「朝日新聞、死ね」の足立康史氏が放った続けざまの問題発言

「朝日新聞、死ね」の足立康史氏が放った続けざまの問題発言

  • 文春オンライン
  • 更新日:2017/11/18

足立康史 日本維新の会・衆院議員
「朝日新聞、死ね。」
ツイッター 11月12日

1週間の名言、珍言、問題発言を振り返る。すごい時代になったものだ。現役の国会議員が報道機関に「死ね」と公に発言するとは。日本維新の会所属の衆院議員・足立康史氏は、朝日新聞の11日朝刊の社説「『加計』開学へ これで落着とはならぬ」に対し、自身のツイッターに「朝日新聞、死ね」と投稿。その後も朝日新聞に対して「捏造」だと繰り返し投稿した。

朝日新聞、死ね。

(社説)「加計」開学へ これで落着とはならぬ:朝日新聞デジタル https://t.co/i6OE4aIagV
— 足立康史 (@adachiyasushi)
2017年11月11日
from Twitter

足立氏はBuzzFeed Newsの取材に対して、朝日新聞が「総理のご意向がある」と記載された文書を報じたことは「誤報」だったと主張。「国のため、国会を正すため、日本を前に進めるための『良い炎上商法』という意図があった」と語った(11月13日)。削除する方針はないという。

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「維新のトランプ」足立康史氏

また、足立氏は今回の発言について、2016年に話題になった「保育園落ちた日本死ね!!!」を「日本国民に対し失礼である」として「撤回させる」目的もあるとした(11月13日)。「保育園落ちた日本死ね!!!」はもともと匿名ブログへの書き込みなのだが、誰にどう「撤回させる」つもりだろう? ジャーナリストの青木理氏は「一般の市民が切羽詰まった状況を伝えようとして過激な言葉を使うのと、公共的な存在である国会議員が使うのは出発点が違う」とコメントしている(朝日新聞 11月14日)。

なお、朝日新聞の記事によると、足立氏は官邸からの意向を「ご下命」と呼び、安倍首相は「維新の彼らは利用できるからいいんだよ」と語ったという(朝日新聞デジタル 2017年4月19日)。足立氏は当該の記事に対して「まるで私や維新が官邸の指示で動いているかのような印象操作。最初からストーリーありきの悪意に満ちた朝日のプロパガンダ」と自身のウェブサイトで反論している(4月20日)。

足立氏は“維新のトランプ”という二つ名で呼ばれているらしい(産経ニュース 2016年7月22日)。その名にたがわず、続けざまに問題発言をぶっ放した。

足立康史 日本維新の会・衆院議員
「(立憲民主党の福山幹事長と希望の党の玉木代表は)犯罪者だと思っている」
NHK NEWS WEB 11月15日

15日の衆院文部科学委員会の審議で質問に立った日本維新の会の足立氏が、立憲民主党の福山哲郎幹事長と希望の党の玉木雄一郎代表、自民党の石破茂元幹事長を名指しして「犯罪者だ」と発言した。

足立氏は加計学園をめぐる問題に関連して、「立憲民主党の福山幹事長と希望の党の玉木代表は、獣医師会側から献金をもらっている。献金をもらって、仮に、請託を受けて、あっせんし、国会質問をしていれば、すなわち犯罪者で、私は犯罪者だと思っている」と発言した(NHK NEWS WEB 11月15日)。

さらに「何らかの権限がある」として石破氏の名を挙げ、「受託収賄、様々な疑惑が取り沙汰されている」と発言した(朝日新聞デジタル 11月16日)。自民、立憲民主、希望の各党は維新に対して抗議を行い、維新の片山虎之助共同代表は足立氏に厳重注意した。足立氏は「誤解を招く恐れがあるので、陳謝して、撤回したい」と述べたという(YOMIURI ONLINE 11月16日)。片山氏は、自民党や立憲民主党が求めている議事録からの発言削除についても「やむをえない」との認識を示した(産経ニュース 11月16日)。立憲民主党は足立氏に対する懲罰動議の提出も検討している。

なお、足立氏は先の衆院選で「連続落選なら比例枠を返上する」「(小選挙区で落ちれば)政界を引退する」と発言していたが、あえなく連続落選。結局、比例復活が決まると前言撤回した。ワシントン・ポスト紙によると、トランプ米大統領は「就任100日で492回のウソをついている」のだが、“維新のトランプ”もウソだけはやめてもらいたい。

加計孝太郎 加計学園理事長
「万感胸に迫る思いですが、認可を得たうえで、学園の建学理念の下、世界に冠たる獣医学部を目指して、努力に努力を重ねていきたいと強く思っております」
日テレNEWS24 11月10日

11月14日、林芳正文部科学相は閣議後の記者会見で、学校法人加計学園による獣医学部新設を同日付で正式に認可したことを発表した。国家戦略特区に指定された愛媛県今治市に来年4月、開設される予定。獣医学部の新設は1966年の北里大以来、52年ぶりとなる。

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加計孝太郎理事長 ©共同通信社

認可を前に、これまで沈黙を守ってきた加計孝太郎理事長がコメントを発表した。加計氏はご存知、安倍晋三首相の「腹心の友」。獣医学部の新設について内閣府が文科省に「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと伝えた文書が発覚して以来、さまざまな疑惑が発生していたが、ついにこの日まで加計氏自らが証言を行うことはなかった。沈黙したまま、ようやくここまで漕ぎつけたのだから「万感胸に迫る思い」なのは当然だろう。

加計氏は「設置認可をいただいたこの日の喜びを地元今治市、愛媛県の方々をはじめ、関係するすべての皆様方と心から分かち合いたい」ともコメントしている(NHK NEWS WEB 11月14日)。「関係するすべての皆様」とは、もちろん安倍首相も含まれているはずだ。

誘致を推進してきた愛媛県の加戸守行前知事はジャーナリストの櫻井よしこ氏とインターネット番組「言論テレビ 櫻LIVE」で対談し、「長い道のりで妨害、阻害に悩まされながらよくたどりついた」とコメントした(朝日新聞 11月10日)。認可が発表された14日には「ばかげた騒動で理不尽ないちゃもんだったが、雨降って地固まるとなればいい」と喜びの声を上げている(産経WEST 11月14日)。今治市の菅良二市長は「公平公正な審査が行われたことを感謝する」とコメントを出した(産経新聞 11月11日)。

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前川喜平氏 ©文藝春秋

一方、文科省前事務次官の前川喜平氏は14日夜、報道機関に書面で「総理のお友だちにだけ特権を与える行政行為であり、我が国の大学行政に大きな汚点を残しました」とコメントを出した。書面は次のように締めくくられる。「政権側は、国民による追及から逃げ続け、国民があきらめ、忘れてしまうのを待とうとしています。責任追及からの逃亡をこれ以上許すわけにはいきません。私たち国民は、決して忘れてはいけないのです」(産経ニュース 11月14日)。

ある学園関係者は「学内ですら何の説明もしていない。世間を騒がせたのだから、何かしら話すべきだ」と言っているそうだが(朝日新聞デジタル 11月10日)、少なくとも96億円もの市税を投入した今治市民には何か説明したほうがいいと思う。それとも森友学園問題で世間を騒がせた安倍昭恵首相夫人と同様、このまま国民が忘れるまで公の場で説明は行わないつもりなのだろうか。それこそ「総理のお友だちにだけ与えられた特権」だ。

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愛媛県今治市に建設が進む岡山理科大獣医学部の施設(11月10日撮影)

安倍晋三 首相
「あらゆる事態に備え、強固な日米同盟の下で具体的行動を取っていく」
YOMIURI ONLINE 11月17日

安倍首相は17日午後、衆院本会議で所信表明演説を行い、核・ミサイル開発を進める北朝鮮問題について「我が国を取り巻く安全保障環境は戦後、最も厳しい」と述べ、国際的な圧力を一層強化する方針を言明するとともに、ミサイル防衛体制を含む防衛力の強化に取り組むことを表明した。

日本は米国から戦闘機やミサイルなど大量の兵器を購入する予定だ。来日していたトランプ米大統領は「安倍総理大臣との友情は、われわれの偉大な国に多くの利益を生み出すだろう」とツイートした(NHK NEWS WEB 11月7日)。

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コイに餌ををやるトランプ大統領と安倍首相©AFP=時事

しかし、買ってばかりではいられない。これからは日本も武器を売っていく時代だ。政府官邸は財務省の岡本薫明主計局長を呼び、武器輸出に向けてODA(政府開発援助)のような新たな仕組みを作るよう指示した(テレ朝news 11月10日)。現行のODAでは経済開発援助が目的のため、武器輸出には使えない。関係者によると、この枠組で新規の武器の輸出も促進できると考えているという。

中東・ドバイで12日から始まった「ドバイ航空ショー」では世界の軍事企業がこぞって最新鋭の武器をアピールしているが、日本も航空自衛隊の新型輸送機「C2」を展示。UAE(アラブ首長国連邦)への輸出の実現を目指している。3年前に安倍政権が条件付きで「武器輸出」を解禁して以来、潜水艦や最新鋭の哨戒機、救難飛行艇などの輸出を積極的に推し進めてきたが、これまでは不調に終わっていた。世界最大の武器輸出市場である中東への進出は、実績を求める政府官邸の意向を受けてのものだ(テレ朝news 11月12日)。武器を買って、武器を売る。これが日本の未来の姿である。

(大山 くまお)

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