【ニッポン洋食ものがたり】とんかつは、いつ、どうやって誕生した?

【ニッポン洋食ものがたり】とんかつは、いつ、どうやって誕生した?

  • tenki.jp
  • 更新日:2016/10/20

豚のカツレツ=とんかつ。おなじみの料理ですね。
専門店でいただくヒレかつの味、近所のお肉屋さんで買う揚げたてのロースかつ……
お気に入りの「とんかつ」の味を、多くの方がお持ちなのではないでしょうか。
カツレツとは、フランス語の「cotelette」(コートレット)が訛ったもの。
「勝列」「佳津烈」「吉列」などおめでたい字があてられ、縁起かつぎに食べる人がいるほど愛されている料理です。
そんなとんかつが誕生したのは、ほんの100年ちょっと前のこと。いつ、どこで作られ、どのように日本じゅうに広まったのでしょうか?

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ロース、それともひれかつにする? どんなソースをかける? 悩みます

とんかつの原型にあたる料理、それは銀座の……

もともと「コートレット」とは、仔牛や子羊の骨つきの肉や、その肉を使った料理を表す言葉。
開国から間もない明治期の日本では、これを見よう見まねで鶏肉や牛肉を使った「カツレツ」が作られていたといいます。
1890年代、銀座の「煉瓦亭」が「ポークカツレツ」と名づけた料理を売り出しました。
これが、現在まで続く「とんかつ」のルーツとされています。
とんかつに付き物なのが、「刻んだ生キャベツ」。
西洋料理でガーニッシュ(ガルニチュール、添え物の意味)にあたるものですね。
この生キャベツを添える習慣も、かなり初期から行われていたようです。
コックさんが日露戦争に徴兵され、人手不足を補うために、なるべく手がかからない添え物を……と、生キャベツが選ばれたのだとか。
当時、キャベツは日本での本格的な生産が始まってまだ間もない、いわば新野菜でした。
いわゆる「開拓時代」に、北海道で大々的に生産が始まったのがキャベツ普及の背景にあるともいわれます。

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野菜を生で食べる習慣もほとんどなかった日本。生キャベツはどう受け止められた?

「とんかつ」の名称は、下町が発祥

「とんかつ」の名称がいつ定まったのか?
諸説ありますが、昭和初期、上野の「ポンチ軒」が売り出したのが最初だとされています。
その後、上野や浅草を中心に「とんかつ」を食べさせる店が続々と現れ、全国に急速に広まっていきました。
洋風の料理など、食べ慣れていない人が多かった当時の庶民。
一生懸命にナイフやフォークを使うのですが、力を入れすぎてお皿から落としてしまったり、衣服を汚してしまったりする人が続出したのだとか。
そんな経緯を経て、あらかじめ切ってあって、お箸で気軽に食べられる「とんかつ」の食べ方が定まっていったのかもしれませんね。

とんかつを2度楽しむ? 江戸っ子流・とんかつの食べ方

やがて洋食にも慣れてきた江戸っ子、独特のとんかつの食べ方を編み出します。
テーブルにとんかつが運ばれてくると、まずはソースをたっぷりかけてから、おもむろに「ころも」を外します。
ころもを外した肉を酒の肴にし、その後でソースのしみた「ころも」をごはんに混ぜて、「カツ飯」風にして締めたのだとか。
ところで、江戸時代までの日本では、「神仏への信仰をさまたげる」として、肉食を慎む人が大多数。
南蛮渡来の調理法である「てんぷら」などを除けば、油脂を使った料理もほとんどありませんでした。
そんな日本で、短期間でとんかつが普及したというのは、なんだか不思議に思えます。
「官公庁や学校の食堂で、洋食が採用された」
「傷病兵が、回復食として肉を食べた」
「国策として『養豚』が奨励された」
……など、とんかつや洋食の普及にはさまざまな背景があるようです。
気になる方は、ぜひ調べてみてくださいね。
「かつカレー」や「かつ丼」「かつサンド」など、とんかつをアレンジした料理も美味しいですよね。
とんかつアレンジ料理についてのお話は、またの機会にご届けします!

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日本化したパン「食パン」に、とんかつをはさんだ「かつサンド」

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