「ロンドンのアフリカ料理」で初のミシュラン獲得 幼なじみが挑む革新的な味とは

「ロンドンのアフリカ料理」で初のミシュラン獲得 幼なじみが挑む革新的な味とは

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2019/02/13
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「イコイ」は、ロンドン市内のアフリカ料理店で唯一、ミシュランの星つきの話題のレストランだ。ロンドン中心部ピカデリー・サーカスにほど近い、いわば「ロンドンのタイムズ・スクエア」とも言える一等地に建つ。店はイングランド北西部出身のジェレミー・チャンと、ナイジェリア生まれのハッサン=オドゥカレが始めた店で、2人は幼なじみだ。

世界のトップシェフに向けたメディアであり、世界各国のシェフたちのネットワーキングを目的に毎年開催されるグローバルなイベント「FOTE」の母体でもある”Food on the Edge”も、「旬の食材を生かすドラマチックな感性」「恐れを知らない遊び心と優美さのマリアージュ」などと評したこの話題のレストラン「イコイ」について、「Forbes Africa」から翻訳許諾を得たので以下掲載する。

ある有名な口コミサイトによれば、ロンドン市内には105軒の「アフリカ」料理店がある。かたや「ヨーロッパ料理」で検索すると、ヒットするのは2654軒。この数字を見る限り、英国の首都の外食環境はフェアでない、と感じるアフリカ人もいるだろう。

ブイヤベースもフライドポテトもひとくくりにしてしまう「ヨーロッパ料理」という呼び方はなんだかおおざっぱで、実態がないと感じる人はロンドンに多い。なのに、ヨーロッパ50カ国を上回る「54カ国」を有するアフリカ大陸から来た食文化のことは、平気で「アフリカ料理」と十把一絡げにしている。

これをみると、ロンドンはたしかに国際都市かもしれないが、本当の意味での「食のコスモポリタン」を自称できるのはまだ少し先かもしれない。

ありがたいことに、アルゴリズム万能のこんな世の中になっても、この都市の飲食店数千軒の中から「これぞ」という一軒を選ぶとき、口コミはまだ頼りになるガイドだ。

そこでここでも、ある「アフリカ大陸」料理店──この場合の「アフリカ」はガーナ、セネガル、南アフリカだ──についての「口コミ」をシェアしようと思う。ロンドンで、遠く故郷アフリカを夢見ながら空っぽのお腹を抱えている読者のために。

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幼なじみのジェレミー・チャンとハッサン=オドゥカレは、ラゴスを旅したことがきっかけでレストランをオープンした。チャンはイングランド北西部出身、ハッサン=オドゥカレはナイジェリア生まれだ。チャンはこう言う。「あえてナイジェリア料理は出していません。まったく革新的なものだけを出したいから。それが僕らの基本なんです」

「ジョロフライスの燻製」は、カニに捧げられた官能的なラブソングのような料理だ。完璧に仕上げられたアルデンテの米はカニの出汁で炊かれ、濃厚なカニクリームで仕上げられている。調理にはカニがまるごと一匹使われている。洗練されているのに、食すものをリラックスもさせるこういった料理からは、チャンの直観的な洞察力が伝わる。

つまり彼は、伝統を重視しつつ、実験的な企てにも挑戦しようとしているのだ。皿の上には、「21世紀の多文化主義」のいいところが凝縮されている、といった感じだ。

「料理は、材料のクリエイティブな解釈によって作られるべきです」。「イコイ」に通いつめた、私のめくるめく「アフリカの食」週間をしめくくるにふさわしく、チャンはこんな謎めいたことを言った。「お客さんと原始的なつながりが持てる一皿を、と思っています。ありとあらゆる先入感をそこで取り除こうと」

「イコイ」は、ミシュランの星をロンドンで初めて獲得した「アフリカ料理」レストランだが、「アフリカ大陸」というレッテルはここではますますそぐわないように見える。

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プランテーン、ラズベリーと燻製スコッチ・ボネット

料理を待つ人の期待にこれでもかと挑戦するような作品の数々は、実に激しく、食す人の予想を裏切る。それくらい、ここの料理とその生みの親であるジェレミー・チャンとイレ・ハッサン=オドゥカレの個性は強烈だ(シェフのチャンはメディア向け資料の中で、自分の料理を抽象画家マーク・ロスコの絵画になぞらえているが、このたとえをうぬぼれと感じる記者もいるだろう。著者自身は、好ましくも果敢であると感じたし、的を射た表現だと思った)。

前菜〈プランテーン、ラズベリーと燻製スコッチ・ボネット〉(写真)は、日本のアートディレクター石岡瑛子が考案するファンタジー衣装のスケッチのようでもある。

酸味の強いラズベリー塩をまぶされて赤紫色に染まったプランテーンの大きなスライスには、柑橘の香りがきいたスコッチ・ボネット種の激辛唐辛子を練りこんだサフラン色のマヨネーズの塊が添えられている。プランテーンは濃厚で甘く、ラズベリー塩は子どもの頃に好きだった、あのパチパチはじける粉キャンディを思い出させる。

だが、そこに通奏低音として流れるのは、あくまでも乳化されたスコッチ・ボネットの温かさだ。風変わりで、食すと気分がぱっと華やぐ、ちょっと「スター・トレック」風の一皿。「USSエンタープライズ号」のプライベートエリアで宇宙人の特使が供されそうな、SF趣味の料理だ。

「料理は食べる人を虜にしないと」とチャン。「食べる人に、皿を見たとき『こいつを壊してやる!』と思ってもらいたい。だから、たとえばポークチョップなら、生きていた時よりもブタらしく見えるように心がけています。まあ、デフォルメされたブタ、という感じですかね。これはあなたが仕留めたんですよ! というプレゼンテーションになれば。美意識に訴え、かつ、美味。2つを同時に実現したいんです」

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