「ファストカジュアル」は飲食業界の勢力図を搔き変えるか?

「ファストカジュアル」は飲食業界の勢力図を搔き変えるか?

  • @DIME
  • 更新日:2016/11/30
No image

フードビジネス業界の勢力図を描き変える、「ファストカジュアル」という業態をご存じだろうか。

ファストフードとファミリーレストランの中間にあたるスタイルで、品質の高い食材を使用し、厳選されたメニューを提供。低価格と質の高さを兼ね備えており、外食頻度の高いアメリカで生み出されたハイブリッド業態である。最新キーワード「ファストカジュアル」を探ってみた

■アメリカの最新トレンドを常に、日本のフード業界も採り入れてきた

アメリカ消費社会のメインストリームである、1945〜64年に生まれた「ベビーブーム世代」、1965〜80年に生まれた「ジェネレーションX世代」、1981〜2000年に生まれた「ジェネレーションY世代」。当たり前のように外食を行なう彼らが、世代の違いこそあれ、アメリカのフードビジネスを支えてきた。

このアメリカの外食文化が日本にも広がり、たとえば「ファミリーレストラン」が日本で外食をする機会を増加した。また、手軽さと安さを売りにする「ファストフード」が日本に上陸するやいなや、不景気の影響もあり瞬く間に急成長を遂げた。

ところが、アメリカの外食産業は、健康意識の高まりもあって高カロリーな食品が敬遠されたり、調理場が見えないことへの不信感から安全性が叫ばれたりと、「多少高くても、品質がよく安全で美味しいものを……」へと、消費者の嗜好に変化がでてきた。

そこで新たに誕生したのが、「ファストカジュアル」だ。“見せる調理場”を取り入れたスタイルが中心で、注文を受けてから調理を始めるのが基本。アメリカではブームとなっている。

日本ではファストフードの人気が高い。しかし、「食の安全、安心、高品質」が叫ばれる昨今、日本でもファストカジュアルを求める消費者が徐々に増えてきている。

実は、これまでもファストカジュアルは日本にあった。代表格として「フレッシュネスバーガー」「サブウェイ」などが挙げられるのだが、従来からのファストフード枠で捉えられていた。今後はファストカジュアルの考え方が広まっていく中で、再評価されていくだろう。

■シンガポール発のサラダ専門店「SALADASTOP!」が上陸!!

日本でファストカジュアルのブームに火が点く気配を見せるなか、最先端のファストカジュアル店が日本に上陸した。

シンガポール発のサラダ専門店「SALADASTOP!(サラダストップ!)」が、2016年11月1日、表参道に日本1号店としてオープンしたのだ。

No image

シンガポール在住のスイス人がヘルシーな食を届けたいという想いから、2009年にシンガポールでオープンさせたSALADASTOP! は現在、シンガポールに15店舗ほど出店しており、マニラ、ジャカルタとアジアを中心に拡大をみせている。そして日本へもついに上陸。2017年には六本木へ2号店を出店する予定だ。

コンセプトは「Eating Wide Awake(食べて目覚めよう)」だという。サラダを主食にして体内から健康にし、生活の中にSALADASTOP!を取り込んでいく、そういうライフスタイルを提供したいそうだ。

No image

メニューは「サラダ」「ラップ」「グレイン」の3種から選べて、さらにベースとなる食材や6種類のトッピングを選択。トッピングがたくさんあって迷ってしまいそう。

好きな具材を選ぶと、目の前でザクザクとチョップされる。作っている様子を眺めることができるのは、楽しいだけではなく、安心につながる。そしてカットされた野菜をボウルに入れ、選んだドレッシングとしっかり和えれば完成。自分好みのカスタマイズサラダの出来上がりだ。

No image

ドレッシングは18種類あり、シンガポールのシェフがドレッシングレシピを開発している。手間はかかるが、毎日少量ずつのみのドレッシングを自家製しているという。だから、防腐剤、化学調味料、着色料を一切使用せずにすみ、身体によいものだけを提供してくれるのだ。

No image

カスタマイズするだけではなく、あらかじめ決まっている10種類の「シグネチャーサラダ」や、あたたかいボウルサラダの「ウォームグレインボウル」も4種類、メニューに用意されている。自分好みが決まるまではまず、こちらからセレクトするのもお勧めだ。

■干野店長オススメは「オー クラブ ラ!」

シンガポールのSALADASTOP!で勤務経験のある干野店長がお勧めする「オー クラブ ラ!」は、ミックスグリーン、クラブスティック、たまご、赤玉ねぎなどを用い、ドレッシングはシンガポール式チリクラブというスパイシーなアジアンテイストで、ぜひとも味わっていただきたいボリューム感いっぱいのサラダだ(サラダ:950円、ラップ920円 共に税込価格)。

No image
No image

右)干野店長 左)スタッフの上野さん

毎日来店しても飽きないように種類豊富な具材を揃え、自分好みに自由にカスタマイズできるのはうれしい限りだ。健康、食の安全性を求められているなかで、成人病や肥満を気にする男性のランチにもお勧めだ。SALADASTOP! は、サラダを主食として提供するユニークな存在として、注目を集めている。

No image

SALADASTOP!表参道店

住所:東京都渋谷区神宮前4-4-13神宮前柴田ビル1F

営業時間:11:00〜21:00

■ファストカジュアルの新ブランド誕生が相次ぐ

SALADASTOP! のように、ファストカジュアルの海外ブランドが今、続々誕生しており、日本にもやがて進出してくることであろう。

一方、外資参入ではなく日本独自のファストカジュアルを生みだし成功している店もある。ご存知「丸亀製麺」だ。

客の目の前で麺を茹で、天ぷらなどのサイドメニューも店内で調理、そして、清潔に保たれたテーブルやカウンター席を用意し、客単価は立ち食いうどん店よりも高めだが、うどん店や和食レストランよりは安い。現代のニーズにフィットする業態は、当然のように急成長を達成。海外進出を行なうまでに至っている。

また、24時間営業廃止で注目された「ロイヤルホスト」が運営する、新業態カレーショップ「スパイスプラス」も、カウンターオーダーでありながら本格的な料理を仕上げている。

No image

このように、ファストカジュル業態も多様化しており、ファストフードに高級感を加えた店舗、ファミレスがロープライス化した店舗が、同時に増えている。例えば今後、ファストフードの代表格であるマクドナルドがこの業態を取り入れ、次なるブランドとして確立させていく可能性も十分ある。安さと速さだけを武器にするビジネスバリューはもはや低下、食の安全が敏感になっている今、「美味しいものをリーズナブルに、安心して食べたい」と、求める声は高まるばかり。ファストフードが少しずつ業態を進化させ、ファストカジュアル化を進めたら、フード業界は今後大きく変化することになるのは間違いない。

サービスを簡略化しつつも、低価格で本格的な料理を提供しているファストカジュアル。この業態が日本に定着するのもそう遠くはないだろう。客単価が良いファミレスと、安さと回転率の高いファストフードのいいとこ取りを狙う「ファストカジュアル」は、最も注目したいキーワードだ。

文/花澤御金 取材・撮影/中馬幹弘(ちゅうま・みきひろ)

慶應義塾大学卒業後、アメリカンカルチャー誌編集長、アパレルプレスを歴任。徳間書店にてモノ情報誌の編集を長年手掛けた。スマートフォンを黎明期より追い続けてきたため、最新の携帯電話事情に詳しい。ほかにもデジタル製品、クルマ、ファッション、ファイナンスなどの最新情報にも通じる。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

お店カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
【立ちそば放浪記】臨海・お台場イベントの朝に重宝! 新木場『めとろ庵』をオススメする5つの理由
1300円のドーナツに感動する / 世界でいちばん上品で大胆なドーナツを東京で
「午後の紅茶」の期間限定カフェが東京ミッドタウンに登場するよ! / ときめきの「泡紅茶」を体感しにいこう♪
西川ダウン×ナノ・ユニバース×木梨サイクルのコラボダウンジャケットが発売!
米Amazon、リアル食料品店「Amazon Go」オープン、混雑・レジ待ちなし

注目のキーワード

キーワードで気になるニュースを絞りこもう

おすすめの特集

おもしろい・役立つ記事をピックアップ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加