38mmを装着しているが、小ぶりな時計がブームなこともあり、男性でも違和感がない

■気になるセルラー対応、Apple Watch単体で何ができる?

Series 2までのApple Watchと、もっとも大きく違うのが、セルラーに対応したことだ。これによって、Apple Watchが単体で通信できるようになり、iPhoneを常に持ち歩く必要がなくなった。スマートフォンのいち周辺機器から、携帯電話そのものになったともいえるだろう。これだけ小型にも関わらず、きっちり電話やデータ通信できるのは、驚くべきポイントだ。

ただし、セルラーはあくまで補助的に使うことを想定しているようだ。基本はiPhoneとペアリングされた状態で、従来のApple Watchと同様、周辺機器として利用する。ワークアウトや近所への買い物など、iPhoneを持ち歩かないシーンでのみ、セルラーで通信するというのが、基本的なコンセプトだ。Bluetoothを切断すれば、常時セルラーで通信できるものの、バッテリーの消費が激しくなるため、あまりお勧めはできない。

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セルラーに対応。iPhoneとの接続が切れたときのみ、モバイルデータ通信を使う仕様だ

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ちなみに、筆者は丸1日、セルラーのみの状態にして使ってみたが、朝10時から使い始めて、日付が変わるぐらいまでは電池が持つ。基本的に、その日は電話を3本Apple Watchで受け、あとは通知をチェックしたり、何回かSiriとお話した程度だが、このような使い方であれば、セルラーだけでも十分。逆に言えば、Bluetoothとつなげば、もっと長時間駆動するということだ。一方で、通知が多かったり、ワークアウトを長時間したりすると、話は変わってくる。おそらく、駆動時間はもっと短くなるはずだ。

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12時間程度セルラーだけで使い続けたが、バッテリーはしっかり持った

といっても、スマートウォッチでこれだけバッテリーが持てば、いい方だ。毎日寝る前に、欠かさず充電するようにしておけば、大きな問題はないだろう。もっとも、時計として考えると、やはり充電頻度は高いため、少々おっくうになってくるかもしれない。そのサイズゆえに、あまり大型のバッテリーは搭載できず、一気に駆動時間を伸ばすのは難しいかもしれないが、次世代機以降でも改善に期待したいところだ。

■eSIMを採用しており、契約もiPhoneから簡単にできる

技術的に興味深いのが、Apple Watch Series 3が、eSIMに対応していることだ。eSIMとは、ソフトウェアで書き換えが可能なSIMカードのことで、端末本体に内蔵されている。物理的なSIMカードが不要になるため、ウェアラブル製品への採用が期待されており、実際に、サムスンなどのメーカーが対応製品を市場に投入している。Apple Watch Series 3も、これが利用できるというわけだ。

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eSIMに対応しており、初期設定時などに電話番号を書き込むことが可能

メリットは、利用開始時に体感できる。Apple Watch Series 3は、初回セットアップ時に、iPhoneと接続する。モバイルデータ通信も、その流れの中で設定できる。といっても、iPhoneで契約している各キャリアのサイトに飛び、IDや暗証番号を入力するだけ。キャリアによっては本人確認の都合上、住所などまで入力しなけれならないが、基本的に契約はiPhone上で完結する。手順が簡単なドコモの場合は、1分もかからなかったほどだ。

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暗証番号の入力だけで、手順も簡単。なお、auの場合は、現住所などの入力も必要だった

契約が済むと、iPhoneとApple Watch Series 3の両方で、同じ電話番号を利用できる。厳密にいうと、裏で別の電話番号が割り振られるが、基本的にはiPhoneで使っているいつもの電話番号で発着信が可能。着信があると、iPhoneとApple Watchが同時に鳴り、どちらかで電話を取ると、着信音がストップするしくみだ。iPhoneとApple Watchとでは、発着信の履歴も共有されている。

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単体で通話できる。初めて使ったときは、やはり驚きだった

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履歴などをまとめたメニューも用意されており、ここもiPhoneと同期する

何度かApple Watch単体で通話してみたが、周囲がうるさくなければ、相手の声はしっかり聞こえる。相手に聞き返されることもなかったので、こちらの声も問題なく届いていたようだ。ただし、基本的には、Apple Watchで電話すると、相手の声がスピーカーから出力されてしまうため、通話の内容が周りに丸わかりになってしまう。これがいやなときは、AirPodsなどのBluetoothヘッドセットと、Apple Watchを接続しておいた方がいいだろう。

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側面のスピーカーから、声が丸聞こえになってしまう点には注意が必要だ

■レスポンスもよく、単体で気持ちよく使えてiPhoneの利用シーンを広げる

Apple Watch Series 3には、「S3」と呼ばれるチップセットが搭載されており、アップルによると、パフォーマンスは70%程度向上しているという。実際使ってみると分かるが、レスポンスは明らかに上がった。もちろん、単純にCPUが高速になったからだけではなく、Watch OSがアップデートのたびに軽量化されていたりすることの効果もあるはずだ。初代Apple Watchのときは、そのレスポンスの悪さにイライラしていた筆者も、Apple Watch Series 3は快適に使えている。

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パフォーマンスが向上&OSが軽量化しており、サクサクと操作できる

Siriが音声で返答してくれる点も、便利なポイントだと感じた。Apple Watchは腕につけるという形状の制約があるため、どうしてもディスプレイは小さくなる。ここで何か操作をしたり、文字を読んだりするのは難しい。割り切って絞った情報を、腕でサッと確認するというのが基本的なコンセプトといえるだろう。この点を考えると、Siriが音声で返答してくれる機能を搭載したのは正解だ。

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音声での返答に対応したSiriも、活用できる

あまり複雑なことはできないが、誰かに電話を発信するときに名前を呼んだり、周辺の天気予報を調べたり、連絡を取りたい相手のいる国との時差を確認したりと、ちょっとした調べ物をするときに活躍する。ハンズフリーでこれらができるのがありがたい。元々Apple Watchは、ワークアウトを除けば、あまり能動的にユーザーが操作するデバイスではないため、Siriでできることぐらいの操作が、ちょうどいい。

ここまで見てきたことからも分かるように、セルラー機能に対応し、使い勝手も向上したことで、Apple Watchは、これまでとは“別物”と呼べるほどの仕上がりになった。アップルは、初代からこの機能を理想としていたようだが、技術的な成熟も相まって、ようやく実現した格好だ。その意味では、Apple Watch Series 3こそが、“真のApple Watch”といえるのかもしれない。

【石野's ジャッジメント】
UI         ★★★★
レスポンス     ★★★★
バッテリーもち   ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★
質感        ★★★★
オリジナリティ   ★★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

■連載/石野純也のガチレビュー

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