人間の根本、自分なりの“美”とは?俳優・東出昌大が三島由紀夫の大作小説舞台に挑む!

人間の根本、自分なりの“美”とは?俳優・東出昌大が三島由紀夫の大作小説舞台に挑む!

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  • 更新日:2018/10/13
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◆人間の根本、自分なりの“美”とは?俳優・東出昌大が三島由紀夫の大作小説舞台に挑む!

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今秋、話題の舞台『豊饒の海』。原作は三島由紀夫の同名小説で、『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』の全4作からなり、約6年間かけて書き上げられた大作だ。三島は同作の最終原稿を納めた日、陸上自衛隊市谷駐屯地に行き割腹自殺によって生涯を終えたという。まさに、彼が最後に伝えたかった世界観が描かれた“究極の小説”だ。そこで、この舞台の主演をつとめる三島の大ファンという東出昌大さんに作品の魅力を聞いた。

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「生きる、死ぬ。そして生まれる」という人間の根本のあり方を描く物語

――舞台の原作『豊饒の海』は三島由紀夫の長編大作とあって、文学的で少し難しいのかなという、漠然としたイメージがあるのですが、いかがでしょうか。

ひとことで言うと、生まれ変わりの話です。ひとりの人間が亡くなって生まれ変わり、その生まれ変わりをひとりの友人が探し続けるという話なんです。4部作ですが、そこまで難しい話ではないのかなと思います。

三島由紀夫がこの作品を書き上げて編集者に原稿を渡したあと、その足で陸上自衛隊の市ヶ谷駐屯地に行って割腹自殺してしまったので、作品の解釈について本人の口から語られたことがないので、それゆえに人それぞれのさまざまな解釈があるのですが、その幻想を楽しむ舞台でもあると思います。

――舞台に出演されることが決まったときは、どんな気分でしたか。

恐れおののきました。僕は一三島ファンだったので、どうしても“三島の最高傑作の『豊饒の海』舞台化”ということだけで、恐れをなしていたところがあったんです。

でも、舞台のワークショップに参加した時、演出のマックス・ウェブスターさんが「僕がやりたいのは人間ドラマだ」とおっしゃったんです。最高峰の小説を再構成して文学的な舞台にするのではなく、人間ドラマとして演出するんだと。僕も『豊饒の海』を読んだことがない方、まったく知らない方がご覧になってもわかるものにしたいと、最初からずっと考えていたので、このマックスの言葉が真理だと思いました。今は、その方向性で着々と高みを目指しているので、このまま三島文学の最高峰に登頂できればなと思っています。

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感じ方は人それぞれ。自分なりの“美”を見つけて

――今回演じられる勲功華族の令息で美青年の松枝清顕(まつがえ・きよあき)について、どんな印象がありますか。

清顕は衣・食・住、満ち足りた中にいるけれども、喪失感を抱えている。でも、それが清顕の親友・本多繁邦(ほんだ・しげくに)の言うところの“美”と重なると思うんです。清顕のいる地位ゆえに自覚できる美しさや余裕もある、一方ではどこか空虚さを抱いている、そういう人物かなと思います。この空虚さは、物にあふれたこの時代に生きる現代人にも近いものがあるのかもしれないですね。

――清顕は繊細で少し難しい性格にも見えるのですが、どんなところが魅力だと思われますか。

僕はあんまり繊細だと思わないんです(笑)。親友の本多の目には、「こいつなにを考えてるのかわからない」と映るんですが、その実、清顕はその瞬間なにも考えてなかった、というところもあるのかなと思うんです。清顕と話しているときに本多が理屈をこね回すんですけど、清顕はその様子を見て、「ベラベラしゃべって、やっぱり本多はすごいな」と思ってニヤッとするんです。でも、そんなふうにニヤッとした清顕に対して本多は、「やっぱり松枝わかってる!」という感じになる。その二人のバランスもおもしろいと思います。

ただ、その一方で清顕は夢日記をつけていて精神世界にも触れ、言葉では言い表せないカリスマ性というのを秘めている。それが清顕の魅力であり、天賦の才だなと思います。

――三島由紀夫さんの文章は美しいといわれていますが、そういった部分も舞台に映し出されているのでしょうか。

セリフは美しいと思います。神託というか予言のようなものというか、一言(いちごん)一言の中に威厳のようなものがあります。ただそれらが、血が通った人間の喉からセリフとして出たときに、また文字とは違った意味での美しさ、温かみを覚えることもあると思います。

それだけでなく、共演者の方々、登場人物の立ち居振る舞いとかしぐさ、スタイルが美しい。本当に美しい舞台になっていると思います。その美しさを怖いと思うのか、ただただ美しいと思うのか、そういうところも楽しんでいただきたいです。

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ファンならずとも誰もが三島由紀夫の世界観を楽しめる舞台に

――見どころについて聞かせてください。

今回、演出家のマックスが、登場人物の全員がお互いに糸1本ずつぐらい干渉し合っていることによって、作品が成功するとおっしゃっていたんです。そういう意味でも全員が魅力的に描かれている作品になっていると思います。

――今回の舞台に向けて、新しく始められたことや意識するようになったことなど、日常の中での変化はなにかありましたか。

個人的には没入しないと表現できる世界ではないと思っています。家に帰って、犬の散歩中にもセリフを練習するし、食事をしていても夢見心地だし。『豊饒の海』のことばっかりを考えて、日常っていうものがない生活になりそうです。清顕を自分に乗り移らせないと、と思っています。

――鑑賞後、誰もが心に残るなにかを感じることができそうですね。

必ず! 上演後、思ったより難しくなかったという声が多く聞けるんじゃないかなと思っています。僕も台本を読んだときに、あの難しい『豊饒の海』の4部作がこんなにうまくまとまるんだと思ったので。

――最後に読者に向けてひとこと、メッセージをお願いします。

現在、舞台の脚本はまだ完成していないのですが、これがすでに素晴らしくて、本当によくできているんです。あと少しブラッシュアップされて本番となるんですが、ますますよくなっていくと思うと、すごく楽しみです。三島文学の偉大な部分を崩さないようにしつつ、これまで文学や演劇を通ってこなかった方、ご存知ない方が初見で理解できて、楽しめる舞台を目指しています。ぜひ劇場にお越しください。

――上演がすごく楽しみです。今日は、どうもありがとうございました!

三島由紀夫の“究極の小説”が約2時間半にギュッと凝縮された今回の舞台。人間ドラマを通じて描かれる三島の世界観を体験してください!

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