第2次朝鮮戦争に向けたアメリカの準備が進んでいる

第2次朝鮮戦争に向けたアメリカの準備が進んでいる

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2019/06/19
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今年の夏はイランと中国に専念する

もし、トランプ大統領のスケジュール帳なるものがあるとして、それを見ることができるとしたら、今年の夏の予定はイランと共産主義中国に関わる案件で埋め尽くされているであろう。

怒涛のように歳月が流れるので、はるか昔のことのように感じられるが、トランプ大統領の就任式は2年半前のことである。

その2年半の間、戦後最低とも称される(米キニピアック大学の調査による)オバマ氏の、共産主義中国に融和的な「悪夢の民主党8年間」によって、脆弱になった安全保障を立て直すことに注力してきたし、これからもそうだ。

ファーウェイなどの共産主義中国フロント企業とその背後にいるハッカー集団の問題はかなり明らかになってきた。また、「米中貿易戦争」と呼ばれるものの本当の目的は、関税や貿易赤字にあるのではなく、サイバー戦争における米国の優位性を確保することである。

この戦いの大きな節目となるであろうと思われるのが、6月28日、29日に開催予定の大阪サミットである。米国は、サミット期間中に米中首脳会談が実現しなければ、 中国製品に対する新たな制裁関税を発動すると警告した。

現在のところ中国側は、態度を明らかにしていないが、トランプ大統領の「最後通牒」は中国側に受け入れがたいとも考えられ、後述のように「第2次冷戦」どころか、ホット・ウォーの可能性さえ出てくる。

さらに、イランの問題も重要だ。イランは、日本人から見ると遠いエキゾチックな国かも知れないが、米国で政治や経済を牛耳っているといわれるユダヤ人にすればイスラエルの最大の敵であり、許しがたい存在である。

トランプ政権になってから、在イスラエル米大使館を移転し、イスラムにとっても聖地のエルサレムを事実上イスラエルの首都として認めるなどイスラエル寄りをさらに明確にしている。

その米国にとって、中東で唯一の核保有国(政府は保有を否定しているが、ほぼ確実視されている)であるイスラエルの他に、イランが核保有国になったら大問題である。

イスラエルの諜報機関モサドが実行犯とされることについては真偽の確認が難しいが、イランの多数の核開発指導者が殺され、サイバー攻撃で大混乱に陥ってイランの核開発が遅れてきたのは事実である。

しかし、いよいよ本格的な開発のステージに入ってきているのだとしたら、見過ごせない。

北朝鮮の例を見れば分かるように、うかつに核保有国にしてしまえば後が大変だ。ポンぺオ国務長官がモスクワ訪問やメルケル首相との会談をキャンセルし、イラン問題の対応にシフトしたのも、イランの核保有問題が米国=イスラエルの核心的利益に触れるからである。

2020年11月の米大統領選挙を控え、ユダヤ票に大きく影響するイラン問題は年内に片付けるのが望ましいし、共産主義中国との戦いも、そのころにはメドをつけたいというのがトランプ政権側の事情である。

まず「敵になるかもしれない味方」を取り除く

だから、ベトナムのハノイでちゃぶ台返しをされた後、こそこそミサイルを打ち上げた北朝鮮は、彼らが勝手に決めた年末の会談期限あたりまで放置するであろう。

また、いまや従北の「準共産主義国家」になり果てた韓国との同盟関係の見直しも年末ごろになるのではないだろうか?

ただし、その年末に備えた動きは既に始まっているようである。

まず、シャナハン国防長官代行は、6月2日に「停止されている米韓軍事演習を現時点で再開する予定は無い」と述べた。

この言葉だけでは、単純に「北朝鮮を刺激しない配慮は今後も続ける」ともとれるが、現在の諸般の状況を勘案すると「韓国と軍事演習をしても無駄だからやらない」と解釈できる。

韓国軍の自衛隊機へのレーダー照射問題は、例のごとくうやむやになるという最悪の状況だが、この日本への不誠実な裏切り行為は、米軍の韓国政府および韓国軍への不信を最大化した。

「敵になるかもしれない味方」、すなわち関ケ原の戦いの小早川秀秋のような軍隊と一緒に訓練しても、重要な情報が洩れるだけでむしろマイナスだというのが、米軍の本音であろう。文大統領が、金正恩氏に「御注進」でもしたらたまらない。

北朝鮮との交渉においても、従北かつ「準共産主義国家」との合同軍事作戦ではなく、「米国単独の軍事行動をとるぞ!」と恫喝したほうがよほど効果的だ。

万が一、北朝鮮に軍事攻撃を行うときも、湾岸戦争のような「空爆作戦」が中心なると思われるが「電撃作戦」の内容を韓国が知っているというのは、とてつもないリスクだ。韓国軍を軍事作戦から外すことによって、米国軍はより強くなる。

また、大阪サミットの際に、トランプ大統領が韓国を訪問する予定であることにも注目したい。

文大統領の「押しかけ訪米」の際に「実質2分」という、立ち話対応で事実上追い返したトランプ大統領が、サミットのついでとはいえ、わざわざ韓国を訪問するのには深い意味がある。

主題は北朝鮮ではなく共産主義中国との関係になるはずだ。

まず、共産主義中国のフロント企業とされるファーウェイの全面排除を迫るであろう。さらには、「第2次冷戦」で米国が戦う「新・悪の帝国」(旧・悪の帝国はソ連)と、米国のどちらをとるのか踏み絵を踏まされる。つまり「最後通牒」を突き付けられるのだ。

もし、習近平氏の顔を描いた絵を踏みつけなければ、韓国も「新・悪の帝国」の一味とみなされる。まずは経済制裁をちらつかされ、その後、進展がなければ、年末から年明けにかけて「米韓軍事同盟」の見直しに至るだろう。

膨大な経費がかかるのに、韓国が費用分担を渋っている在韓米軍の縮小は既定路線だが、そのスピードが加速しているようにも思える。年末以降の「電撃作戦」の可能性もそれなりにあると思う。金正恩氏が、米国からの「最後通牒」を拒絶する可能性が高いと思われるからだ。

日本がますます頼りにされる

安倍首相とトランプ米大統領は5月28日、海上自衛隊横須賀基地を訪れ、事実上の空母への改修が決まっている海自最大のヘリコプター搭載型護衛艦「かが」を視察した。

これは、朝鮮半島や中国大陸に向けた強烈な「日米結束」のアピールである。

その他にも、6月12日から安倍氏はイランを訪問した。反米に凝り固まったイランにとって、イスラム社会で大量虐殺を行った十字軍以来の宿敵キリスト教の国でないだけで心が休まる相手であるし、日本は「原油調達」の関係から、イランを含む中東諸国との友好関係には、長年心を砕いてきた。

その安倍首相訪問中の6月13日、ホルムズ海峡近くで日本の海運会社が運航するタンカーなど2隻が攻撃を受けるという事件が起こった。

米国政府はいずれもイランが関与したとの見方を示しているが、その言葉をうのみにするのは危険である。

米政府は証拠のビデオの公開などを行っているが、ビデオ撮影できる状況であったのに、なぜ彼らを拿捕しなかったかなど、不思議な点がある。

2003年のイラク戦争が連想される。この時、米国はイラクが「大量破壊兵器の破棄」(湾岸戦争の停戦条件)を行わず保有しているとして攻撃を行った。しかし、後の調査で大量破壊兵器保有の証拠は見つからず、米国政府は「CIAの情報に誤りがあった」と弁明し、国際社会から非難を浴びた。

誰を利するのかを考えたときに、このタンカー攻撃がハメネイ氏あるいはイラン政権中枢の判断であると考えることは危険だと思う。

むしろ、「平和の使者」である安倍首相が仲介役とて訪問している最中に事件が起こったことは、米国のイランへの攻撃に「大義名分」を与えることになる。結果的に、安倍首相は「ナイス・アシスト」をしたことになるわけだ。

ちなみに、イランにとっての米国は、「革命」を起こしたイスラム政権からは「悪魔」同然に思われているパーレビ国王を陰で支え、1979年の米国大使館人質事件以来の遺恨を残した相手である。

日米同盟が強固になれば、反共防衛ラインを「準共産主義国家」の韓国から後退させ日本海にするのも、かなり合理的な選択である。

香港は危機的状況

香港は1997年に英国から中国に返還された。その際に約束された「1国2制度」は、香港の「高度の自治」を明記した1984年の「中英共同宣言」により、1997年の返還から50年間適用されるとされていた(社会主義政策を将来50年〈2047年まで〉にわたって香港で実施しないことを約束)。

しかし、雨傘運動が起こった2014年に、駐英中国大使館が、「現在では無効だ」との見解を英国側に伝えていたことが明らかとなり、さらには、中国当局は英下院外交委員会議員団による宣言の履行状況の現地調査を「内政干渉」として、香港入り自体を拒否していたこともわかった。

その後、2016年には反体制派書店「銅鑼灣書店」の関係者5人が失踪し、中国国内で長期拘束されるという事件が起こり香港の自由主義者、民主主義者を震撼させる。

そして今回、刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡すことに道を開く香港政府の「逃亡犯条例」に反対する100万人規模のデモが起こった。

その後、香港政府は条例決議の延期を発表したが、共産主義中国の約束など信じることができない香港市民は、「撤回」を求めてさらに大規模な抗議活動を行っている。

しかし、残念ながら、心ある香港人のこれだけの反発にもかかわらず、香港の共産主義化は確実に進み、欧米などの先進国企業は次々と逃げ出すだろう。

1997年の返還前に多数の香港人がカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどに逃げたが、彼らの心配は杞憂では無かった。韓国や北朝鮮同様、共産主義中国の「約束」もあてにならないことが証明されたのである。

本当の防衛ラインは台湾である

これまで述べた様に、韓国を含めた朝鮮半島は、民主主義の砦として守る必要がないというのが、トランプ大統領の判断であろう。

地上戦にもつれ込むと、多くの米国の若者の血が流されるので、国内世論に敏感なトランプ大統領は躊躇するだろうが、湾岸戦争のような「空爆電撃作戦」で朝鮮半島を焦土にする選択肢はあると考えられる。韓国を「砦」として残す必要がなければそれも十分可能である。

そのためにも、米軍とその家族は早く韓国から引き上げたいはずだ。

そして、米国の防衛ラインが日本海に後退するとともに、民主主義中国(中華民国=台湾)が、極めて重要な防衛ラインになる。

民主主義中国(台湾)は、第2次世界大戦を米国と共に戦った盟友であり、日本に続くアジアの民主主義のお手本でもある。

そもそも、米国や英国などとポツダム宣言に参加したのは民主主義中国(蒋介石)であり、毛沢東率いる共産主義中国が、彼らから領土を奪ったのだ。

だから、戦後しばらくの間は、中国といえば民主主義中国(台湾)を意味していた。

1978年の第2次米中共同声明以降、ほぼ同じ時期に始まった改革・解放が大成功したこともあり、共産主義中国が大手を振って歩いていたが、そもそもの中国は民主主義中国(台湾)であり、米国(特に共和党)の根本的スタンスもそこにある。

共産主義中国が「新・悪の帝国」とされ、民主化の可能性が無いと判断された今、米国が民主主義中国(台湾)を全面支援するのは当然である。

もし、共産主義中国が民主主義中国(台湾)にちょっかいを出すようであれば、朝鮮半島が焦土になる前に、台湾海峡封鎖などの軍事行動を引き起こすかもしれない。

これまでに台湾海峡危機は3回あり、第1次が1954~55年、第2次が1958年、第3次が1995~96年である。ちなみに、第2次台湾海峡危機の時には、アイゼンハワー大統領が「中国はまぎれもなく台湾侵略」を意図しているとして共産主義中国をナチスになぞらえた。

米国と共産主義中国の軍事紛争は現実に起こり得るのである。

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