クラウド名刺管理サービス「Sansan」をメガバンクや大企業がこぞって導入している理由

クラウド名刺管理サービス「Sansan」をメガバンクや大企業がこぞって導入している理由

  • Business Journal
  • 更新日:2018/05/22
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松重豊演じる営業部長と野間口徹演じる課長がビジネスチャンスを逃し続け、「それさぁ、早く言ってよ~」と嘆くテレビCMでおなじみのSansan。「ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を革新する」をミッションに掲げ、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」と、個人向け名刺アプリ「Eight」を提供している。

Sansanが目指すのは、名刺管理を通じた働き方改革だ。3月には「Sansan」の機能拡張を発表し、人工知能(AI)が「次に会うべき人」を教えてくれる新機能などが追加された。

同社のサービスはビジネスの現場でどのように活用され、どんな効果を生んでいるのか。3月に都内で開催されたコーポレートイベント「Sansan Innovation Project 働き方2020」内で行われたメディア向けカンファレンスにて、共同創業者である取締役・Sansan事業部長の富岡圭氏と、Sansan事業部プロダクト開発部長の藤倉成太氏に話を聞いた。

●電通、三井住友銀行が全社で導入

――今や、名刺もデジタルで管理する時代ですね。

富岡圭氏(以下、富岡) 名刺は資産です。私たちが掲げている「ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を革新する」というミッションを具現化するために、「Sansan」と「Eight」を提供しています。名刺は出会いの証であり、ビジネスの場で必ず交換するものです。その名刺を、ただの紙切れでなく、企業にとって価値のある資産に変えることで、ビジネスパーソンが抱える課題を解決し、世の中の働き方を良くしていこうと考えています。

創業から一貫して提供している「Sansan」は、名刺を組織内で管理・共有できるサービスです。クラウド名刺管理は「単にデジタル化して管理するだけ」と思われがちですが、Sansanは出会いの価値を最大化するプラットフォームに成長しています。企業がより生産的に、効率的に、イノベーティブな活動を行えるように、機能強化に取り組んでいます。

スタートアップやベンチャー企業、日本を代表する大企業や地方自治体など、すでに7000社以上の企業・団体に導入いただいています。

――「Sansan」のサービスは、働き方改革にどのようなかたちで貢献していますか。

富岡 最近の導入企業を例にお話しますと、沖縄を代表するプロバスケットボールチーム「琉球ゴールデンキングス」を運営する沖縄バスケットボール様という企業があります。同社では名刺の情報をエクセルに入力して管理していましたが、それではすべてを網羅することはできませんでした。チームが発展するなかで、増え続ける名刺を組織全体で有効活用したいということで「Sansan」を導入していただきました。

それにより、入力に2時間ほどかかっていたのが数分で終わるようになり、その分の時間を営業に回すことで1日あたりの営業件数も増えました。さらに、「Sansan」を社内でハブ的に利用することで、社員一人ひとりが持つつながりを可視化することができ、顧客との関係性強化に成功しています。

もうひとつは、電気設備を担う電巧社様の事例です。同社では海外法人と日本法人の間のコミュニケーションが不足気味でしたが、「Sansan」で顧客基盤を共有することにより、グローバルでの社員間のコミュニケーションが活発になったほか、顧客対応もスピーディになったという効果が表れているようです。

――「Sansan」を全社的に導入する企業も増えていますね。

富岡 電巧社様の事例もそうですが、グローバル企業であっても全社で利用できるように、価格体系を1年前に変更しました。ユーザー単位のライセンスでは部門ごとや一拠点の利用のみにとどまってしまい、その部門内の情報しかわからないケースも多くありました。

しかし、全社利用を前提としたSansanライセンスでは、全社員が持つ名刺の情報がSansanに集約され、資産に生まれ変わります。電通様や三井住友銀行様などの大手企業であっても、全社でご利用いただきながら新しい働き方に取り組み始めています。

●AIが社内の名刺から「次に会うべき人」を推薦

――基本的な機能について教えてください。

藤倉成太氏(以下、藤倉) スキャナやスマートフォンでスキャンするだけで、名刺の情報をデータ化します。その際、AIによる画像解析と人力入力作業の両輪で、ほぼ100%の精度を実現しています。こうしてできたデータベースを社内で一括管理し、共有できるという仕組みです。

Sansanが提供するのは、「営業のチャンスが広がる」「社員の生産性が上がる」「組織のコミュニケーションが進化する」という3つの価値です。

――機能拡張で新機能が追加されました。

藤倉 まずはメッセージ機能です。これまで「Sansan」で管理されている名刺情報を共有する際はメールや電話によるコミュニケーションが必要でしたが、「Sansan」内のチャットで簡単に共有することができるようになりました。これは、スマホ版でも同様です。

また、スマホ版の「Sansan」では、複数枚の名刺を一括で読み取り即時にデータベース化する機能も追加しました。「Sansan」の導入企業には専用のスキャナを貸し出していますが、名刺の読み取り手段が広がり、より簡単かつスムーズに実現できるようになります。

3つ目は、膨大な顧客データの整理・統合をしてくれるプロダクト「Sansan Customer Intelligence」です。企業内には多くの顧客データがバラバラに存在しており、そのデータの正規化や統合は難しいのが実情でした。我々は創業から11年、常に「名刺のデータ化を通して、人と企業の情報をいかに整理・統合できるか」ということに向き合ってきました。これは、これまで培ってきた名寄せの技術を結集し、プロダクト化した究極の顧客データ統合ソリューションです。

――「次に会うべき人」を教えてくれる機能とは、どういったものなのでしょうか。

富岡 16年に、名刺のデータ化やデータの分析・活用を行う専門部門「DSOC(Data Strategy & Operation Center)」を設立しました。画像処理・機械学習のスペシャリストやデータサイエンティストなど、20名が在籍するR&D(研究開発)チームを擁しています。

そのDSOCから生まれた新機能が、「スマートレコメンデーション」です。これは、ユーザーの名刺交換に関する地域・業種・交換先部署などの傾向を分析し、社内に埋もれている名刺から「次に会うべき人」を推薦する機能です。これにより、ビジネスにおける出会いは「探しに行くもの」ではなく「AIが教えてくれるもの」に進化します。

たとえば、「Sansan」から「あなたにおすすめの名刺があります」という通知が来て、クリックすると「会うべき人」の名前や業種、所属企業の規模などが提供されます。そこで「興味あり」をクリックすると、同僚など、その名刺の持ち主に通知が届き、持ち主が「名刺の共有」を承認すれば、2人の間で名刺情報が共有されます。今は、ユーザーごとの「興味あり」「興味なし」のデータなどを学習してAIの精度を高めている段階です。

テレビCMで「それさぁ、早く言ってよ~」というセリフがありますが、まさにあの状況を先回りする機能といえます。ビジネスの出会いは経験と勘に頼ることが多かったですが、社内に埋もれている人脈をひとつも無駄にせず、次に会うべき人物を提案することで、新たなビジネスチャンスにつなげていきます。こうした動きが、働き方改革にも寄与すると考えています。

――働き方改革のポイントは中小企業ともいわれますが、導入状況はいかがでしょうか。

富岡 導入企業は約7000社ですが、そのうち8割は中小企業です。ここ2年くらいで、大企業からのニーズも増えてきています。これまでは東京を中心とした中小企業が主でしたが、関西や名古屋など西日本からの引き合いも増えており、さらに全国規模で拡大していきたいと考えています。

●「早く言ってよ~」の今後はどうなる?

――ストーリー仕立てのテレビCMは、ビジネスパーソンの悲哀を感じさせます。物語が展開するにつれて、「早く言ってよ~」のセリフも変わっていくのでしょうか。

富岡 今は第5弾で、岩松了さん演じる社長が初登場し、社長室でゴルフをしているシーンが流れています。実は、バージョンを重ねるなかで働き方改革をテーマに検討したこともありますが、働き方改革はまだ道半ば。ちょっとしつこいかもしれませんが、「早く言ってよ~」はまだまだ続くと思います。

――そもそも、なぜあのセリフが採用されたのでしょうか。

富岡 制作をご一緒した、クリエイターやコピーライターの方々のアイデアです。「Sansan」の世界観やサービス、ミッションを伝えるなかで「これがおもしろいのでは」と着想していただき、第1弾から好評だったので「続けよう」ということになりました。

――今後、CM内の営業部長と課長はどうなるのでしょうか。

富岡 個人的には、「そろそろ取引先のキーパーソンに会えてもいいのかな」と思います。第5弾の制作にあたり、CM制作会社に全社導入を推進するSansanライセンスについてお伝えしたところ、「全社的に導入してこそ名刺が資産になる」というメッセージを込めて、ゴルフをする社長が登場することになりました。現在のバージョンは昨夏に制作したもので、これから第6弾の内容を検討します。これからどうなるか、私自身も楽しみにしています。
(構成=長井雄一朗/ライター)

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