流行の「自虐PR動画」で悪影響も “優良”地方創生コンサルの条件

流行の「自虐PR動画」で悪影響も “優良”地方創生コンサルの条件

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  • 更新日:2018/02/15
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地方創生に携わるコンサルタントに必要な要素とは?(※写真はイメージ)

政府による「地方創生」の大号令で、毎年1千億円規模の予算がつき、コンサルトたちにとって追い風となっている。だが、その質は玉石混交だという。現役コンサルタントたちの匿名座談会を開催し、問題点を語ってもらった。

●座談会参加者

観光コンサルタントAさん(30代)=全国の地方自治体の観光推進を手伝うコンサルタント。元バックパッカーで世界中を旅して回った経験も。

ブランディングコンサルタントBさん(30代)=地方企業のブランディング事業を展開。その実績から、九州や関東近県の商工会議所などからセミナー、コンサル依頼が入る。

人材コンサルタントCさん(30代)=クラウドソーシング事業に携わった後、人材サービス会社に。現在、自治体や地方企業に地元出身の専門家を紹介している。

*  *   *

A:私は、地方創生に携わるコンサルタントには三つの要素が不可欠だと思うんです。専門性と地域性と継続性です。専門性は言うまでもありませんが、地域に精通していなければ、とても地域活性化のコンサルティングなどできません。

C:地域のことがわかっていない専門家が、「くまモンのようなゆるキャラを作りましょう」とか、「面白いPR動画を作りましょう」とか、他県の成功事例を押し付ける。成功事例の導入なら、自治体職員としても、上司や地元議会を説得しやすい。それで、全国津々浦々で同じことをやってしまい、結局、地方のよさは埋もれるという悪循環を生んでいる……。

A:そうなんです。地方のことを知らずに仕事をされるから、単発で終わっても気にしない。たとえば、近年は“自虐PR動画”が流行(はや)ってますよね? 埼玉県川口市は「ほぼ東京」とか「治安だって言うほど悪くない」とアピールする動画を作ったりしましたが、自虐動画は瞬間的に話題になるだけです。その土地を知ってもらうという効果はある、と言えるかもしれませんが、すでにその土地に住まわれている人の反応は正直悪い。一般に「シビックプライド」と言いますが、地元愛・郷土愛などを傷つける負の効果をもたらしかねない。名前を売るために地元の活力を失っては元も子もありません。その点、Cさんの専門家紹介サービスは、地域性もあって持続性も担保できる可能性がある点で興味深い。

B:私が思うに、好ましくないコンサルタントは2通りに分けられます。提案型とスピンオフ型です。提案型は主に「○県ではこんな成功事例があるので、おたくもやってみませんか?」という提案をする、よくいるコンサルタント。スピンオフ型はメーカーの商品開発部門や百貨店のバイヤーなどをセミリタイアした“過去の実績”で食べている人です。なぜ、どちらもダメかというと、スピンオフ型は単純に発想が古い。今やビジネス環境は5年もすればガラッと変わってしまいます。10年、20年前の成功体験を持ち込まれても効果が望めないんです。一方で、提案型は一見もっともらしいことを言っているように感じますが、持続性がない。そのときの流行を追っているだけ。

──持続性というのはどういう意味なのでしょう?

B:昨年放送されたある情報番組で、結果を出すコンサルの達人が紹介されていたのをご覧になりました? そこに1人の野菜ソムリエが“スター農家育成プロジェクト”の一環で中国地方の桃農家に派遣されるんです。農家の方はその土地ならではの白桃を全国に広めたいと希望するのですが、その野菜ソムリエは「あなたの希望は関係ない」「お客にどんなものを提供したら喜ばれるかを考えなさい」とアドバイスするんですよね。消費者目線のもっともらしい意見に見えますが、これは地方創生に携わるうえでは絶対に言ってはいけないこと。なぜなら、根本的な解決にならないから。野菜ソムリエが消費者の代表として振る舞いながらアドバイスをする限り、農家さんはこの野菜ソムリエに頼らざるをえません。地方創生交付金がカットされて、野菜ソムリエに依頼できなくなったら元の木阿弥です。専門家がいなくなっても、美味しい桃をつくって売り上げを伸ばしていけるように下地をつくってあげるのがコンサルタントの本来の役目でしょう。そのためには、依頼主が「やりたい」ことを伸ばすほうがいい。実際、私は関西を中心にアパレルメーカーや陶器メーカーなど、本当に小さい企業のブランディングもやらせてもらっていますが、依頼主が「やりたい」「つくりたい」と思った商品・サービスは必ず結果が出ています。自分の商品・サービスに情熱があるから、不慣れなPRもみんなで全国を飛び回って行う。1年で6~8倍に売り上げが伸びるケースも少なくありません。

(構成/ジャーナリスト・田茂井治)

※AERA 2018年2月19日号より抜粋

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