金融知識がありすぎて誰も信じられなくなった42歳男性の末路

金融知識がありすぎて誰も信じられなくなった42歳男性の末路

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2019/02/21
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金融セミナーによくいる「こんな人」

「お金を貯めるには、何から始めるといいの?」
「簡単に節約できる方法って?」
「投資を始めるのに良い証券会社はどこ?」
「投資で儲けるには、何を買えばいいの?」……。

家計の相談をしていると、お金に関するいろいろな質問を受けます。

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〔photo〕iStock

お金に関する業界(おそらく他の業界でも同じでしょうが)では、自分に有益な情報、つまり自分の場合はどうするとお金を増やせるか、貯められるかということを貪欲に知りたがる人がいます。

もちろん、きちんとした人は、予約を取り、自分が話を聞くための最善の状況をつくって情報を聞きにきてくれます。そういった人はその後、聞いたことを実行し、自分に生かすこと、もしくは今後改善すべきことを見つけることができています。でも、そうではない人もいるのです。

「無料」や少額の有料セミナーに参加し、情報を得て、終了後には内容についての質問をするという情報の得方、理解の仕方であれば納得はいきます。ですが、今がチャンスとばかりに個人的なアドバイスを受けようと、しつこく質問をする人もいるのです。

一人に時間を割きにくい状況の時で、しかも時間が短すぎ、その人の置かれた状況も把握しきれない場で。断片的な情報しかない中での個別アドバイスは、まったく的確なものにはならないのに。

しかも、聞いたことに関する勉強をするわけでもなく、ただ、情報を提供している人の話を聞き、自分なりに納得するだけ。だから聞いた以上のことはわからず、具体的なやり方や始め方などがわからないから、また別な人に聞かなくてはいけなくて、「あの人の話は役に立たなかった」というようなこともいい出します。

きちんと勉強したらわかることですし、聞いたことをやってみれば、わからないことは店舗の人が、コールセンターの人が教えてくれることだろうに、それもやらない。自分では、本来必要である情報収集や行動をせず、他人に求めるばかりです。しかもわかったことは明日やろう、次の給料が出たらやろう、そう思い行動は先延ばしです。

これでは、せっかく良い情報を集めても、何も自分に活かせないだろうと思います。

知識は豊富なのになにもしようとしない人の末路

私のところに家計相談に来る人は、料金を支払ってきてくれるのですが、そういう人の中にも一部こういった「情報は欲しいけれど、自分ではしない」「すでにたくさんの情報をもっているけれど活かせていない」という人が相談に来ることがあります。

「自分は知っている」というプライドが、他者のアドバイスや提案を受け入れられなくするのかどうかわかりませんが、とにかく「活かさない、実行しない」ということで、かなりの損をしているのではないかなと思える人がいるのです。

「老後資金をしっかりと作りたい。そのためにできることを知りたい」と相談に来た会社員のUさん(42歳)もその一人です。

老後資金を作るために今できることは、まず”将来に備えるお金を増やすこと”です。貯蓄や投資に回すお金を増やすことができれば、Uさんの希望はある程度かなえられるでしょう。

そのためには、まず、家計を整えることが重要です。毎月の収支の黒字を増やすことが、まず必要です。しかし、節約できる部分について相談を始めると…。

「節約といえば固定費が一番簡単に減らせますよね。一番良いと言われるのは通信費で、スマホを格安スマホにするということでしょう? あれは通信状況も通話状況も良くないというし、安くなっても変更するメリットはあるのかな。設定などで時間も手間もかかるようだし」と、難色を示すのです。

Uさんは確かにご自身でいろいろ情報を得ているようです。しかし、Uさんのスマホの使い方はほぼLINEとTwitterで、じつは通話は数えるほどしかないそうです。そして、通信状況を気になるような、外回りの営業とか、携帯端末系の技術者とか、そういう仕事でもありません。

確かに最近は大手キャリアの通信料も安くなってきていますし、格安スマホだけにこだわる必要はありませんが、頑なに拒否するようなものでもありません。できそうなところから行動してみると良いだろうと思い、思っていることをお伝えしたのですが、契約プランの見直しすらも面倒だともいい、何をしたいのかつかめません。

通信に関して、自分の使い方を客観的に見ることはできていませんし、自分の使い方と利用料が見あっているかも考えることなく、「格安はよくない」というイメージだけで話をしているように感じます。

次に生命保険について、必要な保障について基礎的な部分から説明を始めました。

しかし、Uさんにとって必要なものを考え始めた時に、「他社の生命保険募集人の方に外貨建ての終身保険が一番よく貯まると聞いたし、医療保障は、今の商品が一番良いと言われて見直しをしたばかりなので、ここはいいです」と言い、自分に必要な保障について考えようとしません。

保険証券を見ると、必要のない保障がついていたり、貯める仕組み自体にも疑問を持つようなものだったのですが、すでに見直して契約した保険にはまったく疑問を持つ余地がないという雰囲気です。現状にあった内容に見直しをすることもまた難しそうです。

そこで固定費の見直しはあきらめて、次に変動費を削減できないかと見ていくと、「食費は節約し安いんですよね。1ヶ月2万円でやる人もいるし。食費を減らすためなら、一日1食抜くこともできますよ」と少々極端です。長く継続していくことを考えられていません。食費は1週間ごとに予算を組み、コントロールしましょうと話しましたが、あまり響いてはいないようでした。

本を読んだだけでは家計は変わらない

では、よく投資を始めると家計が気になるようになり、投資の原資を出すために節約したくなるということがあるので、今の黒字額から、投資を少しずつ初めてみるのはどうでしょうかと提案してみました。

「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」の話をすると、「税金が安いし、お得でよいということは知っています。毎月払えるようになったら、ぜひやりたいんですよね」「国の制度だから、安心ですよね」などと話しながら、購入すべき商品や手数料などのうんちくを話し始めます。ですが、どこで証券口座を開設しますとか、iDecoとつみたてNISAのどちらから始めますなど、具体的な話にはなりません。

老後資金を作るためにUさんは何をどうしたいのか。お金に関しては興味があり、家計管理や家計改善、投資入門などのセミナーには数多く参加し、知識としては多くもっているようです。

ですが、中途半端な解釈と理解で止まってしまい、自分の生活レベルに下ろした時に、どう行動すると自分の生活レベルを維持しつつ支出を抑えられるかなどを考えることに至っていないのです。

知っていることはたくさんあるので、他者の説明で不足していた内容などは「自分はもっとこんなことを知っている」とうんちくを話だし、知らなかったであろうことを捕捉された時には、関心の度合いにより、興味深く聞いたり、面白くないような態度をとったり。客観的に見たアドバイスをしているつもりでも、これではどう対応して良いか、わからなくなってしまいます。

自分を認めて欲しいのか、行動の後押しをして欲しいのか、と思うこともありますが、まずは自分を客観的に見ることができないと、変われないのだろうなと思います。

知っていることを実行して、自分ごととして実感できれば、理解度もぐっと変わり、自分にとって良いもの、良くなかったものの選別もできるようになっていくでしょう。ただ、人から美味しいところだけ聞こうという姿勢のままでは、そうはなれないでしょう。

Uさんとは程度が違いますが、よく「本を読んだのに、家計は変わらなかったよ、効果はなかったよ」と言われることがあります。でも、読んだだけでは変わりませんよね。同じようにセミナーを聞いただけでは、個別のアドバイスをしつこく聞いたからといって、それだけでは何も変わりません。本などで得たことを、自分はどうするとできるのかを調べ、取り組まないと変わるなんて無理なのです。

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