政府謝罪、真意「これから分かる」 ハンセン病訴訟原告

政府謝罪、真意「これから分かる」 ハンセン病訴訟原告

  • 西日本新聞
  • 更新日:2019/07/13
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ハンセン病問題の「最終解決」に向けた一つの幕が、ようやく開かれた。元患者の隔離政策で差別や偏見にさらされてきた家族に対し、安倍晋三首相が12日、談話で「深く反省し、心からおわびする」と謝罪。原告らは「長年求めてきた言葉をやっと聞けた」とかみしめ、前を見据えた。「家族を排除してきた社会の構造を打ち崩すために行動を続けたい」‐。そのバトンは今、根強い差別を残し続けてきた社会、「加害者側」に立っていた私たち一人一人にも、託される。

「解決への、一つの手掛かりをいただいた」「誰もが平然と『家族がハンセン病だった』と話せる社会にしていきたい」。首相談話発表の後、原告団長の林力さん(94)=福岡市城南区=は記者会見で万感の思いを口にした。原告副団長、黄光男(ファンクァンナム)さん(63)=兵庫県尼崎市=は、隣の席で何度もうなずいた。

首相が控訴断念を表明した後も「本当だろうかと落ち着かなかった」という黄さんも、やっと心に一区切り付けることができた。謝罪の文言が「心にしみてありがたい」と語った。

物心つく前に両親や姉たちが療養所に収容され、1歳から9歳まで児童養護施設で過ごした。退所して迎えに来てくれた両親と会っても「初めて会う人という感覚。親子とは何たるか分からずに育った」。40代半ばを過ぎ、母の死にも感情は湧かず、涙すら出なかった。母を他人としか見ることができない自分に直面し、その事実にさいなまれた。

家族がハンセン病患者だったことは親しい人にも伏せてきた。そんな自身を突き動かしたのは、元患者家族らとの交流で出会った林さんの言葉だった。「恥でないものを恥とするとき、本当の恥になる」‐。

2016年の家族訴訟提訴時、初めて顔と名前を出し取材に応じた。「ハンセン病から逃げずに生きたい」。以来、裁判には欠かさず通った。首相談話を聞きながら思い出したのは、法廷で証人尋問に立った29人の仲間の姿。「言いたくないこと、知られたくないこと、みんなこの日のために語ってきた。あの時間は僕にとって宝物になった」

それでもまだ、原告として声を上げることもできなかった人、周囲にすら打ち明けられないでいる人がいる。今後、国は補償や啓発活動にどう取り組むのか。首相談話の謝罪が、真の謝罪になるかどうかは「これからの交渉で分かる」と黄さん。患者・元患者や家族を排除してきた社会の構造を改めるための一歩は、ここから始まる。

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