プロジェクト管理ツールBasecampの最高技術責任者、デイヴィッド・ハンソンさんの仕事術

プロジェクト管理ツールBasecampの最高技術責任者、デイヴィッド・ハンソンさんの仕事術

  • ライフハッカー[日本版]
  • 更新日:2017/12/06

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回はプロジェクト管理ツールBasecampの最高技術責任者、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソンさんの仕事術です。

一流のプロジェクト管理ソフトウェアを陰で支えるBasecampは小規模の会社ながら高い生産性と精力的な企業文化を持つことで有名です。David Hinemeier Hansson(デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン)さんは、そのBasecampの主力製品の開発に携わっています。彼はHulu、Airbnb、GitHub、初期のTwitterなどの基礎となったアプリケーションフレームワーク、Ruby on Railsの生みの親でもあります。オフのときは、国際的なカーレースに出場することが趣味のDavidさんの仕事術をきいてみました。

居住地:今はカリフォルニア州のマリブですが、スペインのマルベーリャとシカゴにいることもあります。

現在の職業:Basecampの最高技術責任者

仕事の仕方を一言で言うと:効率的

現在の携帯端末:iPhone X

現在のPC: iMac 27とMacBook 12

── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?

私が初めて手に入れたコンピューターはAmstrad 646で、6歳のときでした。でも、コンピューターの神童からは程遠く、プログラミングを学ぼうとしては、何度も失敗しました。結局、雑誌の後ろのほうについているゲームをいくつか打ち込んでみただけに終わりました。ほとんどはコンピューターを使って他人のゲームで遊んでいたようなものです。

ティーンエイジャーになると、AmigaのElectronic Confusionという海賊版ソフトウェア用のWarez BBSを操作して、モデム、コーリングカード、クラッカーやトレーダーの魅力的な面についてすべて学びました。自分の小さな寝室でUSロボティクスのモデムがちかちか点灯しているのを懐かしく思い出します。オランダのモデムから私のモデムにコールしてくる人がいたりしました。

Amigaのおかげで、こうした関りを通して多くのプログラマーと知り合いました。 彼らはデモやゲームを作るためにアセンブリ言語やC言語を使っていましたが、それを見ているうちに私はこれは自分が就くべき職業ではないと確信しました。ポインター算術式やベクトル計算をおもしろいとは思えなかったのです。

そのあと、インターネットが世の中に普及しました。私は相変わらずゲームが好きだったので、ゲームのレビューサイトをいくつも作りました。高校時代には、konsollen.dkというコンソール・レビュー誌をはじめました。最終的にはフリー・ライターを10人抱え、読者も数千人できました。 レビューするためにすべてのゲームを買う経済的余裕はなく、16歳の子どもがゲームをレビューしたいので無料で譲ってほしいと頼んでも、まともに応じるディストリビューターはいませんでした。でも、コペンハーゲンのゲームショップの店長と知り合いになって、彼が1週間だけ新しいゲームを全部一度に貸してくれたのです。

それが、quake3.dkを作ることにつながりました。最後は、コンソールとPCゲームの両方を扱うdailyrush.dkを作りました。これぞスタートアップというぐらい本当に何もないところから立ち上げました。 起業支援のインキュベーターで作成され、ビジネスプランも無く、資金調達や仕事の獲得に奔走しました。2000年から2001年のことです。

こうしているうちに、PHPを学ばざるを得なくなりました。 プログラマーになりたかったからではなく、自分のウェブサイトに新しい機能がほしかったからです。2001年に、37signalsのJason Friedさんが自身のブログでPHPに関する質問をしたので、私から彼にメールを送ると、彼は自分でプログラミングを学ぶよりも私を雇うことに決めました。そこから、BasecampとRuby on Railsへと話は移っていき、現在に至っています。ここまで来るのに約15年かかりました。

──最近の1日の流れを教えてください

どこを拠点にしているかで違いますが、マリブにいるときは7時45分ごろに起きて、一番上の子どもを車で保育園におくって行き、午前9時30分ごろに仕事をはじめます。割とゆっくりめのスタートですね。午前中はメール、依頼、PR、チャットルーム等々、入ってきたものの処理に使います。キャッチアップや会議などを終えて、運が良ければ、昼頃から自分の仕事をはじめます。

私の仕事は幅広く多岐にわたり、文章を書くことに専念する日もあります。 Jasonと私は現在、『The Calm Company』という新しい本を書いています。 本以外には、ブログ記事や、トークのアイデア、Basecampで使えそうなアイデアを書いていることもよくあります。執筆の仕事はとても多いんです。

プログラミングに専念している日もあります。Basecampの新しいコンセプトを進めたり、Ruby on Railsに組み込むためのコードを抽出したりしています。プログラミングが大好きなので、楽しくてたまりません。

あとは、会社として56人の社員を抱えるBasecampのマネジメントをしています。Basecampは役職もサポートスタッフもあまり多くありません。CFOもCOOもいませんし、専任のマネージャもいません。ですから、仕事が常に発生しています。そういう仕事はできるだけさっさと片づけて、なるべく早く書く仕事とプログラミングの仕事に戻れるようにしています。たいていそれでうまくいっています。なるべく社則は少なくしたいし、会議もだらだらやりたくありません。

── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?

私の好きなソフトウェアはすべて書く仕事に関連するものです。 2003年にAllan OdgaardさんがTextMateを形にするのを手助けしたので、今でもTextMateは、お気に入りのテキストエディターとしてコーディングに使っています。多分一生使い続けると思います。

iA Writerも気に入っています。普通の文章はほとんどこれを使って書いています。 美しくてシンプルで気が散ることがありません。

それから、OS X/iOSノートがあります。新しいブログ投稿記事、本のエッセイ、そしてトーク用のゆるいアイデアが書いてあります。

写真を撮るのも大好きです。Leica MのカメラにSummiluxの50mmレンズをつけて撮影して、Adobe LightroomVSCOフィルムプリセットを使って写真を現像します。この組み合わせで貴重な思い出の写真をたくさん残しました。特に父親になってからは、子供の写真を撮りたくてたまりません。

最後になりますが、私はメカニカルウォッチが好きです。種類は問いませんが、特にヴィンテージのDaytonasに目がありません。40年後にも刻々と時を刻んでいるであろうメカニカルウォッチを見ていると、長生きしなくちゃと思います。長持ちするシンプルなものを作って、それをきちんと手入れをしながら長持ちさせる。これに尽きます。

── 仕事場はどんな感じですか?

仕事場は、かなりがらんとしています。私のオフィスには大きな白いデスク、27インチのiMac、HiRiseのiPhoneの充電器、水の入ったガラスのボトルがあります。散らかったデスクは才能がある印だというたわごとを聞いたことがありますが、私は整理整頓されているほうが好きです。散らかっていると気分が落ち着きません。

── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?

Noと言うことです。ほとんどの人が複雑な義務に囚われているのには、いつも驚いています。私はほとんどのことにNoと言っています。そうすれば、自分で本気で選んだ少数のことにだけに、完全にコミットできます。

Basecampの経営、Ruby on Railsのプログラミング、書籍の執筆、レースカーの運転、そして写真撮影。どうやったらそんなにいろいろなことを同時に回していけるのかとよく聞かれますが、余計なことは人生から取り除けば時間はたっぷりあるはず。この質問にはいつもちょっと当惑します。

──ToDoはどうやってトラッキングしていますか ?

実はあまりしていません。バックログにならないようにはしています。メールのInboxを空にすることには執着しています。ほとんどのメールは、届いたとたんに内容を判断して短く返信すればいいのです。Inboxがメールでいっぱいになるのは、すぐに返信せず先延ばしにするからで、それをするとますます不安になりますよ。私の場合はほとんどのメールにNoと答えて、先に進みます。

一般的に私がトラッキングするのは、自分のコントロールが及ばないことに関してだけです。たとえば、最近自宅の建設が終わりました。それで、すべてのベンダーやパンチリストなどをトラッキングするシステムを持つ必要がありました。ありがたいことに、Basecampにもそのシステムは完璧に使えています!

──どのように充電していますか? 仕事のことを忘れたいときはどうしますか?

私は仕事が好きです。この場合の仕事とは、主にプログラミングと執筆を指しますが、これは人生で好きなもののうちの2つです。だから仕事のことを「忘れる」必要はありません。

でも、充電は必要です。一日に4〜5時間本気で仕事に集中できると、かなり進捗するので、上出来と言えます。レモンを最後の1滴までぎゅうぎゅう絞るようなやり方は、余裕がなくなるので幸せな生き方ではないと思います。

ですから私は世界耐久選手権で世界中のカーレースに参加しています。車を運転しているとき感じる全神経を集中させる感覚と波に乗っている感覚が好きなんです。スピードと重力、そしてちょっと危険な感じがあわさって爽快そのものです。心が洗われますよ!

写真を撮るのも大好きです。完璧な一瞬を捉えると満足感でいっぱいになります。適切な光と適切な構図。それから適切な色味が揃って初めて「表現」できるんです。

最後になりますが、家族と一緒に旅行するのが好きです。本当に好きなのは旅行する部分でなくて、体験する部分が好きなのかもしれません(子供をわざわざ飛行機に乗せたい人が世の中にいるでしょうか)。妻や子供たちと一緒に世界を旅しながらいろいろな発見をするのは本当に嬉しいことです。でも、たまには、ショーやInstagramを見てぼーっとすることもあります。

──仕事の合間に何をするのが好きですか?

Ruby on Rails です。

──今、何を読んでいますか? おすすめの本はありますか?

Debt: The First 5,000 Years』です。お金、借金、物々交換、奴隷制度、道徳、そしてそれらすべての関連性に関する歴史を魅力的に語った本です。

──これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

Amor Fati(運命をポジティブに受け入れろ)です。

Image: Lifehacker US

Source:Basecamp,Ruby on Rails,TextMate,iA Writer,Leica M, Amazon(1,2),Adobe,VSCO,Rolex,Twelve South,

Nick Douglas - Lifehacker US[原文

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